カリフォルニアの計測運動 あらすじ:現在、カリフォルニア州の反原子力ルネッサンス抵抗運動は、今まで培ってきた運動の資源を利用しながらも、新しい段階、つながりを見いだしている。ここでは州内の二つの原発のうちの一つで、今年1月の冷却水漏れ事故を受けて現在運転停止状態の、南カリフォルニアはサンクレメンテ市にあるサンオノフレ原発周辺(ロサンジェルス市、アーヴァイン市、サンクレメンテ市、サンディエゴ市など)の住民が始めた測定運動Volunteers of Americaについて書く。
先ほど計測費用が自己負担であるという話をしましたが、これが現時点で、戦略的にとても大切なことだと考えています。アメリカの中でもカリフォルニアの市民運動には、反原子力の運動と先住民やマイノリティによる自己決定権や自己統治権の闘争との融合の中で産み出された経験の蓄積があるので、事故後に自己負担を強いられている日本の状況とは意味が違います。強いられない自己負担は悪いことではないと思います。測定運動がVolunteers of Americaと名付けられている事自体、合衆国の枠組みを超えた、少なくともアメリカ大陸全体を見据えた上での、「複数形」の「ボランティア(任意行為者、他者に委ねない有志)」であるという、かなり歴史的・戦略的な意思がうかがえます。