実務家からみた司法試験コミュの遺産分割

実務にはいるとこれだけ細かくなります。相続法は司法試験では財産法とからまないところはあまりでないところです。家族法判例百選について別のトピックで分析しました。

リーガル・プログレッシブ・シリーズ
遺産分割
２０１０年７月２４日　初版第１刷印刷
２０１０年８月２０日　初版第１刷発行
編著者　上原裕之
　　　　髙山浩平
　　　　長秀之
発行者　逸見慎一
発行所　株式会社　青林書院
ＩＳＢＮ９７８－４－４１７－０１５１５－４

目次

第?部　遺産分割事件の特徴と進行
第１章　遺産分割事件の特徴
?　はじめに
?　事件内容の特徴
１．私的紛争性
２．当事者の多様性及びこれによる影響
３．多数当事者間の紛争としての特性
４．統一的・合理的判断規準による解決の困難性
５．一回的解決の困難性
６．最近の事件内容
?　手続構造・進行面の特徴
１．相続人全員の出頭確保の困難性
２．審理の複雑化・長期化要因の存在
３．紛争解決方式の流動性
４．合意による解決の重要性
５．遺産の管理をめぐる対立など
?　事件の増加傾向及び平均審理期間
１．事件数の推移
２．平均審理期間等
第２章　遺産分割調停の進行
?　遺産分割調停事件の受付け
１．申立て時における事情聴取
（１）申立人への事情聴取
（２）照会書の送付
２．受付け時の家庭裁判所の対応
（１）相続人の一部を外した遺産分割の申立て
（２）遺言がある場合の遺産分割の申立て
（３）遺産の特定が不十分な遺産分割の申立て
（４）遺産分割協議が成立した後の遺産分割の申立て
?　遺産分割調停の進め方
１．遺産分割調停の意義
（１）協力関係の構築
（２）遺産分割協議の目標
２．遺産分割調停の進行モデル
（１）交渉斡旋型の手法による調停の進行
（２）プロセス・モデルによる調停の進行
３．ステップ方式による調停の進行
（１）顔合わせの段階（第１回調停期日）
（２）初期の段階（第３回調停期日ころまで）
（３）中期の段階（第５回調停期日ころまで）
（４）後期の段階（第７回調停期日ころまで）
?　調停条項
１．総説
２．相続人確認条項
３．相続分確認条項
４．相続分の譲渡・放棄条項
（１）相続分の譲渡
（２）相続分の放棄
５．遺産確認条項
（１）遺産に関する確認
（２）遺産でないことの確認
（３）生命保険契約に基づく保険金請求権
（４）死亡退職金・遺族給付金
６．分割方法
（１）取得方法による分類
（２）登記名義による区分
（３）代償分割における引換給付条項
（４）預貯金の分割条項
（５）現金の分割条項
（６）株式の分割条項
７．特別受益に関する条項
８．寄与分に関する条項
（１）金額をもって定めた場合
（２）遺産に対する割合をもって定めた場合
９．一部分割条項
１０．清算条項
１１．遺産発見条項
１２．費用負担
１３．前提問題に関する条項
（１）分割協議の効力・成否
（２）遺言の効力
１４．付随問題に関する条項
（１）債務条項
（２）遺産の果実
（３）葬儀費用
（４）祭祀承継
第３章　遺産分割審判の進行
?　審判手続の概説
１．申立て
（１）審判事件と調停事件
（２）職権による付調停の意義
（３）調停不成立による審判移行
（４）申立ての方式
２．審判手続の基本原理
（１）非訴事件としての特質
（２）資料の収集方法
（３）事実調査の優先
３．審判手続における審理対象事項
（１）審理の範囲及び審判事項の限定性
（２）前提問題の多様性とその対応
４．審判運営の手続指針（当事者主義的審判運用）
（１）当事者主義的審判運用が要請される根拠
（２）当事者主義的運用の内容
（３）問題の所在と対応策
５．審判手続の具体的内容及び留意点
（１）はじめに
