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いつかバーやカフェを持ちたいねコミュの管理人発「飲食店のひとりごと」

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管理人XYZです。
この掲示板は、(コミュ立ち上げ当時から)
開業希望者やお店をやっている人たちへ管理人からの
真面目なメッセージ用です。
管理人特権だと思ってお許しください。
(「この続きが読みたい人は・・・」という
掲示板でスタート)

「飲食業界の実務話」や「きっかけ・ヒント」として載せています。
興味ある人は、この掲示板がアップされたときにでも
1番下を読んでみてください。そこそこ参考になるかと思います。 >>


また、このような内容のことを、僕の著書に書いています。
(宣伝ですいません)

1、「ランチは儲からない 飲み放題は儲かる」講談社
http://item.rakuten.co.jp/book/5454272/ 
2、「とりあえず生が儲かるワケ」講談社
http://item.rakuten.co.jp/book/6205415/
3、「ド素人OLが飲食店を開業してはダメですか?」
               クロスメディアパブリッシング
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E7%B4%A0%E4%BA%BAOL%E3%81%8C%E9%A3%B2%E9%A3%9F%E5%BA%97%E3%82%92%E9%96%8B%E6%A5%AD%E3%81%97%E3%81%A1%E3%82%83%E3%83%80%E3%83%A1%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B-%E6%B1%9F%E9%96%93-%E6%AD%A3%E5%92%8C/dp/4844373307?ie=UTF8&adid=1KPS2EJEEX87ZAK6RPMD&camp=243&creative=1615&creativeASIN=4844373307&linkCode=as1&ref-refURL=http%3A%2F%2Fmeroom.com%2Findex.shtml&ref_=as_sl_pc_tf_lc&tag=meroom0e-22

そして、↓のような内容を含むメルマガを10年以上前から
時々無料発行しています。
(自分のお店や他のお店のデータをベースに
飲食店の実務・実情や数字関係をお話しする
コーナーがあります。)

開業を真剣に考えている方々、
興味ある方は、まぐまぐから登録できますので
要チェックしてみてください。
かなり、リアリティある情報だと自負します。
http://www.mag2.com/m/0000073421.html

http://meroom.com
のホームページ・トップの左上あたりにも
登録コーナーあります。
ご希望ある方のご参考になればと思います。

http://meroom.com

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☆飲食店のひとりごと☆

今回のテーマ: 
「水商売を分析してみよう!」


今週も男性陣のグループ客の会話が、耳に入ってきました。
「水商売を経営したいよな〜」
世の男の人たちは、淡い夢を持っている方が多いようです。
(もちろん、みなさん本気では言っていないと思いますが・・・)

では、水商売を経営しようと思ったら・・・

まずは数字。
通常の飲食店の数字比率は、いちばんベーシックな
パターンで
材料費30%・人件費35%前後・家賃管理費15%前後・
光熱費5%弱・雑費や広告費5%弱、利益(償却含)10%強
が、世の生き残っているお店で実務に近い数字だと思います。
(あんまり儲かっていない・・・?)

これが教科書っぽいビジネス書では、理想(目標)を
掲げますので
材料費30%・人件費30%・家賃管理費10%・光熱費3%前後・
雑費や広告費3%前後、利益(償却含)25%
くらいにまとまると思います。
(こりゃあ儲かる)

もちろん、材料費率はお店の種類によって変わります。
回転寿司とかは、材料費率が高い業種ですし、
水商売は材料比率が低い業種です。
居酒屋やファミレスも意外と材料費比率が高め。
32%前後かな・・・
理由は、一次加工品を「買い取って」いるから。
そういう意味では、純粋な材料費とはまた違ってますね。
セントラルキッチンで加工したものを、買い取れば、
セントラルキッチンでの人件費や家賃等を考慮して引渡し
価格がきまります。
そのかわり、ファミレス現場での人件費は抑えられますし、
現場の提供もスピーディー。

人件費率は、回転すしや、カウンター式どんぶり系では
低いですし、水商売では高くなります。

固定費率(家賃管理費)は、薄利多売系や儲かっている
水商売では売上比率として低くなりますが、
最初(入居時)にその店舗からどれくらいの売上が予測されるかを見誤るとけっこう比率の高いものとなります。
(ショッピングセンターやデパート等では、固定家賃では
なく、売上「比率」で家賃を収めるケースが多いです。
売上の10%〜12%くらいが目安ですね。
でも意外とこの他の「共益費」が高い。
ここは最初に要チェック。)

このようなこまかな数字の積み重ねが「費用」となり、
売上から「費用」を引いたものが利益となります。

で、水商売ですが・・・
<つづく また来週〜!>


コメント(66)

<2007・2・3>

● 「詐欺師・岡部さんの来店」  

来ました〜〜
この間の金曜日。

ぷらっと来店した浮浪者風の怪しいおじさん。
(60歳くらい?)

