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Yua's factoryコミュのマイミクのだんぞうさんから頂いた誕生日プレゼント作品

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アフター5を過ぎること三時間。シャッターの閉じた商店街通りを、酔っ払いのサラリーマン達に紛れて一人のOLが歩いていた。
「あのクソ課長、呑み会断ったくらいで残業させる? 二人きりは『会』って言わないっつの! セクハラだっつーの!」
 彼女の名は江口ゆあ。中学時代のあだ名はエロゆあ。見た目こそは普通の残業帰りOLだがそれは世を忍ぶ仮の姿。悪の姿を見ると……説明の途中だが、彼女の目に入った光景がッ!
 ヤンキー風の集団がッ!
 塾帰りっぽい中学生二人組を囲んで恐喝しているッ!
 しかも財布を取り出す瞬間ッ!
 
 エロゆあは走った。
 すぐ近くのコンビニの中へ!
 そしておもむろに人の少ない死角コーナーへと走るッ!
 前面に文房具、背後に鼻セレブと生理用品という絶妙のポイントでいきなりタイトスカートの側面ジッパーを全開にするッ!
 もちろんホックも外すッ!
 だが、エロゆあの狂行はそれに留まらないッ!
 おもむろにショーツの内側に両の親指をねじ込むと、パンストごと一気に引き下げたッ!
 そのままのけぞり気味になり、さきほどまで隠されていた見事なタテガミから一本引き抜いたッ!
 
 ブチ!
 
 その瞬間だった。
 彼女の全身が光に包まれる。決して放送禁止だからフラッシュで隠されているわけではない!
 そして1.9秒後、そこにいたのは我らの美少女戦士ユアその人だった!
 
 幼い頃に地底人の王女を助けたことで得た不思議な力ッ!
 エロゆあは、777ルクス以上の明かりの下でアンダーヘアーを抜いた時、美少女戦士ユアへと変身するッ!
 その姿はまるでどこかで見た魔法少女のよう。大人の事情でこれ以上の描写はできないッ! いや逆に大人になら……とにかく岩盤を蹴り割るほどのパワーを手に入れられるのだッ!
 
「そこのヤンキィィィ!」
 美少女戦士ユアはおもむろにヤンキーのみぞおちを蹴り上げるッ!
 180cmもあろうかという長躯が鈍い音と共に宙に浮くッ!
 そのまま裏拳で一人を地面に殴り倒すと、その横に居たデブヤンキーの頭を地面に叩きつけ、さらに残りのヤンキー達が身構える隙も与えずユアはその場にあったスクーターを持ち上げて投げつけた。
 瞬殺だった。
 中学生たちはお礼を言うどころか震えている。
 そんな彼らを一瞥すると、ユアはその場をダッシュで立ち去った。
 幾つかの脇道をスルーしながら走り続け、人通りがなさそうな商店街の端まで来たユアは手近な路地へと隠れるように逃げ込んだ。
 
 ほぼ同時だった。
 
 美少女戦士ユアを包んでいた光とコスチュームとが、水に濡れたトイレットペーパーのように溶けて消える。
 刹那の後、そこにたたずんでいたのは下半身をヒザまで露出している一人の痴女……じゃなかったOLエロゆあであった。
 エロゆあが美少女戦士ユアに変身できるのは、アンダーヘアーの長さ1cmにつき1分ほど。彼女が戦闘を急いでいたのはそんな理由だっ……む。また何かを見つけたようだ。
 エロゆあは下着とストッキングとスカートをまくりあげて再び装着し、今度はOLの姿で走り出すッ!
 
 
 
 肩で息をするエロゆあが立ち止まる。
 そこは交通量がそこそこある国道ッ!
 ガードレールをひらりと飛び越えたエロゆあは、またあられもない露出行為を行うッ!
 近づいてくる車のヘッドライトの中に、その白い柔肌が浮かぶ! そう、変身には777ルクス以上が必要なのだッ!
 長そうな一本を選び、抜くエロゆあ!
 
 ブッチ!
 
