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意味がわかると怖い話。コミュの鬼蜘蛛の嫁(自作)

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いつもみなさんの作品を拝見して楽しませていただいています。
私も創作意欲を刺激されたので、作ってみました。
初投稿ながらやや長い文章になってしまってスミマセン。趣味で小説を書いていたことがあるのですが、そんな調子で考えていったものですから。
読んでいただけたら嬉しいです。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



ここは山中にある八雲村。
そこに住む小学5年生の舞歌と絵美はとても仲の良い親友。家もすぐ近所同士で、幼い頃から毎日のように一緒に遊んでいる。
双方が美少女で、村人達から将来が有望視されている。

夏休みのある日、小学校に来ていた舞歌と絵美は、学校の用務員の男性・鬼頭から怪談話を聞いていた。
今年で60歳の鬼頭は独身だが、子ども好き。よくこうして子ども達に昔話や怪談話を語り聞かせている。

鬼頭「南の神社に鬼蜘蛛が出没するのは知っているかな?」

舞歌と絵美は首を振る。

舞歌「知らない。ちょっと遠いし」
絵美「家や学校でもあんまり行かないように言われているしね」

舞歌も絵美も、怪談話は大好物で興味津々。鬼頭は声を潜めて話し出す。

鬼頭「夕方5時以降に南の神社の階段を登ってはいけないよ。もし108段目まで上がったら、糸で絡め取られて鬼蜘蛛のお嫁さんにされてしまうからね」
舞歌「え〜〜〜なにそれ?」
絵美「キモーイ!」

舞歌と絵美はキャイキャイ笑う。

鬼頭「30年くらい前にも女の子があの神社に行った後、行方不明になってね。村じゅう総出で探したんだけど、まだ見つかっていないんだ。きっと鬼蜘蛛のお嫁さんにされてしまったんだよ」
舞歌「ホントに?」
絵美「うそぉ?」
鬼頭「いやいや。その子だけじゃない。それ以来、今まで全部で6人の女の子が行方不明になる事件が起きているんだ。みんな南の神社に行った後にね」
舞歌と絵美は顔を見合わせる。


舞歌と絵美は怪談話の真偽を確かめるべく、鬼頭が話していた南の神社にやってきた。
舞歌「もうすぐ5時だよ」

夕方5時だが、真夏だけあってまだ空は明るい。
絵美「よ〜し、登ろう!」

「いち! に! さん! し!」
2人は段数を数えながら一緒に階段を昇り始めた。

「ひゃくご! ひゃくろく! ひゃくなな! ……ひゃくはち!」
2人は問題の108段目に到達した。

舞歌「アハハ、やっぱりな〜んともなかったね」
明るく笑い飛ばす舞歌だが、絵美の様子がおかしいのに気付く。
舞歌「どうしたの?」
絵美「う…うん……」
青ざめた絵美の頭や手には蜘蛛の糸が絡まっている。いつしか空は夕焼け色に染まり、蜘蛛の糸がキラキラと光る。



3日後、絵美は行方不明になった。
村総出で、警察も加わり大捜索を行ったが、発見には至らず。やがて事件は徐々に風化していった。

舞歌は絵美を失った喪失感にさいなまれ続けた。
絵美が“鬼蜘蛛”に襲われる場面が頭をよぎる。絵美が手足を縛られ、衣服を引き裂かれ体を撫でまわされ、言葉にするも恐ろしい暴行を受ける。泣き叫びながら助けを呼ぶも、最後は首を絞められ――

周囲の大人達は舞歌を気遣い、以前にも増して優しく振舞った。やがて舞歌はそれに幸福感を覚えるようになり、喪失感も和らいでいった。



3年後――
夏のある日、用務員の鬼頭が自殺した。残された遺書をもとに、警察が鬼頭の自宅を捜索すると、床下や古井戸の中から遺体が発見された。

全部で7体。いずれも10歳前後の女児のもの。もっとも古い遺体は推定30年前のもの。そして最も新しい遺体は死後3年程度。DNA鑑定の結果、それは絵美のものだと断定された。