「自分は岡部という者だが、
来週の金曜日=2/9にお店を貸しきりたい」
とのこと。

そして一人予算が¥15,000。 ×20人。

おっ、過去最上級のVIPクラス。
(人は見かけで判断してはいけないのか・・・?)

しいては、打ち合わせをしたいとのこと。

が、そうはいっても金曜日。
打ち合わせをしている時間がそうそうない。

ちょっと話してはお仕事。

そうこうしているうちに、
相手は「少し出かけてくる」 と外出

おじさんの外出中、常連&近所のTKさんがご来店。

XYZ: 「かなり怪しげな、でも、もしかしたらVIPかも
しれないお客さんが来てましてね〜」

と、内容や雰囲気をお話しすると・・・

TKさん: 「それ、詐欺師だよ〜
自分の知り合いの店もそれでだまされたよ〜」

で、そのお店の人を急きょ呼び出し。
(新宿3丁目のお店で近所なので)

内容、情況を話してみると、まったく同じ人物。

で、何がどうして詐欺になるかというと・・・

目の前に大きな宴会の予約というエサを
ぶらさげた状態で、
「実は、こういう商売もしてまして・・・」
と、裏ビデオ販売の話しを振る。
(本業は、ジャズミュージシャンだと言ってたが)
無料で、ダビングしてあげるから、
今からDVD/CDディスクを貸してよ。
ないなら、コンビニで買ってくるね。
(お金はおじさんが出そうとする)

でも、大口のお客さん予備軍でもあるので
お金を出させるわけにも無下に断るわけにもいかない。
で、お付き合いで1〜2枚分お願いしますということになる。
で、1000〜2000円渡す。
こまかいお札がない人は、5000円札か1万円札を渡す。

そしたら「ドロン!」

う〜ん、
ひっかかる人は少なそうですが、
お店の弱いところをついているのも事実。
現に新宿3丁目の人は、1万円もってかれている・・・

結局、おじさんは、お店に戻らず。
待ち伏せしていた人々も諦めて解散。

おじさん、戻ってきたらおもしろかったんですけどね。

*上記、ダビングの話しに載ってこない場合は、
第二弾で「買い物」系のお話しで攻めてくるようです。
今から、会社の人間が内金と名刺を持ってここに
来るから、それまで貸しといて。って。
(上記、CDのお金を出そうとするのは、あくまでポーズ。
実際に財布を出してみると、「あれっ?お金忘れたかな。」
何重にも「細工」がされているようです)
<2007/3/17発行>

●「広告」

お店のコンサルをしていると、
オーナーさんから「広告」というテーマが出て来ます。

飲食店は多店舗展開して総合広告しない限りは
そんなに大々的な広告が打てません。
大箱のお店で売上があるなら、広告費にも予算を
さけますが、普通の規模のお店ではそうそう広告に
お金をかけれません。

そうはいっても、通常の場合は、
費用を払っても「一定以上の」広告をしないと
来客は尻つぼみになります。
うちも、六本木のお店や新宿のお店は
広告してませんが、「それまでに」8年とか10年の
「ベースになるお客さん」がいてのことです。
そして、この2店もまったくPRを無視しているわけ
でもありません。
お客さんが来なくてもいいなんて本気で考えるお店は
存在しません。お店をやってる意味がないです。

ですので、普通のお店でちゃんと広告をしよう!
と思っているところは、
毎月売上の一定%を広告費にあててます。
真面目に広告を考えるところは、将来の投資として
一定金額を広告費として計上してゆきます。
売上規模にもよりますが、売上の1%〜5%の間です。

そして、この広告費を毎月コンスタントに使うところよりも
3ヶ月くらいまとめて、1シーズンに1回広告したりする
ところが多いです。予算枠が広がりますので、対象となる
広告媒体の選択肢も広がります。

そして、「費用対効果」を測定します。
費用対効果で、効率良い対象が残され、
効率悪いものは避けられてゆきます。

費用対効果に答えはありません。

10万円の広告費をかけて、客単価4000円で50人来店して
くれれば、売上20万円。
材料費30%を引いても14万円の粗利、
広告費を引いても4万円の残。
といった、どう見ても効果あったように見える
ケースもあります。

では、同じく10万円の広告費をかけて、客単価4000円で
10人しか来なかったらどうでしょう?

