意味がわかると怖い話。コミュの『18回目の誕生日−ボロボロローファー−（自作・感動系・完結）

こんばんは
ゆーとです
(>_<｡)

とうとう完結です!!

ごゆるりと
お楽しみ下さい
(>_<｡)


前回
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=71918617&comment_count=18&comm_id=6037562&guid=ON



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『暖かい………
ここはどこ………』

七色の光に包まれた私は
見渡す限りの草原の上に
立っていた

『やぁ。唯笑ちゃん』

声のした方向に目を向ける
……私は目を疑った
そこには大きな光の球…
いや、人間の形をした
光り輝く【何か】が
立っていた

『あなたは？』

『僕に名前なんかないんだ……
しいていうならば
【ジョーカー】って呼んでよ。それより君は答えにたどり着いたようだね』

『………え？』

『今から言う事は元の世界に帰ったらどうせ忘れるから覚えなくていいんだけど一応聞いてね』

……何を言っているのか
理解出来なかったが
自然と耳を傾けていた

すると人間を象った光の
周りにココアとラムネが現れた

『僕の中にはみんなの
凄く暖かい想いや思い出が詰まっているんだ……
けれども最近は、ゴミとか平気でそこらへんに捨てたり、人間同士で争ったりする。だから僕は大切な事に気づいてほしくて、君たち人間の望みや日頃の後悔を拭ってあげるんだ
……………
君たちが寝た後に見る
【夢】という形でね』


……………
ふと、足元に違和感を覚え目を向ける
すると徐々に足が
消えていく
しかし、なぜだか
動揺はしなかった


『あ、もう時間か
長々と話しちゃったね
君が向こうの世界で
過ごした時間は数日なんだ
けど、記憶と周りの環境を変えたから君は向こうの世界では別の人生を歩んでることになってたはずだよ。
でも、安心して元の世界に戻ったら君の記憶とか環境も元に戻って、
あの世界での出来事は全て長い夢って事になるから
けど、僕と会ったこの時間は忘れちゃうけど
………………
それじゃあ……
もう二度とあんな事言ったらだめだよ』





…………………………


………………

「ん……ん〜…」
目を覚ました私の視界に
広がったのは見覚えのある天井だった……
私はどうやら家の
ソファーの上で寝ていたようだ

「ぐがぁ………」

そしてソファーの下から
聞こえてくるうなり声…

「ん……ん〜…」

聞き覚えのある声と共に
私の視界に下から見覚えのある顔が上がってきた

「………寝てたのか……
俺………」
「お父さ………ん？」
「……唯……笑？」


……ぼんやりする頭を
働かせる……
どうやら長い夢を見ていたようだ……
でも、どこからどこが？

「………あ、お母さん!!」
そうだ!!病院に!!


「……もう、急に大声出してどうしたの？」



暖かい声………
安心する声………

その声がした方を見ると
お母さんの姿があった


「…………お母さ……ん」
「ん？なに？」

私は急いで
お母さんの元へ駆け寄る
「身体大丈夫なの？
倒れたって聞いて」

しかし、お母さんは
依然としてキョトンとした顔つきのまま動かない

「何よ〜急に
夢と勘違いしてるんじゃないの？……ったくどんな夢見てたんだか…」


夢…………
今までのは夢……？
確かに家はボロボロの家だ日付を見ると
私の誕生日の１日前だ






「あぁ〜！やっと起きたの〜『お姉ちゃん』」


耳を疑った……
この『声』は間違いない………

するとお母さんの後ろからその『姿』が現れる



「の………のん……」
「おはようお姉ちゃん」



私の頬を一粒……二粒と
暖かいモノが伝う

次第に視界がぼやけ始める
私は膝から崩れ落ちた

するとお父さんも
泣きながらお母さんを
抱きしめ、のんも抱きしめた………


「お父さん、痛いよ…」
「あ、ごめん……」

のんから離れるお父さん
「まったく二人して
いつまで寝ぼけてるの」

「あ、お父さんとお姉ちゃん、もう仲直りしたの？」

その一言で私は全てを
思い出した

そうだ……
昨日原因すら覚えてない程の些細な事で喧嘩したんだ……
そして、私は
このソファーでふて寝して…………
眠りにつく前に神様に
願った

『生まれ変わったら
お金持ちの家に生まれたいです…』って

でも……あの夢のおかげで気づいた…
確かにお金は大事だけど
時としてお金は大切な
何かを奪うんだ
それに日頃、気づかないけどこんなにも価値のある
たくさんの宝物が
身の回りに溢れてるんだって事


そうだ………
俺は家族ってモノが
いまいちピンと来てなかった……
だからあの日
唯笑に『こんな家に生まれたくなかった！』
と言われて……
『もう家族なんて鎖に繋がれず一人で自由に生きたい』と少し思ってしまった

けれどあの夢を
見て気づいた……
家族の暖かさ……
仕事から帰る場所があり
待っててくれる人たちがいる………
当たり前だけど
当たり前じゃない
大切なコト








「お父さん………
あんな事いってごめんね」「……いや、俺も色々と未熟だったよ……ごめん」

私はお父さんの胸に飛び込んだ


−えへへ……暖かいや


「仲直りして良かった
私、神様にお祈りしたんだからね。『お父さんとお姉ちゃんが仲直りしますように』って」
「偉いね。のんちゃん」
お母さんがのんの頭を
撫でる
「でしょ〜」

「あ、そうだ唯笑
明日誕生日だよね？
お祝いするから早く帰ってくるんだよ？あ、友達も
つれてきて良いからね？」


「…………うん!!」







−翌日−
目覚ましのベルで目覚め
眠い目を擦って階段を
降りてリビングに向かう


ソファーに座りながら
コクンコクンと首を上下にさせながらうたた寝している『のん』

椅子に座ってコーヒーを
すすりながら新聞を
読んでる『お父さん』

トントン……と軽快なリズムを刻んで朝ご飯やお弁当を作る『お母さん』


思わず口元が緩む



身支度を済ませた私は
玄関でボロボロのローファーを履き
ドアを開ける
「いってきまーす!!」
そして数秒遅れて
帰ってくる
「いってらっしゃーい」

そして、一歩
外へ踏み出す


改めて見ると
バッグにしても
ローファーにしても
ボロボロだなぁ……

「………っぷ…あはは」

ひとりで吹き出す


私の『18回目の誕生日』
一年に一回しか来ない
幸せな日

私は胸を踊らせながら
ボロボロのローファーで
一歩を踏み出した



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
再びゆーとです
(>_<｡)

初めての連続モノ
でしたがいかがだったでしょうか？

正直感動するのかな……？という不安で一杯ですが最後まで読んで下さった方、今までコメして下さった方
皆様ありがとうございます!!(>_<)


これからは意味怖に
戻って作品ちょいちょい投稿したいと思います
(>_<)


矛盾ないといいなぁ〜
((((゜д゜;))))(笑)