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ベルカント唱法で歌おう!コミュのコレペティトーレ(コレペティ)のこと

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コレぺティト―レ(略してコレペティ)、という言葉、最近日本でもよく聞かれるようになりました。
実際、コレペティを名乗る人も多いですね。

日本での意味は、オペラの練習ピアニストのことみたいですが、ヨーロッパの劇場でコレペティは、ピアニストではありません。

(私はイタリアのことしか知らないので、イタリア中心に書きます)

まず、イタリアではコレペティは、マエストロ・ソスティトゥート maestro sostituto ・・・意味そのままで、指揮者代理。
・・・だから、本来 指揮者です。

本来、と書いたのは、イタリアにおいてオペラはすでに過去のもので、現在は風前の灯状態、劇場も機能しなくなって、オペラは崩壊しています。

意味するところも、仕事の内容も様変わり・・・

伝統のコレペティmaestro sostituto は、カラヤンやバーンスタインなど、昔の全ての指揮者が下積み時代に経験しています。

オペラのリハーサルは、だいたい1カ月とか2カ月・・・指揮者が来るのは、ある程度練習が進んでから、最後の何日か、ということが多く、それまで 指揮者の代わりにオペラを作っていくのがコレペティの仕事です。
もちろんピアノも弾きます。


日本の指揮者は、ピアノが得意な人は少ないみたいですが、ヨーロッパの指揮者は、みんな達者です。
半端じゃなくて、コンサートの伴奏が弾けるくらい、ソロピアニスト級の実力者も多いです。

コレペティにオペラを伴奏をしてもらうと、オーケストラの音が頭に入っていますから、音色もそれぞれの楽器の音だし、何せ音が多いです。
スパルティート通りではないので、声をしっかり支えてくれて、歌いやすさは別ものですね。
伴奏がオケになった時の違和感が少ないです。


昔 オペラが盛んだったころは、一つの演目が10回とかそれ以上の公演回数だったりして、最後の方はチケットの値段が下がり、キャストも2番手、指揮者もコレペティに替わっていました。庶民が安価でオペラを楽しめました。

コレペティは、こうして指揮者としての修業を積みました。
主要の劇場に正指揮者として呼ばれる時には、実際に振って、すでに沢山のレパートリーを持っていたわけです。


プロンプターもコレペティの仕事ですが(歌詞や音程、キューなどを出す)、これも最近は予算がなく、プロンプ無しの公演が多くなりました。
マリアカラスなどは、自分専用のプロンプを連れて歩いていたそうですが・・・


コレペティって、劇場において、耳と音楽的センスを使う あらゆることをするみたいです。
コレペティと話していて、へえ〜 そんなこともするんだ〜、っていうことが多いです。

以前、ランポ先生がゲネプロ中、客席をウロウロしていて・・・何をしているのかきいたら、オケのバランスをみている、ということでした。
そのホルンの音が強すぎる、弱すぎる・・・とか・・・


こういう話し(コレペティとは何か、という)、日本の声楽家さんたちにすると怒られるんですよね。
コレペティ、くらい知っていますよ、日本にだって沢山いますよ、馬鹿にしないでください!って、話しをさえぎられるし、怒り出す人もいましたね。
う〜〜ん、日本に劇場なんてないのに・・・
劇場と契約している指揮者代理・指揮者補佐のコレペティなんていないでしょうに・・・
いるとすれば、実際にヨーロッパの歌劇場で、コレペティとして仕事をした経験のある人だけですよね。

ま、いいですが・・・
あ、良くないです!(笑) 
これからが本題・・・私が一番言いたいことです。


本物のコレペティがヨーロッパから来た時の、スパルティート レッスンとか、コンサートの伴奏合わせのやり方を(僭越ながら!)書かせていただきたいと思います。
みなさんプライドが高くて、怖いですが・・・
読んで下さるかたに感謝します。

これを知らないと勿体ないし、この間みたいにランポ先生怒らせちゃうし・・・


上に書いたように、コレペティは指揮者です。
ピアノを弾きながら音楽を教える指揮者として、指導を受けてください。沢山 学んでください。


劇場では、彼らの立場は歌手より上です。対等ではありません。
コンサートの伴奏ピアニストとして、ただ合えばOK, おお1回で合わせるなんて上手ですね〜 なんていう次元じゃないです。笑


声楽を学んでいる人たちは、普段、先生から言葉で説明してもらうレッスンに慣れていると思います。
でも音楽って言葉に置き換えられないものじゃないでしょうか。
我々が音楽を聴く時も、言葉に置き換えてはいないはずです。
耳から感じるのが音楽です。


コレペティは、音楽で音楽を教えます。
言葉での説明は、ほんの僅かです。

例えば・・・
ritardando って書いてあるから、ここは だんだん遅くしましょう
diminuendo だんだん小さく、ですよ〜
なんていう説明では音楽じゃない・・・音楽はその先にあります。

どんな ritardando をしたら素敵か、diminuendo って何か、をピアノの音で教えてくれる。

過熱した音楽が、一瞬緩んで人肌の優しい温度に戻る、みたいなritardando だったり・・・
例えば、ランポ先生はランポ先生の深い素敵なritardando 持っているし、セム先生は また違った心の和むritardando するんですよ。

ランポ先生の休符とかフェルマータって、絶妙です。
あああ〜これぞ音楽! って感じがします。


目の前に宝石を並べてくれて、好きなだけ持って行きなさい、と言われているのに、目をつぶって、それに気づかなければ、得るものはゼロです。
耳から音楽を学ぶ習慣がないと、いくら先生たちが一生懸命教えてくれても、無視してしまう。

上手く歌えました。
何も注意されなかったから、私の歌い方でいいようです。
なんだかピンときませんでした。
学ぶものはありませんでした・・・
なんていう、感想しか残らなかったりして、勿体なさすぎる〜

音楽を持った優秀なコレペティのピアノからは、自分の耳と感性全開で 無限に学ぶものがあります。

ランポ先生は、右手の小指の筋肉が特別発達しているそうです。
いつもメロディーを弾いて、歌い方を指導してくれているからなんですね。
普通のピアニストにはない筋肉の付き方だそうです。
1回でも多くあのピアノ伴奏で歌えば、その分音楽が磨かれていきます。

そこを知らないと、いくら教えても何の反応もない、何も学んでもらえない、と先生はガッカリ・・・
音楽の美しさ、スタイル感・・・沢山たくさん教えたいと張り切って日本に行ったランポ先生に ”私があの場にいる必要はなかったですね“ っと言わせてしまった。


コレペティとは何か、みなさんに知ってほしいです。
真の価値のある音楽家って、現在は極々少数ですから、大事にしましょうねえ〜
そして、どんどん いい音楽吸収して磨いていきましょう。


ピエトロ・チマーラのサイン、を 先日e-bay で入手。
1927年、ピアノを弾くコレペティとしてのスカラ座との契約書です。
トスカニーニが指揮者の時代です。
月給 3,000リラ
・・・これが、現在いくらくらいになるのか分からないのですが、戦後イタリアで流行った“ もしお給料が1,000リラあったら〜”
という夢の歌があるので、その20年近く前に 3,000リラは、相当の高給ですね。

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