売上4万円、粗利28,000円、広告費10万円で
マイナス72,000円だから広告は無駄だったでしょうか?

ここが微妙なんです。
ここまでの数字上は無駄です。

でも、
例えば新規10人のうち、30%の3人が、
お店を気に入ってくれて
年間10回以上来てくれるようになったとしましょう。
3人×10回=30回  ×4000円=120,000円
最初の、10人×1回=10回 ×4000円=40,000円
総売上160,000円の効果で、粗利10万円以上、
かけた広告費は1年でペイしている情況です。
この常連達は、翌年も使ってくれるかもしれません。

この考えは「たら・れば」が入りますので、
どこまで、どう考えるか?
自分のお店のお客さんはリピート率がどれくらいか?
総合的な判断が必要となります。
リピート率を測定してみて一定以上あるなら、
広告費はきっと無駄になりません。
ちゃんとした媒体に、ちゃんとした広告を打てば打つほど
長い目でみるとお客さんの土台はできて、繁盛します。
(理論上は)

まあ、いろいろ考えるのもいいですが、
ある程度のお店なら、ある程度の広告費は
やはりかける必要があることは否めない現実だと思います。
(そして、やはりリピート率を上げる努力や仕掛け。
せっかく広告を見てきてくれても、
2度目の来店がないようなら行き詰まりますし、
そもそも論で問題あるお店だと思います。)
「理想」は、口コミ・紹介でしょうが、
それで成り立つなら、潰れるお店はありません・・・
<2007/4/14 分>

●「ランチ満席は当たり前」


お店を始めた方々のよく言うことば
「ランチは満席なんですけどね〜夜は・・・」

まあ、第一段階ですから、それでいいと思います。
ランチが満席になって、徐々に夜お客さんが入って。

逆に言えば、ランチに満席にならないお店は
かなりやばい!!


例えばですが、
20坪30席くらいのお店。
満席と言っても、100%席が埋まることはありませんから
(4人掛けテーブルに、2〜3人とか、
2人掛けのテーブルに1人とか)
80%くらいかけてみて、満席24人。
それがまるまる2回転して、48人。約50人です。

月〜金の5営業日で、のべ250人。
ランチということで、徒歩5分圏内の常連さんに
使ってもらうとして、頻度を平均週1回の利用頻度とすると
「250人の週1利用者」がいればランチは成り立ちます。

ランチは、どこかで食べます。
お弁当のときもあれば、立ち食い系のときもあり、
豪華なときもあれば、さっさと済ますときもあり。
でも、日々、どこかで誰かのニーズがあります。

「250人の週1利用者」は、周りのビルを見渡してみましょう。
1フロア20人くらいの会社が入っている小型のビル。
10階建でも、200人の人がいます。

お店を中心に徒歩5分圏内にそんなビルが何個あるでしょう。
見渡すだけでも、20〜30くらいは目に入るでしょう。
4000〜6000人の人がいるはずです。
そのなかで、毎日ニーズがあるランチ。
250人のファンをつくるだけでいいんです。
10人に1人ではありません。
20人1人とか、30〜40人に1人のファンでいいんです。

さらにこれは、「いきなり」でなくてもいいんです。
日々、1人のファンでもがっちりキープできれば、
250日後には、安泰です。
1年です。
もちろん、離れてしまうお客さんもいますので
机上の理論でもありますが、
原則の考え方では経験上おかしくありません。

つまり、こんなにハードルの低い、ランチ営業で
満席にならないとなると、「なにか問題」があるんです。
オーナーさんや料理長は、「問題あり!」なんて自覚しながら
やりません。よかれと思って一生懸命やってます。
でも、ランチは間違いなく「結果」が出ます。

