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Yua's factoryコミュのFinal Destiny 2

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「はぁっはぁっ!」

森の中を駆け回る人影が一つ。

「何で…!はぁはぁ!どうしてこんな!」

影は憎々しく声を漏らす。

《追えー!探すんだ!》

その影の背後からはまた数人の影が松明の光で闇夜の森を怪しく照らす。

「くそっ…くそっ」

背後の影達から逃げるように速度を上げる。
逃げる影の名はシェリルという。
三日前、魔王ゾネスを討ち滅ぼした【元】勇者だ。



―今より12時間前―

「シェリル只今戻りました」

王の間にて、シェリルはダラス王の御前に片膝を付き魔王の討伐を報告する。

「ご安心下さい。魔王は灰となりこの世から消滅致しました」
「おお、それは真か!」
「御意に」
「うっはっは!よくやったシェリル!褒美をとらす!」
「勿体無い御言葉」
「くくく、我が国から魔王討伐した勇者がまた出た事になるな!」
「…」
「西のシリウス王もさぞ悔しい思いをしておろう!がははは!ちょ、ウケるんですけどー!」
「…御意に」

シェリルの心にどんよりと暗いものが支配していく。しかしそれが何なのかは分からない。

「大義であった!宴の準備をこれより支度させよう!下がれ!」
「…はっ」

シェリルは跪いたまま王へ一礼すると立ち上がり、踵を返して王の間を後にする。

城を闊歩する間、城兵達の視線が気になった。
シェリルに悪意の籠もった目を向ける。

魔王を討ち滅ぼした勇者。普通ならば憧れや尊敬の目を向けられてもおかしくない。
それが何故このような目で見られなければいけないのか。
シェリルは別に英雄になりたかったわけではない。だから皆に称えられる事も望んでいたわけではない。
シェリルは皆の笑顔が見たかっただけ。

平和な国々を暗黒世界へと陥れた魔王。
皆の笑顔を奪い、涙に濡らした憎き魔王。
その魔王を倒せば皆がまた平和に暮らせる。

ただそれだけ。
それだけだけど…。

ただ蔑むような悪意のような目を向けられたら…

私は何の為に身を削って魔王討伐へ向かったか分からなくなる。


シェリルは長い廊下を歩き、城を抜ける。
すると一人の若い兵士が駆け寄ってきた。

「シェリル殿!」

シェリルは振り返り、若い兵士に顔を向ける。

「何でしょう?」
「いや、あの…」
「?」
「魔王を倒して頂きありがとうございます!」

まだ着慣れてない、ぶかぶかの鎧を纏った若い兵士はそう言うとにっこり笑う。

シェリルは少し救われた。





Final Destiny3 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=65836419&comm_id=5718354

コメント(5)

続き待ってましたわーい(嬉しい顔)
でも、まだまだ続きがきになる〜〜〜〜

リアルで有るね…
特に営業とか接客をしてるとこんな空気になる事がある(ワラ)

別に自分の営業成績を上げたい為に頑張って仕事をしたわけじゃないけど
たまたま、売り上げが上がって上司に褒められても別の部署からわ

「めんどうな仕事取って来やがって」とか
「努力しないで売り上げ上がっていいね」とかね

シェリルは悲惨だね…努力した結果が嫉妬を生むと
こりゃ病んじゃうね…病んじゃうよもうやだ〜(悲しい顔)

(´_>`)…ダラスサンが一瞬若者みたいに
はしゃいでる…。

> ちょ、ウケるんですけどー!



ツッコミ所は見逃さないよー僕ー。
> 密さん

そこを突っ込んでくれたのは密さんだけですwww
ありがとう♪

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