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60年代70年代に子供だった人。コミュの昭和ちびっこ広告手帳のご案内

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今から10年前に『ちびっこ広告図案帳 ad for KIDS:1965〜1969』(おおこしたかのぶ・編/オークラ出版・刊)という本をが出版されたのを皆さまはご存知でしょうか?
私はその本を企画したほうとうひろしというものです。

この度、青幻舎という美術書・写真集の専門出版社から文庫化のお誘いを頂き、その発売も間近となって参りましたので当コミュのみなさまへ告知させていただきます。

文庫版のタイトルは『昭和ちびっこ広告手帳 〜東京オリンピックからアポロまで〜』。

タイトル通り昭和40年代前半の「マガジン」「サンデー」から「マーガレット」「フレンド」、小学館の幼年誌、学年誌などのの誌面を飾った子供向け商品のカラー広告を、当時の色のまま、大量に再録しています。

企画意図を端的にまとめた本書まえがきも転載しておきます。

 * * * * * * * * * 
 本書は一九九九年に出版された『ちびっこ広告図案帳 ad for KIDS:1965〜1969』(オークラ出版・刊)をもとに再編集した文庫版です。

 オリジナル版製作時のテーマは、“それまで一般層はおろか、広告業界筋からも省みられることのなかった昭和四〇年代の少年少女向け広告、その広範囲に渡る収集とデジタル処理によるリマスタリングによって後世に残す”ことでした。


“昔懐かしい児童向け雑誌広告”は絶滅こそしていないものの、一般社会においては極めて縁遠いものでした。そもそもが繰り返して鑑賞されることを前提として製作された「作品」でもなければ「娯楽物」でもありません。広告対象商品の流通期間が過ぎ去り、セールスプロモーションの役目を終えたそれらは忘れ去られても仕方のないものでした。 まず「広告」という存在自体に儚さがあり、さらに掲載媒体である「雑誌」に備わっている儚さと、児童向けであることへの軽視も合わさって、それらを回顧したり研究したりする契機はまったく失われていました。 ふと思い出し、もう一度確認したいと思ったとしても、個人的にスクラップして保管でもしていない限り、再見する手掛かりはほとんどなかったのです。

 では、それらの広告の保存状況はどうなっているのでしょうか? それら広告の出広媒体である雑誌──主に週刊漫画誌は、昭和四〇年代半ばには“発行部数一〇〇万部突破”を誇るものも現れるほど広く流布されたものですが、「雑誌」という媒体の特質上、読み終わったもののほとんどが古紙として再生紙にされるか、あるいは破棄される運命にありました。また一般書籍などとちがい図書館で収集される性格のものでもありません。
“我が国で刊行された雑誌を含む総て出版物の収集”を前提とする国立国会図書館においても、昭和四〇年代あたりの漫画雑誌ともなると、ものによっては不揃いですし、閲覧するにもたいへんな時間と労力を要します。

 これが、たとえば古い流行歌などのアナログレコードですと、事情はまったく異なります。昭和50年代にはあらかたがCD化され、21世紀の今日ではさらにデータ配信事業の重要なコンテンツとなって、空気や湯水のごとく気軽に鑑賞されています。同じくホームビデオデッキが普及する以前までは、個人所有など考えられなかった劇場映画などの映像作品もこぞって商品化され、主要媒体がDVDに移り変わった今日では、コンビニエンスの店頭で気軽に、そして安価に買えるまでになりました。小説・文芸や漫画などの二次三次活用に関しては言わずもがなでしょう。

 これら“一般的に認知され、現在でもフル活用されている文化遺産“と同様に、収集・リマスタリングした広告は一般書籍として公表し、それらを足掛かりに読者に当時の児童文化の多面的な要素を再発見してもらおう、ということが編者のもうひとつの狙いでした。

 しかし実制作に際して、問題は三つありました。
一.広告素材──すなわち昭和四〇年代当時の児童向け雑誌の手配をどうするか?
二.デジタル修復の実作業──デジタルとは称しても、実作業は人的な手作業と何ら変わりません。この面倒な作業を引き受けてくれるところがあるのか?
三.権利関係の許諾作業。