（２）審理の目標・モデル
（３）初回期日ないし序盤段階における審判手続の内容
（４）実質審理の段階における審判手続の具体的内容
（５）当事者の合意を基礎とした審理
６．審判に対する不服申立て
（１）抗告審の構造
（２）抗告審における調停及び和解の可否
（３）抗告申立ての手続に関する若干の問題
７．審判前の保全処分
（１）意義
（２）要件
（３）利用の実態
?　審判書
１．審判書作成上の、一般的留意事項
２．審判書作成上の、個別的留意事項
（１）主文の記載
（２）理由の記載
第４章　家庭裁判所の態勢
?　総説
?　家事審判官
１．総説
２．調停手続
（１）総説
（２）評議と期日立会
（３）長期未済事件
３．審判手続
?　家事調停官
?　家事調停委員
１．提携上の留意点
（１）第１回期日前の事前準備
（２）第１回期日
（３）続行期日
（４）最終段階
２．専門調停委員
?．参与員
?．裁判書記官
１．調停
（１）総説
（２）大規模庁における工夫例
（３）情報の収集と共有化
２．審判
?　家庭裁判所調査官の職務
（１）家庭裁判所調査官の役割と職務権限
（２）事実の調査
（３）調整
２．遺産分割事件における家庭裁判所調査官関与の実際
（１）第１回期日前の関与
（２）進行中の関与

第?部　遺産分割の実体法上の諸問題
第１章　相続人の確定と変動
?　相続の開始
１．被相続人の死亡
２．死亡と戸籍の届出
３．認定死亡
４．失踪宣告
５．同時死亡の推定
?　相続人の範囲
１．はじめに
２．相続人となる者の範囲
（１）配偶者
（２）血族相続人
（３）胎児
（４）割合的包括受遺者
３．相続人の欠格事由
４．推定相続人の廃除
?　指定相続分と法定相続分
１．はじめに
２．指定相続分
（１）民法９０２条
（２）相続させる趣旨の遺言
３．法定相続分
（１）子と配偶者が相続人であるとき
（２）配偶者と直系尊属が相続人であるとき
（３）配偶者と兄弟姉妹が相続人であるとき
（４）被相続人の兄弟姉妹が相続人であるとき
４．相続資格の重複
（１）同系列の重複の場合（非嫡出子と嫡出子）
（２）代襲相続が関係する場合
（３）異系列の重複の場合（きょうだいと配偶者）
（４）異順位の場合（きょうだいと親子）
?　相続開始後における相続人の変動
１．相続放棄
２．再転相続
３．相続分の譲渡
４．相続分の放棄
５．第三者への共有持分の譲渡
?　相続人の関するその他の問題
１．相続人が不在者である場合
２．相続人の不存在
第２章　遺産の範囲の確定
?　遺産分割の対象となる財産
１．遺産分割の対象となる財産の範囲
２．不動産及び不動産賃借権
（１）不動産
（２）不動産賃借権
３．現金
４．預貯金等の金銭債権
５．旧郵便局の定額郵便貯金
６．生命保険金
（１）意義
（２）問題点
（３）保険契約者が自己を被保険者（被相続人）とし、
　　　保険金受取人を単に「被保険者又はその死亡の場
　　　合はその相続人」と約定し、被保険者死亡の場合
　　　の受取人を特定人の氏名を挙げることなく抽象的
　　　に指定している場合
（４）保険契約者が自己を被保険者とし、保険金受取人
　　　を指定しなかった場合
（５）保険契約者が被保険者及び保険金受取人の資格を
　　　兼ねる場合
７．死亡退職金
（１）死亡退職金の法的性質
（２）実務
（３）国家公務員の死亡退職手当
（４）地方公務員である県学校職員
（５）私立の学校法人の職員
（６）特殊法人の職員
（７）受給権者が規定されていない場合
８．遺族給付
９．代償財産
（１）問題の背景
（２）判例・実務
１０．遺産から生じた果実及び収益（相続開始後の賃料
　　　・利息及び配当金等）
（１）問題点
（２）判例
（３）実務
１１．株式
