Rock Cafe　シャムロックコミュの第１１回我が青春のベストテン（ブリティッシュ・ロック編）

第１１回我が青春のベストテン（ブリティッシュ・ロック編）

今回、クローズドでやらせていただきました。（申し訳ありません）

　今まで、アメリカン・ロックと日本のロックのベストテンは発表していましたが、今回、はじめてブリティッシュ・ロックのベストテンを選出しました。基準は今までに良く聴いたブリティッシュ・ロックのアルバムを１０枚選び、アルバムの中の１曲をかける方式でベストテンを選びました。良く聴いたアルバムでも、ピンク・フロイドやキング・クリムゾン等のプログレは、時間の制約があるので除外しました。

①ブラインド・フェイス／プレゼンス・オブ・ザ・ロード（６９年）
６９年は、スーパー・バンドやスーパー・セッションが話題になり、大いに盛り上がった年でした。スーパー・バンドの中でも、クリームのエリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカー、トラフィックのスティーヴィー・ウインウッドが結成したブラインド・フェイスは、大きな期待を集めました。しかし、６９年６月にリリースされたアルバム『ブラインド・フェイス』の評価はいまいちでした。それは、ウインウッド色が濃厚だったのが原因だったと思います。しかし、私はこのアルバムが気に入り良く聴いていました。今日、お聴きいただくのは、クラプトンのギターがフューチャーされた名曲「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」です。

②アル・スチュアート／ブルックリン（６９年）
どういうきっかけで、アル・スチュアートのアルバムを手に入れたかは、今となっては思い出せませんが、アルの初期３部作『ラブ・クロニクルズ』（６９年１２月）『ゼロ・シー・フライズ』（７０年春）『オレンジ』（７２年）は、良く聴きました。特に『ラブ・クロニクルズ』は、タイトル曲を引用し、当時、好きだった女の子に捧げる詞を書いたほどでした。
ジミー・ペイジのギターをフィーチャーしたこのアルバムは、アルの女性体験を赤裸々に歌い、イギリスでは放送禁止になっていますが、メロディー・メイカー誌の“フォーク・アルバム・オブ・ジ・イヤー”に選ばれています。私の大好きな「ラブ・クロニクルズ」は、１８分を超える長い曲ですので、今日は、アルバムのトップを飾る「ブルックリン」をお聴きください。

③エルトン・ジョン／ボーダー・ソング（７０年）
　『エルトン・ジョン／エルトン・ジョン』も良く聴いたアルバムです。当時、私が好きだったＳＳＷのベスト３は、エルトン、キャット・スティーヴンス、アル・スチュアートの３人でした。
　このアルバムでは、「ユア・ソング」が大好きですが、以前にも紹介していますので、今日は、「ボーダー・ソング（人生の壁）」を聴いてください。

④フェアポート・コンヴェンション／ウォーク・アワイル（７０年）
アメリカのバンドで一番好きなのは、ザ・バーズですが、イギリスでは、フェアポート・コンヴェンションです。特に良く聴いたのは、『フル・ハウス』（７０年７月）、『エンジェル・デライト』『ババクーム・リー』の３枚ですね。ですから、今回も１枚を選ぶのに迷いましたが、一番ロック色が濃厚な『フル・ハウス』に決めました。
フェアポートもザ・バーズ同様メンバー・チェンジの激しいバンドでした。前年に看板シンガーのサンデー・デニーが脱退し、男５人のバンドとなりましたが、演奏面では、より充実し、特にディブ・スウォーブリックのフィドルとリチャード・トンプソンのギターのからみはスリリングな魅力にあふれています。今日はあがた森魚もパクった１曲目の「ウォーク・アワイル」をお聴きください。

⑤ザ・ローリング・ストーンズ／ストレイ・キャット・ブルース（７０年）
　当時、私は、ビートルズよりもストーンズが好きでした。それは、優等生のビートルズよりも不良のストーンズに憧れたからです。『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』（７０年９月）『スティッキー・フィンガーズ』『ラブ・ユー・ライヴ』の３枚は、特に良く聴きました。その中から、今回選んだのは、『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』です。このライヴ・アルバムの中から、「ストレイ・キャット・ブルース」をお聴きください。オリジナルよりもスローにブルージィなナンバーに仕上げています。

⑥マシューズ・サザン・コムフォート／ウッドストック（７０年）
　ブリティッシュ色を深めるフェアポートから脱退したイアン・マシューズが結成したマシューズ・サザン・コムフォート。そのセカンド・アルバム『セカンド・スプリング』（日本盤）に収録されていたジョニ・ミッチェル作の「ウッドストック」。この甘くメローなサウンドが当時は軟弱に思えて、こっそり聴いていましたが、今、聴いても色褪せない名カヴァーですね。

⑦フリー／ビー・マイ・フレンド（７０年）
　今までで最高のライヴはと聞かれれば、迷わず７１年４月３０日、神田共立講堂の“フリー”と答えます。二十歳そこそこの４人の若者のプレイに圧倒され、堪能したライヴは、生涯忘れられない体験となりました。「オール・ライト・ナウ」のヒットの後、リリースされた４枚目のアルバム『ハイウェイ』（７０年１１月）からのナンバーも数多く演奏されました。今日は、私の大好きな「ビー・マイ・フレンド」をお聴きください。

⑧シャーリー・コリンズ＆アルビオン・カントリー・バンド／クラウディ・バンクス（７１年）
　フェアポートから入ったブリティッシュ・トラッド・ロックの到達点といえるアルバムが、この『ノー・ローゼズ』（７１年）です。エレクトリック・トラッド畑のアシュリー・ハッチングスとオーセンティックなトラッド・シンガーのシャーリー・コリンズが公私ともに結ばれてつくられたのが、このアルバムです。リチャード・トンプソンをはじめとするフェアポート勢など総勢２６人のミュージシャンが出入りし、シャーリーの崇高なシンギングをバックアップしています。今日は、アルバムのトップを飾る「クラウディ・バンクス」をお聴きください。

⑨ジョン・レノン／ジェラス・ガイ（７１年）
　今回の１０枚の中でも、特に良くターンテーブルに乗ったのが、『イマジン』（７１年）です。ビートルズ時代は、ポール・ファンでしたが、このアルバムを聴いて、ジョン派に転向、さらにヨーコも好きになりました。ジョン自身が、『ジョンの魂』に、チョコレートをまぶしたと言っているように、名曲・名バラードの宝庫です。アルバムを通して、ヨーコへの切ない想いが伝わってきますが、♪俺は嫉妬深い男・・♪と歌ってしまうジョンが好きです。それでは、「ジェラス・ガイ」をお聴きください。

⑩ロッド・スチュアート／アイム・ルージング・ユー（７１年）
　１０曲目はさんざん悩みましたが、ロッド・スチュアートに決めました。当時の私の憧れのヴォーカリストは、ポール・ロジャースとロッドでした。特に『エブリピツチャー・テルズ・ア・ストーリー』（７１年）は、「マギー・メイ」をはじめ名曲揃いで、変形ジャケを拡げて、良く聴いていました。今日は、テンプテイションズのカヴァー曲「アイム・ルージング・ユー」をお聴きください。