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意味がわかると怖い話。コミュの〜浄化〜黒腹の庭のアリス (自作・超長文・シリーズ)

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(^^)
どうも、俺です。



シリーズ系、意味怖です。



★★★★★★★★★★★★★★★



『きゃっ!!』

私『指名多く取ってるからって、調子に乗るんじゃないわよっ!!』



更衣室で膝を着いた陽子が私を睨み付けている。

その目からは、憎しみの感情が容易に見て取れる。


私『何よ、その目は?何か文句あるの?』

陽子『…いいえ、…ありません…。』



今まで私がこの店のNo.1だった。
指名を受けるのはいつも私。

…それを、先月入ったばかりの陽子にその地位を奪われた。

初めて私が二番になった。


咲きかけの蕾は芽が出る内に潰しておかないと、この店での私の威厳が無くなってしまう。


閉店後の更衣室で、私の取り巻き達と、陽子を教育してあげた。

ここまでされれば、普通の女なら明日から出勤出来なくなる。
いつもそうだから。


ふふ、いいザマね。



陽子の頭の上から水をかけると、私は取り巻き達と共に部屋を出た。


『秋菜さん、お疲れ様したー!』

『秋菜さん、お疲れ様っス!』



ボーイの二人に見送られながら、私はいつものように家に向かう為歩きだした。



水商売は私にとって天職。
皆が私に優しく声を掛ける。

自分の美しさが罪だわ。
鏡を見る度にそう感じている。

私に逆らう者は、女だろうが男だろうが、容赦しない。

もちろん、私が気に入らないと感じた人間もそう。

私が一番なのよ。




自宅マンションに向かう途中にある長いトンネル。

このトンネルを見る度に、溜息が出る。

車に乗りたくても、免許は持っていない。
そもそも、何故、私が運転しなくちゃいけないの?


仕方ないから歩いているだけ。
運動にもなるし、ね。



コツコツコツ、とヒールの音がトンネル内に反響する。

そのまま歩き続け、止まっていた車の脇を通り過ぎる。


ガチャ…


後ろで車のドアが開いた音がし


きゃっ、何!?


突然後ろから布を顔に押し付けられた。


必死でもがいていたが、その力も徐々に弱ま…って……いっ……………





?『ふふふふふ。おやすみなさい、秋菜ちゃん…。』











…………

う……ん………



…ここは…何処……?



目を開けた私はゆっくりと顔を動かそうとし……

…え……?


…顔が動かない?


違う…、動かないんじゃなくて、動かせられないよう固定されている…。

……何で?

体は椅子に座らせられている状態で、両腕は後ろ手にロープで縛られ、両足は椅子に縛り付けられている。


私『何よ…これ……何なのよっ!?』


状況を把握しだすと、急に恐怖が湧き始めて来た。



?『ふふふふふ。』



薄暗い部屋の奥から、女性の笑い声が聞こえて来た。



私『だ、誰っ!?……由紀?…梓…?』


いつも店で私の傍にいる取り巻きの彼女達のサプライズか何かか、と思いたかった。


?『おはよう。秋菜ちゃん。』


薄暗い室内に徐々に目が慣れて来た私の目に、壁に寄り掛かりながら私を見つめている女性が視界に入って来た。


フード付きパーカーを着て、フードを目深に被っている為、顔は解らない。

声にも聞き覚えが無かった。


私『…だ、誰っ!?』


スタ、スタ、スタ、と、
スニーカーを履いたその女性はこちらに向かって歩いて来た。


女性は私の前で立ち止まった。

女性を見上げるが、フードが邪魔で口元しか見えない。


?『私はアリス。久しぶりだね、秋菜ちゃん。』

私『誰…よ……、あなた、誰よっ!!』

アリス『アリスだよ。5年2組、出席番号24番、増田秋菜ちゃん。』

私『あなた……何言ってるのよ……これ、何なのよっ!!』


いつもは私が人を見下ろす側だったのに…。

私を見下ろすアリスと名乗る女性に、私は怒りを感じていた。


アリス『ふふふふふ。秋菜ちゃん、声、震えてるよ?大丈夫?ふふふ。』

私『あなた、なに笑ってるのよっ!!あなたがやったんでしょっ!!早くロープ外しなさいよっ!!』


体の自由が利けば、こんな女、ぶっ倒してやるのにっ!!