「わぁぁぁぁぁ!」
 キキィィィーーーーーーゴンッ!
 電柱に衝突した車の横に燦然と立っているのは美少女戦士ユアその人だった!(この間1.9秒)
「自損事故に悪はなし!」
 そういい残すとユアはさっき彼女が居た場所へと走り戻る。
 
「待て! そこの放火犯!」
 細身の若者がびくっと反応して振り返る。その彼の足元にある雑誌の束は、まるで灯油でもしみこませてあるかのようによく燃えている。
「ボボボボクが悪いんじゃないっ! アイツがボクを振ったりするか……」
 自己弁護中の若者を、ちょっと鋭めのヒールで地面へと踏み倒す。
「そうね貴方は悪ではないかもしれない……火をつけるまではなァァァ!」
 その後聞こえないように小さく「クソハゲ課長!」とつぶやくユア。顔面をアスファルトに押し付けられしゃべれないままの若者にユアは続ける。
「アイツがボクのハートに火をつけたから、ボクはアイツの家に火をつけるだとっ? 誰がうまいこと言えと!」
 若者はすがるような目でユアに赦しを請うが、ユアの瞳の奥は完全に燃えていた。にじにじと踏みつけるつま先に力をこめながら。
「あやつは大変なものを盗んでゆきました。あなたの良心です……じゃねーんだよ!」
 ユアの足が若者から離れた。慌てて起き上がろうとする若者に、ユアのかかと落としが炸裂する。
 
 その時だった!
 
 ユアの背後に謎の影がいくつも浮かんだッ!
 
「誰っ?」
 
 どこかで見たような戦隊モノの衣装に身を包んだ先頭の男がバッとマントをはだける。
「火消し戦隊ジョジョジョジョジョボ5!」
 
「はあ?」
 
 あまりにも突拍子のない連中の出現にたじろぐ美少女戦士ユア!
「俺がリーダーの群青ジョースターだ。群青の青とジョースターのジョをとってジョジョと呼ばれている!」
「いきなり群青か! リーダーなのに地味だな!」
 性格のせいか、ついつっこんでしまうユア。
 
「あたしが紅一点の美少女ジョースターよ! 美少女の女とジョースターのジョをとってジョジョと呼ばれているわ!」
「赤はそれかよ! つーか美少女ってあたしとキャラかぶってるよ!」
 
「僕は御手洗丈二。なぜか苗字を『ベンジョ』って呼び間違えられてあげくにジョジョとまで……」
「可哀想だな! っつーかまさか全員無理やりジョジョかよ! 紛らわしい!」
 
「朕は今上ジョースターである! 苗字がないのでジョジョではなく上様と呼ばれておじゃる!」
「ジョジョじゃないのかよ! つーかそれ絶対放送できないネタだろ!」
 
「私は田中たけし! 妹の親父の弟の息子の祖父の孫の田中たけしがジョジョ好きだからって雑巾ヨーグルトって呼ばれてる! 必殺技は一学期にこぼした牛乳を拭いた雑巾! ものすご発酵して波紋使いに息をさせねーぜ!」
「誰だよ! 長いよ! 波紋は誰が使うんだよ!」
 
「オレはボ! ボールのボだ! いいか鉄球は能力じゃない! 技術だッ!」
「もはやわけわかんないよ! っつーかSBRはマイナー過ぎるだろ!」
 
「我輩はファイブ! 実はいままで黙ってが結婚してる!」
「5もメンバーかよ! 6人目でつっこまなかったけど7人もいるのかよ!」
 そのユアのつっこみに噛み気味に、他のジョジョたちもつっこんだ!
 
「なんだってぇぇ?」
 
 ファイブと名乗った男はしょぼんと頭を下げる。
「しかも今朝、離婚届を出されてしまった……」
 その下げた頭の向こう側から、2歳くらいの男の子がきょとんとした顔でユアを見つめた。
「おいファイブ! その背中に背負っているのは……」
「……すまんみんな。息子だ。これから仕事だって時に」
「おい! おまえら! 横から出てきて勝手に話進めるな!」
 
 その声に、一斉に振り返る彼ら。
 ……よく見ると下半身は全員ふんどしだ。
「ヘンタイの集団かよ!」
 
 その指摘に腹を立てたのか、ジョジョはユアを指差しワナワナと震える。
「ジョジョ以外はあの放火魔を取り囲め!」
「ジョジョは何人も居るだろ!」
 そんなつっこみをしている間に、紅一点以外の全員がユアを取り囲む。
「個体の識別できているのかよ!」
 取り囲まれたことに動揺したユアの足元から、ジョジョが放火犯をすっと連れ去る。
「ちょ! 放火犯を……」
 するとジョジョが叫んだ。
「黙れ! この放火魔!」
「あたしじゃないっつの!」
 だがその反論が聞こえないかのごとく、ジョジョは号令をかけた。
 
「いいか! 火が強くなっている。消火活動を開始する! 全員構え!」
 ユアを取り囲んだまま、火消し戦隊ジョジョジョジョジョボ5は全員、ふんどしをずらして右手でポジションを調節した。
「本当の変態か!」
 するとユアのすぐ隣へとジョジョ(紅一点)が跳んだ。
「近寄るな! 変態!」
「イクわよ! みんな!」
 そして自分のふんどしをチラリとずらすッ!
 