さて、これに引き換え、夜はかなりハードルが高そうです。

<来週に続く>
<2007/6/9分>

「たった10%に悩む飲食店」


普段いろいろなお店のオーナーさんと情報交換したり
お仕事でお店の数字をみさせていただいていると

「あと10〜20%お客さんが増えるといろいろ楽に
なるんだけどね〜」
ってところが、とっても多いです。

それ以上足りないと、1年持たないでしょう。
それ以上満たされると、余計なことは考えずに
2店舗目の展開となっていることでしょう。

1店舗を「生業的に」こなしているお店が
世の中では多いです。
これらのほとんどに上記の言葉〈愚痴?)が当てはまります。

1日1組のお客さんが増えると、@3000円のお店で約7500円の
売上アップです。材料費を除く70%をかけて約5000円くらいが
1日利益のアップです。
(1組くらいの増加なら人件費も光熱費もかわりません。)
24営業日/月で、120,000円。
年間で、144万円。
これはでかい!
現在損益分岐点ギリギリのお店なら、
5年もすれば720万円溜まります。
次の展開が考えられます。
溜める気がないなら、半年で約70万円のボーナス支給です。
損益分岐点に満たないお店なら
喉から手が出るほど欲しい金額/数字。

ほとんどの個人店/生業店は、
15坪前後の広さが多いですので
席数にして、20〜30席。
上記、1日1組は2.5人で計算していますので、
まさに席数の約10%。

この10%に飲食店は四苦八苦しています。
10%が足りないということは、
年間で144万円足りません(上記例)
月12万円足りないと、自分の給料が30万円を予定しているのに
18万円でがまんしなくてはならないということです。
でも、これくらいならお店が潰れるまでの
ハードパンチではありません。
ボディーブローくらいです。
でも、ボディーブローを長年くらっていると
精神的にも崩壊してゆきます・・・

「あと10%」=「あと1組」
って考えると、お店から見た1組のお客さんは、
まさに「大事」、「宝物」です。
そんな気分で、いろいろなお店を利用してみてください。
その1組の価値や意味を分からないお店は、
見捨ててあげてください。自業自得です。(笑&厳)

<2007/8/4>

●「実績主義のお給料 つづき」
〜自分の給料の導き方の一例・サンプルについて〜


水商売の場合、ホストクラブなら、
売上の50%〜60%くらいをホストがもらえます。
そして、完全歩合制であるところが多いです。
〈最低時給/最低限の日給保障制のところもありますが。)

ある意味、ホストという個人事業主が、
共同場所を借りて各自営業しているようなものです。
40%〜50%を家賃と材料費、光熱費、雑費として
オーナーに払っているようなものです。
稼げない子は、稼げるホストのヘルプに回って
稼がせてもらいます。

キャバクラの場合は、時給+歩合が多く、
それらを足し上げた結果、ホストと同じような売上の50%が
取り分であることが多いです。

ホスト業界よりの、時給色が強いので
稼げない子の分も稼げる子の売上から出ているため
上限取り分が売上の50%といったところでしょうか。


「普通の飲食」の場合、人件費率は売上の30%前後で
あることが多いです。

この平均で考えた場合、
4人で回していれば、1人平均7.5%です。
そして、ざっくりとした配分で考えるなら

料理長 9%
調理サポート 7%
店長〈ホール) 8%
ホールアルバイト枠 6%

といった「割り振り」も可能です。
(個々のお店のキャパや人数、役割、スタイルに
よって変わります)

せっかく売上が上がっても、
すぐに人を増やしたがる現場の場合、
この配分はかなり有効です。

人を増やせば、自分達は楽になりますが
お給料は増えません。
ホール、厨房の連携がうまくできて効率よくお店を
回すことができるのなら人は少なく済み、
自分の給料も増えます。
そうは言っても、売上が増え続けると
労力・体力の限界はきます。
このへんのバランスが考えられるようになります。

ただ、材料費と絡めてくると、またちょっと変わってきます。
材料費を「ケチろう」とする料理人が出てきます。
長い目で見ると、一定材料費をかけないとお客さんは
離れてゆく結果になります。
ここは、簡単に材料費と絡めるべきではないと思います。

そして、オーナーさんがスタッフの給料を決めるとき、
スタッフが自ら自分の給料を提案する場合、
アップを狙う場合、このような数字からのアプローチが
ベースで必要です。
やみくもに「できるだけ・・・」は、オススメできません。

プロとしてのアプローチをしてみませんか?
(飲食以外の業界も、数字の配分や基準線は
変わるでしょうが、数字のアプローチという考え方は
基本同じです。)