１２．協同組合の出資金
１３．社債
１４．国債
１５．投資信託
（１）意義
（２）ＭＭＦ（マネー・マネージメント・ファンド）・
ＭＲＦ（マネー・リザーブ・ファンド）
（３）ＭＭＦ・ＭＲＦ以外の投資信託
（４）視点
１６．電話加入権
１７．ゴルフ会員権
１８．知的財産権
（１）著作権
（２）狭義の工業所有権
（３）商号権・不正競争防止法上の権利
１９．動産（貴金属、着物、家財道具等）
２０．共同相続人が取得する遺産の共有持分権
２１．営業権
（１）意義
（２）営業権の権利性
（３）商号権・不正競争防止法上の権利
１９．動産（貴金属・着物・家財道具等）
２０．共同相続人が取得する遺産の共有持分権
２１．営業権
（１）意義
（２）営業権の権利性
（３）遺産分割における取扱い
２２．農地
?　遺産分割の対象から除外される財産
１．金銭債務（相続開始前の債務）
２．連帯債務
３．保証債務
（１）身元保証
（２）信用保証（根保証、継続的な取引から生じる債務
　　　を包括的に保証するもの）
（３）通常の保証
４．葬儀費用
５．香典
６．祭祀財産
７．遺骨
８．遺産管理費用
?　遺産の範囲に争いがある場合の対応
１．問題点
２．判例
３．実務の運用
４．遺産の範囲について訴訟が提起されている場合等の
　　措置
?　一部分割
１．意義
２．調停による一部分割
３．一部分割協議が先行した後、残余財産の遺産分割が
　　審判となった場合
４．審判における一部分割
５．注意点
第３章　遺産の評価
１．遺産評価の必要性
２．遺産評価の基準時
（１）遺産評価の二時点
（２）分割時の意義
?　遺産評価の方法
１．基本的態度
２．当事者の合意
３．鑑定
（１）鑑定実施の際の留意点
（２）鑑定費用の予納
（３）鑑定費用の負担
４．家事調停委員、参与員の意見
５．家庭裁判所調査官の調査
?　各遺産評価における実務上の留意点
１．不動産
（１）合意形成の参考となる公的評価基準
（２）合意形成に活用するその他の資料
（３）不動産鑑定において用いられる評価方法
（４）不動産利用権、利用権負担付き不動産の評価
（５）抵当権が設定されている不動産
（６）遺産土地の形状、分割方法と評価
（７）農地
（８）山林
２．株式
（１）上場株式等
（２）取引相場のない非上場株式
３．現金、預貯金、債権等
（１）現金
（２）預貯金
（３）債権
４．動産
（１）客観的交換価値のある動産
（２）家財道具
第４章　特別受益
?　特別受益者と特別受益の対象
１．はじめに
（１）特別受益
（２）具体的相続分の法的性質
（３）判例の立場
２．特別受益者
（１）原則
（２）相続人の配偶者や子などに対する遺贈、贈与
（３）代襲相続の場合
（４）再転相続の場合
（５）贈与を受けた後に推定相続人となった場合
３．特別受益の対象
（１）基本
（２）婚姻費用等
（３）学資
（４）生計の資本としての贈与
（５）土地・建物の無償使用
（６）生命保険金
（７）死亡退職金
（８）遺族給付
（９）特別受益と寄与
?　特別受益の評価
１．基準時
２．評価の方法
（１）不動産
（２）金銭
（３）株式、有価証券、ゴルフ会員権
?　持戻免除
１．民法９０３条３項
２．持戻免除の意思表示の方式
３．黙示の意思表示
第５章　寄与分
?　寄与分の意義と類型
１．寄与分とは
２．寄与分の法的性格及び要件
（１）寄与分の法的性格
（２）寄与分の成立要件
３．寄与分の類型
（１）家業従事型
（２）金銭等出資型
（３）その他
（４）その他
?　寄与分の評価（計算方法）
１．寄与分の評価時期
２．寄与分の上限
（１）遺贈との関係
（２）遺留分との関係
３．寄与分の算定方法
（１）家業従事型
（２）金銭等出資型
（３）療養看護型