アリス『外さないよ?外したら、秋菜ちゃんと遊べなくなっちゃうもん。』

私『どういう意味よっ!』


アリスと名乗る女性は、フードに手をかけると、フードを捲り上げた。


嘘……
綺麗………



薄暗くても、フードの下に隠れていた素顔はとても綺麗な顔立ちをしていることが分かる。


普段から私以外に綺麗な存在などいないと思っていたこの私がそう感じたのだから、悔しいが間違いなかった。


私『…何をすればいいの?』


私がそう呟くと、セミロングの髪の毛を揺らしながら、アリスはしゃがみ込んだ。

ニコリと笑う笑顔を見た途端、不思議とそれまでの怒りの感情が薄れてしまう。

下手な女優やアイドルには居ない、独特のオーラを纏っている。


アリス『シャボン玉、作ろうよ。』

私『…え、…シャボン玉?』

アリス『うん。シャボン玉。』


屈託の無い子供のように、アリスは私を見つめながら微笑んでいる。


アリス『先に、アリスがお手本見せてあげるね。』


そう言うと、ポケットの中から小さなガラスの容器とストローを取り出した。

ストローを口にくわえる仕種が、とても妖艶に感じる。


アリスは、私の前で、大きな透明の風船を作り始めた。
ある程度大きくなった所で、ストローを動かしシャボン玉を上へと放った。


そしてそれを右手で潰した。


アリス『シャボン玉の潰れる感じ、人間の命が消えるのに似てるよね。ふふふ。』


一瞬、アリスの目からとても冷たい感情が伝わってきたような気がした。


アリス『今度は、秋菜ちゃんの番。はい、秋菜ちゃん用のストローね。容器はこれ。』


アリスは私の椅子の脇に置いてあったガラスの容器と、ホース程のサイズのストローを手に持った。

先程アリスが持っていた子供用のシャボン玉容器とストローとは明らかに違っていた。


私『…やめて。私、シャボン玉、作らない…。』


嫌な予感がした私は、大きめのストローと液体が満タンに注がれている容器を持つアリスに向かい、そう告げた。

容器とストローを床に置くと、アリスは無言で立ち上がり、部屋の奥へと歩いて行った。


なんなのよ……
それに、5年2組って何?

もう、この状況何なのよっ!!


もぞもぞと体を動かしていると、奥からアリスが戻って来た。

アリスの手には、何かが握られていた。


アリスはそのまま私の後ろへと回ると、私の手を握り出した。


アリス『秋菜ちゃんの指、綺麗だね。』

私『何よっ、触んないでよっ!!』

アリス『ふふふふ。この綺麗な指、何本かアリスにちょうだい?ね、秋菜ちゃん。』


……何を言ってるの、この女……


私『あげられる訳無いでしょっ!馬鹿じゃないのっ!?』

アリス『…そう。じゃあ、貰うね。』


私の指に冷たい何かが触れる。


私『…ちょっと、何…してるの…?』

アリス『秋菜ちゃんの指、アリスが貰うの。』


!?

意味を理解した途端、急激に全身から血の気が引いて行くのを感じた。


私『ちょっ、やめ、やめてっ!!!』

アリス『やめないよ。』



バチンッ



私『ああぁぁあぁああっ!!!!』


……肉と骨が体から離れるのが分かる…
そして襲い掛かる激痛…


私『痛い、痛いよぉっ!!!!』

アリス『秋菜ちゃん、この指、秋菜ちゃんの指だよね?』


叫び声を上げる私を尻目に、アリスは私の目の前に私の人差し指をつまみながら差し出して来た。


アリス『本当に秋菜ちゃんの指、綺麗だね。もう一本、貰ってもいい?』


私『…やだっ、やめて、お願いっ、もうやめてっ!!!』

アリス『やめないよ。』



バチンッ


私『ああああぁあぁっ!!!!』



再び、味わったことの無い激痛が体中を駆け巡る……



アリス『ほら、秋菜ちゃんの薬指。もう結婚指輪、付けられないね。ふふふふ。』


さらりと呟くアリス…


私『やるっ、シャボン玉作るからっ、もう許してっ!!!!!』



私の声が部屋中に響き渡る。


アリス『ふふふふ。』


アリスは私から切り取った二本の指を私の足元に置くと、ストローとガラスの容器を手に取った。


アリス『秋菜ちゃん動けないから、アリスが容器持っててあげるね。はい、ストロー。秋菜ちゃん、口開けて。』


変わらない笑顔のまま、アリスは私の口元に、ホースサイズのストローを近付けて来た。

ここでまた拒めば、何をされるか解らない……


私は震える体を抑え、ゆっくりと口を開けた。


アリス『しっかりくわえてね。』


ニコリと笑いながら、アリスがホースを口に持って来た。

アリス『くわえていーよ。』


言われた通り、ホースサイズのストローを口にくわえる。


アリス『そのストロー、一度口につけたら、離れないようにしてあるから安心してね。』


…え………


アリスの言うように、私の口は、ホースサイズのストローにくっつき、口を開ける事が出来なくなった。


私『んーんっ、んーーんっ!!!』


声が出せない……



アリス『はい、容器。この中にストロー入れるね。』


そう言うと、ガラスか何かの素材で作られたストローを容器の中に入れた。


タプン…


と音を立てて、ストローが入れられた。


アリス『あっ、いっけなーい、アリス間違えちゃった。』


アリスはわざとらしく言うと、いつもの笑顔を作り


アリス『ねぇ、秋菜ちゃん、硫黄の硫と酸素の酸って書いて、何て読むのかな?』


!!?