<2007/9/8>

●「また来るよ・今度行くねの一言」


うれしい言葉ですよね〜
お店をやってる者、お店で働いている者にとっての
醍醐味であり、がんばってゆこう!
という気力のよりどころでもあります。

さて、みなさん、
みなさんも、お店で「また来ます!」とか
お店の外でお店をやっている人と知り合って
「今度行きますね」の一言を時々口にすると思いますが
どうでしょう?
律儀に行ってます?
(一般の方よりもお店に興味を持っている
このコミュの方々だと、行っている人が
若干多めでしょうが)

このへんの追跡データや統計で残されているものは
ないと思いますが、僕の経験と他オーナーさん達との
話しをならしてみると・・・

10人中、1人でも本当に来てくれれば、
ラッキーかもしれません。
(ほんとにこの確率がキープできるのなら、
オーナーは外の世界で、いろいろな集まりに顔を出し、
名刺交換をひたすら繰り返して、1000人の人と会話すれば
100人のお客さんができることになります。
また、一言くれた来店客10人のうち1人が
本当にまた来てくれるのなら、
この部分に関しては、10%づつ、
確実にお客さんが増えてゆきます。
そんなに甘くはないですね。 
(あっ、そういえば、
ちょっと特別なお店で例外のお店もありますが・・・)

すでに、何回か来店されている方の
「また来るね」は、信憑性がありますが、
初来店の方や、お店外で知り合った方々の言葉には
「とりあえず」「ごあいさつ代わり」「相手の性格」
の要素が多分にあります。
(ランチのお客さんも、毎日需要があるので
信憑性が高まります。今回は夜のお話しです。)

また、その場では、ホントに行こうと思っている人も
多いのですが、いつかいつかと思っているうちに
時間が経つにしたがって、行きづらくなったり、
忘れていったりします。

もちろん、この確率はお客さんを「放置」していた場合です。
言ってくれた相手も、嘘を言っているつもりはありませんし、
その場では好意的ですから、「その後」に「フォロー」が
しっかりされると、この、1/10レベルの確率は
上がってゆきます。
ここがポイントです。

お店を始めたばかりは、
この「また来るよ」の確率に実感がありませんので
なんか、常連さんが積みあがっているような気になります。
(ただ、うれしい)
でも、待っているだけでは、そうそう甘くないです。
一歩近づいてきてくれた人たちに、
一度お試ししてくれた人たちに
「もう一押し」が必要なんです。
自分のお店にスタイルにあった、嫌味ない一押し。
思いつきましたら、常連さんがさらに増えることでしょう。
(名刺をいただいてDMや、ポイントカード発行が1つの
パターンです)

あなたらしいフォロー、考えてみてください。


<鍋屋は儲かるのか?>


インターネットで、H氏の離婚ニュースを見てましたら
その中の記事に、H氏が経営する鍋屋のことと
年収について触れていました。

<「W」は
29店舗を展開し、
06年度の年商は13億5600万円を計上。
H氏の年収は1億5000万円とも2億円ともいわれている>


ちょっとサンプル・一例を考えてみます。
29店舗で年商13億5600万円。
1店あたりの年商は約4,676万円。
(設立時期や立地、規模はならした状態で)
1ヶ月1店舗あたりの売上平均は、約390万円。


ということで、山の手周辺、そこそこ立地のそこそこ広さの
お店で、鍋屋をやった場合の利益を探ってみます。

鍋の材料比率は、少し低めに設定されていると思います。
通常で30%ですから、鍋+ドリンクのアベレージは
25〜28%の間だと思います。仮に優良店25%設定と置いてみます。
ということで、390万円×0.75=約292万円→290万円残です。

人件費は・・・
通常、売上の30%前後です。
街場の小さなお店は、40%近くまで跳ね上がっているのが
現状でしょうが、チェーン店にするなら、30%を超えるわけにはいきません。
さらに、鍋という業種は、材料切り出しさえしとけば、
特に職人さんという技能職が必要とされませんから、
アルバイト・パートさんでオペレーション可能です。
ということで、通常の30%よりも人件費はかからないでしょうから
25%で置いてみます。
390万円×25%=97.5万円→約100万円(人件費)

上記、290万円―100万円=190万円残

次は、家賃。
山手線のそこそこ立地なら・・・
場所によって家賃にかなりの差がありますが
今回は、そこそこ立地、1坪25,000円、30坪くらいで考えてみます。
家賃75万円。

