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タマカズノベルコミュのNo D No Life ver.Y

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ふぅー・・・
改札を出てすぐにタバコに火をつけた。いつもなら、しばらく歩いてから火をつけるのだが、今日はイラついていた。理由は明白である。今日はパチンコに負けたのだ。昼過ぎまでは2,3万勝ちだったのに、隣にボタンをまるでゴリラのように、うっほうっほと連打するクソじじいが座ってからというもの台が壊れたのではないかと思うほど何もおこらなくなった。あのクソじじい絶対に貧乏神だ。勝ってるときにやめておけば良かったなどと、負けた時によくする考えに陥っていた。生きてても何も良いことはない、それならいっそ死んでしまおうか、いやどうせ死ぬなら借金をしまくって死んだほうが・・・ネガティブの連鎖は止まる気配をみせない。
そこに追い打ちをかけるがごとく衝撃の事実を思い出してしまう。いや、携帯の日付によって思い出さされてしまったといったほうが正しいかもしれない。明日から大学が始まるのだ。去年の今頃であれば全く逆の考えで、大学が始まることが楽しみで仕方なかったのだが、大学生活というものは高校生の時に思い抱いていたものとは全く違い、つまらないものであるということを入学式からたったひと月で思い知らされた今の俺にとっては憂鬱でしかなかった。

コメント(3)

8時にアラームが鳴った。それにしても携帯のアラームというのは厄介だ。耳元でクソデカい音を鳴らしながらバイブまでしやがる。さらにスヌーズ機能とかいうもんはアラームを止めても二度寝を防止するためという名目で再び鳴ることを許されているのだから人間もなめられたものである。
俺は大学の近くでひとり暮らしをしている。賃貸物件の仲介屋の話では大学まで徒歩5分の物件というのが売り文句だったが、どんなに急いでも、5分で行けるのは理系の実験棟が限界で、法学部の学舎に行くには15分かかると気付いたのは既に賃貸借契約を結んだ後だった。このことも大学を嫌いになった理由の一つだ。
キャンパス内は盛り上がっていた。この時期は新入生をサークルに勧誘するために居酒屋のキャッチよりもしつこく新入生とおぼしき連中に付きまとっていた。去年の俺なら初めてのことで興奮して、テンション高めに1人1人に受け答えをしていただろうが、今の俺にとってはめんどくさい時期がやってきたとしか思わなかった。
喫煙所でタバコを吸っていると、3人グループが近づいてきた。1人は勝也であると分かったが、残りの2人は初めて見るメンツだった。
「おー!雄平じゃん。久しぶりじゃん」
「久しぶり。勝也は相変わらずテンションたけーな」
「当たり前じゃん!春じゃん!新入生じゃん!激熱じゃね」
おもわず鼻から息が漏れた。勝也をバカにしたわけではない。むしろそこまで盛り上がれるのが羨ましく、微笑ましかった。俺にとって勝也は光だった。こいつと一緒にいると、なぜか気持ちが明るくなる。闇を照らしてくれる唯一の光だった。チャラチャラしてる友達は他にもいっぱいいたが、俺はそいつらがあまり好きにはなれなかった。嫌いというわけではない。ただ一線をひいてしまう。でも勝也は別だった。これは想像だが、勝也には俺と同じで、誰も触れてはいけない、いわば地雷地域のようなものを秘めているように感じるのだ。そういう勝也が好きだった。ゲイとかホモとかそういった類の感情ではない。単に一緒にいれば安心するのだ。
名前が分からなかった2人は大志と一真というらしい。大志はとにかくイケメンだった。1人暮らしをしているらしい。タバコの銘柄はクールメンソールライト。インポになるがいいと心でつぶやいたのは言うまでもない。
一真はハムスター?いやネズミ男みたいだった。タバコは吸わないらしい。タバコを買うくらいなら、酒を買うらしい。大酒飲みのようだ。こいつとは友達になれそうにない。雄平は下戸だ。
しばらく喫煙所でたむろっていると、まゆが近づいてきた。
「火」
まゆは既にセブンスターをくわえていた。久しぶりに会ったというのに、最初に発する言葉が『火』であったことと、火をつけてもらうのが当然であるかのような態度にイラついたが、何も言わずに火をつけてやった。髪にもつけてやろうかと考えたがやめておいた。
彼女はそれなりに可愛いのだが、多少性格に問題があった。子供のころから可愛がられすぎて育ったせいか、お嬢様気質が強すぎるのだ。雄平はそんな彼女が嫌いではなかった。セッタを吸っているところも女の子らしくなくて逆にそこが良かった。セフレの一員に入れてくれないかとすら考えていた。19年間童貞な奴が考えそうなことである。
雄平は基本授業には出ない。一週目とテスト前を除いてだが。3限目の授業は勝也と一真と同じだった。教室に入った瞬間、美女レーザー(ただしギャル及び性転換後の美女は除く)が反応した。息子が美女のいる方向に成長するのだ。「Dad、僕彼女と遊びたいよ」と叫んでいるようだ。周りが美女だらけになった時など本当に大変だった。息子がプロペラになったのだ。これで自家用ヘリは買わないですむと思ったものだ。医師の話では長く童貞をこじらせた者のうち1/262144で発症するらしい。つまり童貞で北斗揃いが引ける奴には発症する可能性があるらしい。
美女レーザーが反応した先にはナナとその仲間どもが座っていた。ナナは笑っていた。俺も書きながら笑っている。だが現実世界の俺はナナさんのことをそのように考えたことはないと、友○には釈明しておこう。彼に殺されないためにも。
話を仮想世界に戻そう。俺はナナの顔が良く見える場所に席をとった。息子がそうしてくれと駄々をこねるから仕方なくそうしたのだが、うーん悪くない。90分間彼女の顔をずっと見れるとは夢のようだ。だがその夢も2分で終わった。ファッキンクソデブ野郎がデブ仲間を引き連れて視界をさえぎってくれたおかげで。
俺は教室を出た。デブ野郎のうなじを90分間見るくらいなら帰って寝ることにした。

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