私『んーんっんーーんっ!!!!』


私の目からは涙が零れていた。


アリス『秋菜ちゃんにも解らないよね。なんだろう?』


アリスは私の前に顔の下ぐらいある台を右手で引き寄せると、その上に容器を乗せ、右手を離した。


アリスは私の顔を見ると、


アリス『あの日、アリスがトイレに居る時、秋菜ちゃん、ドアの上からアリスに……かけてくれたよね…。アリス、悲しかったな。』

!!?


そんな……
この女は……

でも……確か…死んだって………


アリス『秋菜ちゃんは、内側から綺麗にならないとね。外見はとても綺麗なんだから。ふふふふ。』

私『んーんッ、んーんーッ!!!!!』

アリス『え?鼻の穴を塞いで欲しいの?もう、しょうがないなぁ、秋菜ちゃんは。』


アリスはポケットから粘着テープを取り出すと…


アリス『秋菜ちゃん、鼻が小さいから、これくらいかな?』


と言い、私の鼻にテープを押し当てた。


アリス『じゃあ、アリス、時間だから帰るね。バイバイ、秋菜ちゃん。ふふふ。』

私『んーんッ!!!!』



アリスはフードを被り直し、パーカーのポケットに手を入れると、私に背を向けて奥へと歩いて行った。




…呼吸が…苦しい……

…あの女は……


……黒……霧…亜……


スゥーー








『陽子ちゃーん、12番テーブルご指名だよーっ!』

陽子『はぁーいっ!!』




今日も陽子は取り巻き達を従えながら、キビキビと男性客達の相手をしていたのだった。





『最後は、あの人だけ……、と。ふふふふふ……。』




↓関連トピック↓

[黒腹の庭のアリス・シリーズ]
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=71170261&guid=ON

コメント(22)

>>[001]

(^^)
モデル、ありがとうございますw
単に怖いだけではありません。
お久しぶりです(笑)
本当はちょくちょく覗いては居たのですが…

なるほど、みんな大好きあの人とはまさにあの人だったわけですね(゚∀゚)
>>[002]
(;^^)
完璧ミスですね(笑)
しかし、それこそが、ある意味での意味怖でもありますw
>>[004]
(^^)
お久しぶりですw

そういうことですw
なるほど〜あき菜さんだったのかぁ〜!

しかし、ラストの台詞が…。
あと一人。ですか?

シリーズもとうとう終焉なのかな?あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)


あ、なにかが胸に込み上げてきました。物理的な何かが←

アリスちゃんの復讐劇はあと一人で終わる…

楽しみに待ってます!!
(人゚∀゚*)ハート

確かにみんな大好き…

そしてとりまきの名前ww


次も楽しみです(・∀・)
>>[006]

(;^^)
ありがとうございます。
そう言って頂けると幸いですw

>>[008] バタ吉in狭小菜園さん

(^^)
多くても、昔でせいぜい12クラスまでですねw
ただ、本題はそこではありませんので、違いますw

>>[009] みまふぃる。さん

(^^)
あき菜さんには了解を得て作成させて頂きました。
水商売系にピッタリかな、とw
>>[010]

(^^)
あと一人です。
それでこのシリーズは完結します。
これまで長らく拝読頂きありがとうございますw

>>[011] ☆sunlight☆さん

(;^^)
何が、込み上げて来たのでしょうか?

長らく引っ張ってきたシリーズも、次で終わりです。
ありがとうございます。

>>[012] あずにゃ☆さん

(;^^)
取り巻きの女性達に何か感じましたか?

次で最後なので、気合い入れて執筆致します。
ご拝読ありがとうございます。
>>[013]

(^^)
納得の行く結末になるように頑張ります。
お読み頂きありがとうございます。

アキナさんがぁ(。・・)

息できず硫酸
吸っちゃったんですね>_<

由紀って(゚∀゚)ドキドキ
>>[017]

(;^^)
吸わざるを得ない状況にさせられたようです…。

由紀は、秋菜の取り巻きの女性の名前ですw

>>[018] あき菜閣下ΘεΘさん

(;^^)
すみません。
財前〇美のドラマは知りません。
キャバ嬢の世界には、現実に有り得そうかな、と思い、設定させて頂きましたw


一度口に付けたら離れないストローは、陳さんの商品ですか(^O^)?

ひたすらそこが気になってしょうがないです( ̄∀ ̄;)

>>[020]

(^^)
このシリーズに陳は関与していないので、彼女の手作りだと考えて下さい。
こちらは一応、シリアス系の路線なのでw

>>[021] あき菜閣下ΘεΘさん

(;^^)
特にそのような意味合いは含めていませんw
そうだとしたら、偶然ですね←

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