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夢野台高校18回生コミュの当津先生のエッセー27

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包容力

目から受け入れた光の刺激は、大脳で感覚を起こす仕組みになっている。
受け入れる適刺激はそれぞれに決まっているが、おおよそ、380から810ミリ
ミクロンの波長の光である。

虹の七色に当たる範囲の光が見えるのであって、適刺激より短い波長の
紫外線や長い波長の赤外線は見えない。
同じように音波は1秒間に1から20000回のシ移動数が適刺激であって、
毎秒20000回以上の超音波は聞くことができない。

何もかも、見えているのでもなければ、聞いているわけではないのである。
我々の見ている世界だけが世界ではないのである。

昆虫は適刺激の中に紫外線が入っているから我々とは違う行動を取る。
コウモリは超音波をキャッチしながら飛ぶから洞窟の中でも衝突することは
ない。低気圧を感じ取る動物や電波に反応する鳥などの生態に、我々は
不思議の世界としてみるが、適刺激のずれや違いにほかならない。

娘の行動が理解できないと嘆く母親、年寄りを敬遠する若者、上司の経験を
はみ出す部下の発想、嫁と姑、男と女、日本人と外国人と並べてゆくと、善意
の衝突も含めて、いわゆるカルチャーショックの中に生きていると言って良い。

そもそも、感覚は主観的な世界である。赤い色は、誰でも同じように見ている
とは思うが、他人の見ている赤と同じであるという証明はできない。
傾いていることを感じ取るのは、人それぞれの姿勢によって決まるのであって、
客観的に真っ直ぐな状態を基準にしているのではない。

バナナの匂いは嫌いだが、ガソリンの匂いはいい匂いだと感じる人もあれば、
なれ鮨は旨いがチーズは苦手という人もいる。
若葉や紅葉を見る老人と若者が同じ色で見ているのだろうか。だいたい、若者は
景色に限らず、世の中を青っぽく見ているのではないだろうか。年を重ねるにつれて
波長の長いほうに移ってゆくように思える。

こういう、適刺激のズレをお互いに理解し合うことが共生の原点と考える。自分の
感覚で感じたものを過信したり、主張をする人や、キャパシティの小さい人物との
矯正ほど骨の折れることはない。

凡夫の訴えや悩みを受け入れられる包容力のある人物というのは心の適刺激の
範囲の広い人のことである。

当津 隆

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