Yua's factoryコミュのFinal Destiny 2-3

国境は高く長い壁に覆われていた。
突破するには関所を抜けないと難しい。
遠巻きから双眼鏡を覗いて、ルーアは口を開く。

「関所には常に三人常駐しているが、今は我々を捕らえることに躍起になっている。つまり」
「多いわけね」
「多いどころか簡易コテージまで設置してるからな、１００人は居るだろう」
「１００！？バカじゃないの？死ぬの？」
「多分最初は十数人だったんだと思う。ただ我々はあまりにも殺し過ぎた。いずれドニスは恐怖を感じたのかもしれない。それで増員したんだろう」
「マジか…」
「日が暮れるまで待とう。闇に乗じて攻め」

ドゴォオンッ！！

ルーアが喋りきる前に関所から大きな爆音が響く。

「何だ！？」

ミストが立ち上がり関所を凝視する。

「誰かが暴れている！男１人だ！」

双眼鏡を覗きながらルーアが言う。

「…強い！一瞬で数十人倒した」
「これチャンスじゃね！？助太刀しよう！」
「バカ、仲間かどうかも分からんだろ！」
「それならそれで三つ巴だ！」

ミストは関所へ向かって走り出す。

「ああもう！」

仕方無くルーアも走る。

「あははは！弱い！弱いぞレキアスの兵士共！」

複数の兵士に囲まれても男は苦にしない。槍を振り回し、その回転で５、６人が弾き飛ばされる。

「我が槍術で弾け飛べ！」

――槍龍烈波――

男は天に向けて槍を回転させながら突く。
男を中心に風が向かい渦を巻き竜巻が発生する。兵士達はその竜巻に巻き込まれ、上空へと吹き飛ばされる。

「貴様！関所破りは重罪だぞ！何者だ！」

兵士が男に怒鳴りつけるが、完全に腰が引けてる。

「北の国ボルノ出身、勇者ニコルだ」

ニヤリと笑ってニコルは肩に槍を置いた。
そして瞬時に怒りを露わにした面相になる。

「レキアス国お尋ね者の勇者シェリルを嫁に貰いに参った！邪魔する者は死ぬと思え！」

続
Final Destiny 2-4　http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=66374114&comm_id=5718354