 それに呼応するかのように残りのジョジョやボやファイブたちの消化砲の角度が微調整されるッ!
「放水するッ!」
「ま、待て!」
 ユアが蹴散らそうと身構えた瞬間だった。
 
 美少女戦士ユアの変身が解けたッ!
 次第に大きくなりつつある炎に照らされたあられもない姿ッ!
 合わせておおきくなるナニッ!
 人間の出す量ではない水が、火元ではなく遥かなる天を目指して噴きあがったッ!
 
「き、貴様ッ! 消火活動の邪魔をするとはッ! さては悪の手先だなッ!」
「ち、違……あたしは……」
 そこでエロゆあは自分の姿に気付く。変身が解けていることにッ!
 
「フハハハハハハハハハッ!」
「誰だ!」
 謎の笑い声にジョジョが聞き返す!
 
「我は地底帝国アングラーの営業部長ナカオモだ!」
「な……なんだと……」
 そうつぶやいたのはジョジョだったが、地底帝国アングラー……エロゆあはその名前を聞いたことがあった。
 
 かつて助けた地底人の王女、彼女の地底の王国を征服したのが国がアングラーという名前だった。
「フハハハハッ 見ていたぞ江口ゆあ! お前の悪党ぶりを!」
「あ、あたしが悪党? 逆だ! っつーか本名言うな!」
「ぬかせ! 課長のお茶に雑巾の絞り汁を入れ、ヤンキーたちを過剰制裁で半身不随に、買ったばかりの新車の外車は廃車になった持ち主は歯医者で、放火犯はつま先がないと生きられない体にするわ、消火活動の邪魔はするわ、昨日の」
「それだけは言うなっ!」
 
 一瞬、シーンと静まり帰る。
 
「ま、まあよい。だが貴様の悪行の限り、気に入った。是非とも仲間にしたい」
「あ、あたしは、悪と戦うんだ!」
 エロゆあはさっきから丸出しの某所からアレを抜こうとして……
「しまった! ここでは明るさが足りないか……へ、へっぷちん!」
 
 ブチン!
 
 くしゃみと同時に抜いたその1.9秒後、美少女戦士ユアに変身していたッ!
「なんで? ……明るさが……」
 横を見上げたユアの視界には、もうちょっと手遅れなんじゃないのって感じにゴウゴウ燃えているアパートがあった。
 
「くそう! あの美少女のせいで、全部放水しきってしまった! 無念!」
 そう言い残すと火消し戦隊ジョジョジョジョジョボ5は逃げ出してしまう。
「ま、待て! ちゃんと消してけ! せめて消防車呼べ!」
 走り去るふんどしどもとは反対に、一人だけ走って近寄ってくる男が居た。
 
「ゆあっ! 君も逃げるんだ!」
 その男はユアの愛しの恋人だった……が……ユアの目の前にまで駆け寄り立ち尽くす姿を見て、ユアはちょっと鼻汁が出た。
 
 いや、出たのは鼻汁じゃなく涙だ。
 
「ゆあっ! 逃げr」
 最後まで言い切る前に、ユアの豪快な蹴りが男の正中線を綺麗に下から上まで蹴りあげた。
 ユアはたった今、気付いたのだ。
 ちょっと変だなって思っていた彼のファッションセンスが、アングラーの制服だったということに。
「……だから……だからあんなに剃毛プレイを強要しようと……お前ら全員死ね!」
 
 
 
 数分後。
 下着とストッキングとスカートを装備し直すエロゆあの背後には、記憶がなくなるほどボコボコにオラオラされた無残な姿が死屍累々と横たわっていた。
 
 泣くなゆあ!
 
 負けるなゆあ!
 
 君の恥部……じゃない将来は明るい! 根拠はないけど!
 
 
 
 さて。問題です。
 美少女戦士ユアの魔の足から放火犯を救い出したのはどのジョジョでしょう。
 10文字以内で答えない。
 
 
(完)

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