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1型糖尿病 運動部コミュの★東京マラソン日記?★ 〜ゴールまで〜

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(ゴールでの待ち合わせはできないよ)
 なかちゃんとは昨日電話をした時にその理由を聞きました。あと、なかちゃんが早くゴールしなくちゃいけない理由も。
 私は、そのおかげですっごく元気が出ました。不安でいっぱいだった私は、涙と笑顔になりました。
 マラソン当日の朝、携帯に写しだされた画像には、確かな命がありました。そこにあるまだ小さな命も生きているし、私達も生きている。ありがとう、自然と言いたくなりました。
(荷物預け)
 走る準備をしました。今回は血糖測定器と低血糖用の補食とIDDMカードと、携帯と多少のお金をリュックに入れました。ここは日本だし、いざとなればジュースでも買えばいいし、お金があればどうにかなるでしょう。あとは22kmまで行けばバナナがあるし。正午過ぎ位にバナナ地点に着くだろう、と計算していました。リュックを背負って、カッパを着て、さらに東京メトロのポンチョを着ました。
外は雨が降っています。荷物預けトラックまで行くにも人がいっぱいいて、そう簡単にはたどり着けませんでした。
どうにか荷物を預けてスタート地点に向いました。なかちゃんとはここでお別れ、と思っていたら、もう一人知り合いと出会いました。その人も私と同じ1型糖尿病。同じ病気の仲間が走っている、それってすっごく大きな力になりました。ありがとう。
(スタートまで)
 雨は止みそうもありません。スタートまでまだ時間はあるけど、その場所から動けないし、せめてできることとしたら足踏みくらい。とにかく寒いし、寂しさは倍増しました。待っている時はやっぱりなかなか時間が進みません。音楽を聞いていましたが、この孤独には勝てませんでした。
 いつにまで待てばいいのだろうか。不安と孤独に負けて、走らなくてもいいからもう帰りたい、そんな風に思ってしまいました。その時、どこから発信されたのかわからないけど、ウェーブが起こりました。スタートまで暇だったから、誰かが起こしたのでしょうね。なんて。乗った人も、乗り遅れてしまった人も雨に負けずにがんばろう、そんなメッセージだったような気もしました。くじけそうになった私にも、少し勇気がでました。
(スタート)
 私はいつスタートしたのかわかりません。きっと、ランナーみんなそうだったと思います。スタートの合図なんて聞こえません、花火が上がったわけでもありません、時計を見てスタートの時間を確認した人もいるでしょう。それでも前には進みません。スタート地点までは渋滞しています。前に進みたい、でも進めない。ホノルルの時と同じです。どうにか隙間を見つけて前に進みました。でも、また渋滞にはまって止まる。その繰り返しでした。
 私が石原都知事を見たのはだいたい9:25頃だと思います。スタート地点まで、15分位かかりました。3万人走るとなればこんなもんでしょ。こんな雨の中だけど、こんな不安を抱えてだけど、もうスタートしてしまったわけです。始まったんだから、進むしかない!できるところまでやるしかない!自分で自分を奮い立たせて、石原さんにしっかり手を振りました。
(ついつい見つけてしまう友達)
 スタートは一人でしたが、私より後方スタートだった友達を見つけ、声をかけてしばらく一緒に走っていました。周囲を見渡せば、みんな同じメトロのポンチョを着ていて、誰が誰なんて見分けがつかないのに、しかも3万人いる中の一人なのに、よく見つけられたなぁって、お互いにそう思ったみたいです。走るペースも違うので、その友達とはまた別々に走りました。
(道のり)
 出だしは順調。自分のウォッチで5km地点まで34分30秒。体もちゃんと動くし、体調もよろしい様子。本当は5kmごとに血糖値も計りたかったけど、測定器を出すためにはポンチョとカッパを脱がなくちゃいけないし、まだ雨も降ってるから脱いだら雨に打たれちゃうし、どうしよう。でも、スタート前には284mg/dlもあったし、今のところ低血糖の症状もないし、むしろ止まりたくないし、このまま行ってしまおう!血糖値のことは頭の隅っこで心配しながら、私は走り続けました。
 10kmが過ぎ、日比谷公園を曲がったところからは長くとても感じました。目指すは品川の15km地点です。目的地はこの先まっすぐ行ったところにあるのだろうけど、なかなか辿り着かない。そうなると、気持ちも少しくじけそうになってしまいました。次の給水所までがんばろう、次のkm表示までがんばろう、そう自分を励ましながら前へと進んでいきました。
 やっと品川まで着いて折り返し地点。一つのポイントを通過しました。あと5km行けばだいたい半分、そんなポイントでもありました。雨は一向に止みそうもありません。予報では、昼頃には止むって言ってたと思うんだけどな・・・むしろ、止みそうもないかも。そんな不安に襲われながら、私の中ではもう一つ問題が起こりました。なんだかおかしい。なんとも言い難いこのそわそわした感じ。低血糖???うーん、ちょっと違う気もするけど、血糖値計ってみよう。そう思い、雨にぬれてしまうけどポンチョを脱ぎ、カッパも脱ぎ、リュックの中から測定器を出して計ってみると、49mg/dl。予想的中でした。補食をし、どうにか対処しましたが、まだまだ先は長いです。今の低血糖は対処できても、きっとまた血糖は下がることは目に見えています。どうにかバナナを食べれればいいけど。