上記 190万円―75万円=115万円残

あとは、光熱費や雑費、消耗品、広告等、その他。
売上の10%で枠を決めてみます。=39万円→約40万円

上記 115万円―40万円=75万円残

最後に償却費。
初期投資が、全額自己資本でも回収できなければ意味がありません。
また、借入れをしていれば、「返済」が待ってます。
30坪のお店を、初期投資2000万円でスタートしとします。
(明細は長くなるので省略)
3年(36ヶ月)償却で考えると、金利を除いて月々約56万円→約60万円。

上記 75万円―60万円=15万円残

うむむむむ・・・

1ヶ月、15万円の残か・・・
(広さ30坪・家賃25,000円/坪のお店で売上390万円/月ですと
あまりいい売上とはいえません。
坪13万円の売上は、家賃を払って人件費を払う
ビジネスケースでは、ボチボチレベルです。)

全ての店舗に、この計算式が当てはまるわけではありませんが
(特に地方店や、広さによります。)
でも、ならして考えるとこれの上下。
(上記計算式は、FLコスト=材料費25%+人件費25%=50%で考え、
30坪2000万円で出店した場合なので、
けっこう効率的な店舗のケースを想定しています。
本来FLコスト50%で済めば、かなり儲かりやすいお店が
出来上がるはずです。
なので、家賃をもっと抑えている可能性もありますが、
都心は高いです・・・)

29店舗で考えれば、15万円×29=435万円/月。
12ヶ月で、5,220万円
全部が、経営者の利益と考えてこれくらい。

もし、流行が終わり、飽きられて、もしくはイメージを損傷して、
逆に1ヶ月15万円/1店舗の赤字を出そうものなら、
年間5,220万円の赤字が待っている・・・

さて、実態と今後は???

<2007/11/10 発行>

●「ターゲットの設定」


今回は、スナックの話しベースですが・・・
(他の業態にも応用は可能です)

スナックをやってみたいな〜という人とお話しました。
現在、スナックで働いていて、「いつか」で構わないので
そんな希望を持っているようです。

そういう人とのお話は、けっこうスムーズです。

僕の質問は
1、「今のお店に来ているお客さんは、いくらいくらい払っている人が多いですか?」
2、「今のお店に来ているお客さんは、何時間くらいお店にいますか?」
3、「今のお店に来ているお客さんは、どれくらいの頻度で来ていますか?」
4、「今のお店の広さ(席数)は?」

基本のデータ収集的質問は、この4つで十分です。

ここから「基準線」を作ります。

1の質問で、平均客単を設定します。
仮に5000円とすれば、2500円〜7500円支払いのお客さんが
80%以上を占めると思います。
安いお客さんや、高いお客さんが「こういう人もいる」という
ことで、どうしても目に付いたり記憶に残ったりしますが、
「イレギュラー」は無視してください。
何事にも10〜20%のイレギュラーはつきものです。

2の質問で、平均滞在時間が設定できます。
そこから「1時間あたりの金額」を導きます。
仮に5000円客単価、2時間滞在なら、1時間2500円が基準線です。
1時間滞在のお客さんなら、2500円以上落としてくれれば
2時間5000円のお客さんと同じような効果となります。
(長居のお客さんなんら、3時間7500円いただくことになります。
普通の飲食店だと、ここが難しいところ)

3の質問で、「常連さん」をどれくらい作ることが目標かがわかります。
5000円客単価で、1ヶ月の経費が200万円かかるお店なら
「延べ400人」のお客さんが必要です。
毎回、ご新規さんを呼び込むなら、毎月400人のお客さんが必要ですが
毎週1回ご来店のお客さん(常連さん)獲得を目指すのなら
約100人(400人÷月4回)の常連さん獲得が当面の目標です。


客単価と、来店頻度は、微妙に絡み合います。

例えばですが、一般の人が払いやすい@3000円のお店だと
「ついつい」週2回通ってしまう寂しがりやさんもいます。
(いたって普通の人で)
そうすると、3000円×2回=6000円 のお店に週1回通うのと
同じ支払いとなります。
その売上にかかる経費と、お客さんに提供する場所占有の問題もありますので
まったく同じ効果とはいえませんが、この考え方は、けっこう重要です。

「@3000円のお店に週2回通う人と、@6000円のお店に週1回通うのと
どちらが通う人が多そうか?」
基本的にパイ・分母が大きいところを狙った方が、商売はやりやすいです。
(ちなみに、客単価は落とせばいいというわけでもありません。
@1000円×6回は、時間的にまず無理です。)


最後に、

「今働いているお店は儲かってますか?」
「あなたは、今のお店と同じようなお店をやりたいですか?」

この2つの質問で、
最初の3つの質問でイメージされた「基準線」をずらしにかかります。
お店をやってみたい人の「理想」「希望」を落とし込みながら
本当にそれでやってゆけそうかの「現実」「可能性」を探って
オリジナルの基準線とします。

この基準線(と、その周辺の幅)が、「ターゲット」です。
<2008年1月20日発行>

●「ファザード(店構え)は重要です」


みなさんがお店を選ぶときって、どうしています?