鬼頭が自殺する2日前、別の女児が鬼頭に拉致される事件が発生。幸いにも殺害される前に女児は無事保護されたが、鬼頭は逃走。その後、自殺を図ったとみられる。

被害女児の証言によると、鬼頭から南の神社の怪談話を聞き、108段の階段を登るのを実践した。その際、蜘蛛の糸が体に付いてしまい、本当に自分が鬼蜘蛛の嫁にされるのではないかと不安に。鬼頭に相談に行ったところを拉致されてしまったという。



夕焼けの中、中学の制服姿の舞歌は南の神社の階段を登っていた。
舞歌「ゴメンね、絵美」

感情のこもってない声でつぶやく。ふと見ると、木の枝に蜘蛛の巣が張られているのに気付く。
舞歌「でも…あなたが悪いのよ。あなたが私より可愛いから……」

舞歌は仏頂面のまま無言で蜘蛛を巣ごと手につかみ取ると、地面に叩きつけて踏み潰す。

コメント(6)

60歳のロリコン用務員…しかも殺人鬼(汗)

それより、恐ろしいのは、少女とは言え、「女の嫉妬」と言うわけか…(-_-;)
>>[1]
コメントありがとうございます!わーい(嬉しい顔)
やっぱり読者がいてコメントを下さると嬉しいものです。
>>[2]
ありがとうございますわーい(嬉しい顔)
そうなんです。やっぱりこの話で一番怖いのはそこ…のつもりで書きました。
結構丁寧に書いていたらかなり長くなってしまったので、不要だと思う箇所を削除したり簡略化したりしました。やはり謎解き系なので、なるべくシンプルな方が読みやすいですね。
あと、長文が続く場合は改行も駆使して行間を詰め過ぎない方が読みやすいですね。

さて、必要ないかもしれませんが解説を。
そうです。この話に妖怪や心霊現象的なものは絡んできません。
そして60歳のロリコン殺人鬼も怖いですが、やはり最も怖いのは小学5年生の少女・舞歌の嫉妬心なんですよね。

>絵美が“鬼蜘蛛”に襲われる場面が頭をよぎる。絵美が手足を縛られ(以下略)

絵美は蜘蛛の糸に関して相談に行った際、鬼蜘蛛=鬼頭に襲われました。その場面を具体的に描きました。つまり、舞歌はこの場面に遭遇しておきながら、助けを呼ぶこともなく、黙って見ていたわけです。仲のいい親友を見殺しにしたのです。
一時的に喪失感にさいなまれましたが、その感情も薄らいでいってしまいました。
そして絵美が殺されてしまった事実を3年間ずっと誰にも話しませんでした。新たな事件が起きなければ、おそらく永久に行方不明のままだったことでしょう。

ラストのシーンで舞歌が中学の制服だったのは、中学生になったことを説明すると同時に、絵美の葬式の帰りだったという設定も組み込んでいます。
最後のセリフを全て言わせるとすると、
舞歌「でも…あなたが悪いのよ。あなたが私より可愛いから……鬼蜘蛛に気に入られちゃったのよ」
こんな感じですね。
初投稿とは思えないぐらい、完成度の高い良い意味怖作品です〜!( ´ ▽ ` )ノぴかぴか(新しい)

文章も、流石は小説を書いている方、読みやすく、情景が想像しやすかったです〜!

最後のシーン。
中学生の舞歌ちゃんが、絵美ちゃんの葬儀の帰りだけは、わかりませんでしたが、残りは混沌の想像通りの真相でした〜!( ´ ▽ ` )ノぴかぴか(新しい)

面白かったです〜!

次回作も楽しみにしていますね〜!(≧ω≦)bぴかぴか(新しい)

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