 さいわいにして早稲田大学近くの鶴巻町にある「現代マンガ図書館」という私設漫画コレクションの全面的な協力を得ることができ、一の懸案は解決しました。二の懸案も写真集印刷などで定評のある図書印刷株式会社が引き受けてくれることになりました。原稿として入稿した古雑誌にこびりついた汚れや退色、欠落などの経年劣化は、同社の沼津工場デジタル製版課が持てる技術を総動員、約二六〇点のカラー広告に対して一〇ヶ月を費やし、四十数年前の刷り上がり状態の再現に務めていただきました。そして三の懸案は、時間をかけて関係各位にコツコツとお願いし、理解と協力を求めていきました。

 こうして二年掛かりの地道な作業を終えたオリジナル版は発売と同時に大きな反響を得ることができ、続刊『ちびっこ広告図案帳70's AD for KIDS:1970-1974』を刊行するにいたっています。

 さて今回の文庫化は、オリジナル版が売価四八〇〇円と一般書籍としては比較的高額であったため、今日的に「よりポータブルかつリーズナブル」なアイテムとして仕立て直すことにポイントを置きました。また、広告を各年ごと時系列に並べて時代の移り変わりに焦点を当てたオリジナル版の構成を、本書では物品に焦点を当てた商材別構成に改めてあります。モノクロ広告や解説文はすべて割愛しましたが、その代わりオリジナル版でページの都合上、一〇分の一サイズに縮小掲載しなければならなかった四五点の広告すべてを、より大きく掲載出来ました。
 実を申せば文庫化は“初出時と寸分違わぬリアルサイズでの再録”のために漫画雑誌と同じB5サイズで製作したオリジナル版のコンセプトに相反するのですが、それでも、文庫化によってより幅広い層に気軽に鑑賞していただくことは、編者のかねてから望むところでした。


 雑誌広告は、その多くが商品特徴をあらわした宣伝文と商品価格、そして商品写真の組み合わせから出来上がっています。ものによっては商品そのものよりもイメージ画像を大きくあしらい、購入者にどれほどの満足感を与えるかを強調したものもあります。
 これが少年少女向け商品の広告ともなりますと、文言はよりストレートな分かりやすい表現となり、加えて、見ているだけで楽しい気分に誘ってくれる人気のキャラクターやヒーロー、子役タレントたちの登場頻度も高くなります。広告対象の商材──慣れ親しんだお菓子や玩具、憧れた懸賞景品、買ってもらえなかった高級品などへの特別な思いとともに、古き良き友人たちと再会する喜びにも似た感情を抱かれる読者は少なくないと思います。

 一時代を風靡した音楽や映像の多くには、忘れ去っていた当時の記憶などを瞬時に喚起覚醒させる不思議な力がそなわっているものですが、本書で採りあげた少年少女向け広告にもそういった力があると思います。時代の移り変わりと共に広告本来の役目は果たした図版の数々。これらをあらためて見つめ直しても、当時の品々や景品が購入できるわけではありませんが、その時代の人々の憧れや欲望を瞬時にして“ダイナミックに追体験”できる希有な再現装置として、広告に勝るものはないと確信しています。雑誌広告を媒介とした昭和四〇年代子供社会への時間旅行をしばしお楽しみ下さい。

 * * * * * * * * * * 

…ということで、ご興味を持たれた方は発売の折りはよろしくお願いいたします。

P.S.アマゾンなどで予約がはじまりました。
http://www.amazon.co.jp/%E6%98%AD%E5%92%8C%E3%81%A1%E3%81%B3%E3%81%A3%E3%81%93%E5%BA%83%E5%91%8A%E6%89%8B%E5%B8%B3-%E3%80%9C%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%80%9C-%E3%81%8A%E3%81%8A%E3%81%93%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%AE%E3%81%B6/dp/4861521815/ref=pd_rhf_p_t_1

もちろんB5サイズのオリジナル版も絶賛発売中です。文庫版では省略されたいかがわしげなモノクロ通販広告や詳しい解説文、エッセイ、当時の関係者(広告代理店幹部や少年マガジン編集長・内田勝氏)へのインタビューなどが満載です。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%A1%E3%81%B3%E3%81%A3%E3%81%93%E5%BA%83%E5%91%8A%E5%9B%B3%E6%A1%88%E5%B8%B3%E2%80%95ad-KIDS-1965%E2%80%901969-%E3%81%8A%E3%81%8A%E3%81%93%E3%81%97-%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%AE%E3%81%B6/dp/4872784928/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1237605800&sr=1-2

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