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実務家からみた司法試験コミュの民法・民事訴訟法 非嫡出子の法的地位と間接反証

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非嫡出子の法的地位――間接反証理論との関連
              弁護士 岡本 哲

1 非嫡出子の存在
近時皇室典範の改正が国会審議中であるが、男系維持のため、側室をおく、という案は採用されなかったようである。
ドラマ「大奥」がヒットしたとしても、時代劇であり、一夫一婦制が定着して100年をこえて、側室というのが身近な存在ではなくなった、ということであろうか。

昭和23年施行の民法では、現在にいたるまで、妾の法律上の地位を認めていない。妻以外の女の出生子は最近まで長男次男等の序列もつかず、「子」となっていた。認知がなされない限り父子関係は認められない。
旧民法では、父に認知された私生子は、庶子たる分を取得し、家督相続などでは、庶男子は嫡出女子よりも優遇される場合もあった(旧民法970条1項)。
ただし、嫡出男子より庶子が劣ることに相違はなく、決して嫡出子と庶子が同等というわけではなかった。
昭和18年度の統計では出生子総数のうち嫡出子98・4パーセント、私生子1・6パーセント、となっている。戦前は家督相続をする男子がいない場合、女子のみの姉妹の長女は婿養子をもらうかたちでないと結婚できない等、婚姻障害がおおかったため、私生子は生じやすいということもあった。
いまは忘れられた作家となっているが佐賀潜という推理作家がいて、昭和30年代〜40年代に活躍していた。民法入門・刑法入門等をカッパブックスからだしてベストセラーにもなっていた。そのなかで戦前の生まれであり、長男長女どうしの結婚であったため、本来跡取り息子の立場でありながら私生子となっていたことをかいているものかあった。
 
2 強制認知の困難性
 また、私生子の地位について父親からの認知を受けることも以前は大変苦労する事態が生じていた。DNA鑑定がないころであり、血液鑑定等についても誤差がおおきかった。
 性的交渉が男女間にあったことが認められたとしても、男性側から不貞の抗弁という他の男性との交渉があったことの立証があった場合は、認知が認められないことになっていた。50パーセント以上の心証がとれない、というわけである。この他の男性との性的関係にいての立証については民事訴訟法学の間接反証の具体例とされていた。わたしが学生だった昭和時代のおわりころまでは、民事訴訟法の教科書・演習書にも掲載されていた。
 証明の対象である主要事実は父子関係であり、立証責任は、母側にある。こどもの受胎の時期の性交渉の立証が母側で成功すれば、父子関係は、一応は推定される。しかし、不貞の抗弁については父側に立証責任があるが、これが成立すれば、反証が成功したことになり、父子関係は立証されないことになる。不貞事実そのものは父子関係からみれば間接事実であるかち間接反証と言われる。

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