 この頃には、足に疲労がたまり、ペースも落ちてきました。動かない足をひっぱるように前に出し、一歩一歩進んでいきました。
 そんな時に見えたのは、『回収車』でした。東京の大きな道路を交通規制しているため、いくつか関門を設け、制限時間以降のランナーは車に回収され、そこで終わりになってしまう仕組みです。私は折り返してから見たのでまだ私より大分後ろにいたけど、それでも忍び寄る回収車は恐い存在でした。
 品川から日比谷公園に戻ってきて、ようやくハーフ地点まできました。それでもまだ半分。まだあと半分あります。でも、もう少ししたらバナナがあるはず!そう思って走りました。
 この時には、1kmの距離がとてつもなく長く感じました。22km地点を通過、23km地点を通過、さらに24km地点も通過。あれ?バナナなかったよね?もしかして、売り切れたのかな?でも、次の給食ポイントにはあるだろう、そう信じて走りました。
(救護所)
 フルマラソンを走るということは必要なエネルギー量がとても多くなります。そのエネルギーを体の隅々に運んでくれる働きをするのがインスリンです。だから、インスリンが不足すると体はエネルギー不足状態、さらには高血糖になってしまいます。だたバナナを食べればいいだけでは済まないのです。私はそんなインスリン切れを心配して救護所に駆け込みました。一回止まってしまうと、そこから再スタートできる自信がなかったので、私には立ち止まることはとても勇気が要ることでした。救護所での私の第一声は「インスリン打ちたい。血糖計りたい。」でした。医療体制はバッチリだったのでわがまま言いたい放題。104mg/dl。低血糖ではないけれど、インスリンが打ちたいけれどバナナはないのか聞いたところ、案の定売り切れのよう、とのことでした。それでもインスリンを打ちたいと言うと、スタッフの方がパンをくれました。すでに25kmの道を雨の中走っているのでそう簡単に食べられません。それでも無理してでも食べなくちゃ、と思って食べていると、医者に低血糖じゃないんだからそんなに食べなくてもいいよ、と言いました。いやいや、まだこの先も長いんだからちゃんとインスリンを打たないと体が持たないのです。それでも全部は食べきれず、お礼を言って私は再び走り出しました。
(浅草)
 救護所を過ぎてから浅草寺にたどり着きました。浅草では、給食こそなかったものの、沿道で応援してくださっていた方が飴玉やら人形焼やらをランナーに配ってくれました。バナナが売り切れるなんて予想外だっただけに、かなりありがたいことでした。
(メッセージ)
 沿道からの応援は食べ物だけではありませんでした。プラカードにメッセージを書いている人が何人かいました。
『苦しいのはきっと気のせいです。』それを見た途端、涙が出そうでしたが、泣いてしまうと過呼吸になりそうだったので、グッと抑えました。
『勇気をありがとう。』そんなメッセージを見て、私も“ありがとう”の意味を込めてほほえんだら、カードを裏返して『笑顔をありがとう。』とメッセージが書かれていました。
いつかどこかですれ違ったかもしれないだけの人達が、こんなに力強く背中を押してくれることに感謝しました。人ってこんなに温かいんだって思いました。本当に、ありがとう。
(雨があがり)
 その後、もう一度救護所に駆け込みましたが、どうにか回収車にはおいつかれずに最終関門を通過しました。どうしてそこまで走れたのか今でも不思議です。まともな練習なんてしてないし、血糖コントロールにも不安を抱えながら、しかも天気は最悪。ゴールできる自信なんてありませんでした。当てにしていたバナナの給食にもありつけず、低血糖に何回もなっていたのに。何度も立ち止まって足が私に限界を何度も訴えてきたけれど、それでも前に進みました。ただ諦めたくなかった。いつの間にか、ゴールすることが目標じゃなくて、諦めないことが私の目標になっていました。あともう少しだから、と自分に言い聞かせたけれど、その少しはまだ長かった。ただスタートからここまでこれたことは事実だし、少しずつ前に進み、その少しが積み重なったここまでこれました。いろいろな人に感謝しながら走りました。そして、いつの間にか雨は止んでいました。
(ゴール)
 ゴール1km手前、私はゴールした時に自分は泣くだろうと思っていました。だって、すでに涙を抑えることに必死だったから。
 人生2回目のフルマラソン完走。血糖測定器と補食を背負って走ることが不可能でないことを証明できた気がします。もちろん、私だけではありません。同じ糖尿病を抱えてフルマラソンを走った人は何人もいます。今回、血糖管理も大きな課題の一つでしたが、諦めないで走りきれたことがとても大きかったです。自分で自分を褒めてあげたいと思います。
 あとは、本当にたくさんの人に支えられました。走っているのは自分一人だけど、一人じゃない、そう感じました。本当にありがとう。
 今回の東京マラソンを完走したことで、少し欲が出てきました。もちろん来年の第2回東京マラソンも応募して、今度は自己ベストのタイムでゴールしたいです!

コメント(1)

来年に向けてまた頑張ろうね。

     お父さんより

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