（４）その他
４．特別受益との関係
５．「清算」か「衡平」か
?　寄与分を定める手続
１．協議
２．調停
（１）申立て
（２）管轄
（３）手続
（４）調停条項
３．審判
（１）申立て
（２）申立時期
（３）管轄
（４）審判
?　その余の問題点
１．寄与分の相続、譲渡、放棄
２．寄与分と遺言（被相続人の意思）
３．寄与分と遺留分
?　寄与分調査のあり方
１．寄与分を争点とする事件における家庭裁判所調査官
　　の役割
２．寄与分についての調査官調査
（１）初期の段階における関与
（２）評価、判断のための調査
第６章　遺産分割の方法
?　具体的相続分
１．定義
２．具体的相続分算定の基準時
３．具体的相続分の算定方法
（１）特別受益のある相続人のある場合
（２）超過特別受益者のある場合
（３）寄与分のある相続人のある場合
（４）特別受益のある相続人と寄与分のある相続人の両
　　　方がある場合
?　審判手続における遺産分割の方法
１．分割方法の種類
２．分割方法の選択基準
（１）遺産に属する物又は権利の種類
（２）相続人の職業
（３）相続人の年齢・心身の状態
（４）取得者の意向
（５）従前の遺産の使用状況
（６）調停・審判の経過
（７）被相続人の意向
３．各分割方法について
（１）現物分割
（２）代償分割
（３）換価分割
（４）共有分割
４．審判手続で分割方法を定める場合の実務上の留意点
（１）現物分割
（２）代償分割
（３）換価分割
（４）共有分割
?　調停手続における遺産分割の方法と実務上の留意点
１．調停手続での遺産分割方法
２．現物分割
（１）土地の分筆を要する場合
（２）遺産に新たに用益権を設定する場合
３．代償分割
（１）代償金額の調整方法
（２）代償金以外の固有財産の提供
（３）代償金支払と相続による移転登記の関係
４．換価分割
（１）任意売却
（２）中間処分としての換価、遺産管理者による換価
５．共有分割
?　分割禁止
１．分割禁止の方法
２．分割禁止の期間
３．審判による分割禁止の要件
（１）分割禁止の特別の事由
（２）遺産分割の前提問題に争いのある場合
（３）遺産分割の前提問題に争い以外の場合
４．分割禁止の効力
第７章　遺産の管理
?　はじめに
?　共同相続人による遺産の管理
１．保存行為
２．管理行為
（１）共同相続人と第三者との関係
（２）共同相続人相互の関係
３．管理費用
（１）遺産の管理費用とその負担
（２）遺産管理費用の遺産分割対象性
?　遺産管理人による管理
１．共同相続人の委任による任意の遺産管理人選任
２．家庭裁判所による遺産管理人の選任
（１）選任の要件
（２）遺産管理人選任の適格・数
（３）遺産管理人の地位
（４）遺産管理人の権限
（５）遺産管理人の権利・義務
（６）選任手続
（７）審判
資料：書式例等
■資料１：遺産分割調停申立書
資料１－１－?　遺産分割調停申立書記入例
資料１－１－?　当事者目録記入例
資料１－１－?　遺産目録（土地）記入例
資料１－１－?　遺産目録（建物）記入例
資料１－１－?　遺産目録（現金・預・貯金、株式等）
　　　　　　　　記入例
資料１－２－?遺産分割調停申立書
資料１－２－?当事者等目録
資料１－２－?申立ての実情
資料１－３　遺産目録［記載要領］
資料１－４　申立事情説明書（遺産分割）
■資料２：相続分譲渡証書／相続分譲渡及び脱退届
資料２－１　相続分譲渡証書記入例
資料２－２　相続分譲渡及び脱退届記入例
■資料３：相続分放棄について（説明書）／
相続分放棄書及び脱退届
資料３－１　相続分放棄について（説明書）
資料４－２　相続分放棄書及び脱退届
■資料４：遺産分割調停調書
■資料５：遺産分割審判書
事項索引
判例索引