○雑誌やネットで気になったところへ行く。
○口コミで聞いて。

この2パターンですと、「事前」にそのお店が目当てとなっている場合です。
「事前」にお店を決めていない場合は、どうでしょう?

○街を歩いて気になったお店に入る。
○街を歩いてチラシをもらった、もしくは勧誘されたお店に入る。

街場の小箱のお店は、営業時間中にチラシをまいたり、
お客さんを勧誘することは、余剰人員が少なく、
またイメージ的なものからも、なかなか難しいのが現状です。

そうなると、「待ち」の姿勢。
釣り糸をたれて、お客さんが入ってくるのを待ちます。
この釣り糸の先に、「どれだけおいしそうな餌」が
付いているのかが重要となります。

「安さ」「おいしさ」「ボリューム」「オリジナル性」「メニューの豊富さ」
「内装のかっこよさ」・・・

いろいろな餌がありますが、
それを、道を歩いている人に「どう表現して」「どう伝わるか?」
が重要です。

まずは、「キャッチ(目に入ること・気になってもらうこと)」
そこに店があることをどれだけ「視認」してもらい、
気を引いてもらえるか?

ライティング効果を使ってもいいですし、大きな看板でも構いません、
目立つオブジェを置いてもいいですし、キャッチコピーで心を掴むこともあります。

そして次は、「情報の伝達」
どんなものがいくらで食べれるのか?
どんなコンセプトのお店か?
どんな内装か?
どんなときに使えそうか?
(カップルのデートには使えそうか? 団体にはどうか? ファミリーは入っても大丈夫か?)
お客さんが気になる情報を、不安を取り除くように伝達します。

そして、不安が薄れたお客さんが
「まっ、ここでもいいか〜」という気持ちになったり、
「ここの、これ、食べてみた〜い!」という気持ちになったりすると、
来店に結びつきます。

この、「まっ、ここでもいいか〜」という気持ちや
「ここの、これ、食べてみた〜い」という気持ちに
させるものは、自分のお店の場合、いったい「何か?」
これを、具体的に、かつ強調してPRすることが必要です。

道を歩きながらお店を探している人は、
他のお店と見比べているケースが多いです。
比較された場合、他よりも魅力を感じてもらわないといけません。

さて、お店をやっている方は、自分のお店のファザード(店構え)、
どんなストーリを描きながら、どんな仕掛けをしているでしょうか?
ファザードをいじるだけで、売上は10%以上違ってくると言い切れます。
長い目で見れば、それ以上の売上効果が出てきます。

ファザード(店構え)は、ローコストの勝手広告です。
一見さんとして来店してくれた人が、気に入って常連さんに
なってくれるかもしれません。
有効活用をしない手はないです。

<2008年3月15発行>

●「最近不景気でね〜」

こんな言葉を、昔から耳にします。
最近もあるオーナーさんに言われたので今回使わせてもらいました。

そして、この言葉は「あまり儲かっていないお店のオーナーさんや店長さん」が、よくいいます。
裏を返せば、儲かっているお店のオーナーや店長は、あまりこの言葉を発しません。

ここ10年、(最近ちょっとだけ景気が回復したかのように見える時期もありましたが)既存飲食店の売上は「前年同月比○%ダウン」という言葉が多いのも事実です。でも、これって「平均」なんです。
仮に、全てのお店が均等に前年同月比5%づつダウンしてた場合、
数年で、全てのお店が潰れてしまうことになります。
つまり、前年同月比20%ダウンしているお店もあれば、
15%アップしているお店もあって、ぜ〜〜んぶをならして、
業界全体で5%ダウンということになります。
必ず、前年同月比アップしているお店だってあるのです。

そしてダウンし続けるお店の場合、
よく、ここに出てきます数字=売上に占めるベーシックな費用構成比で
材料費30%、人件費30%、家賃10%、光熱費消耗その他10%、
償却10%、利益10%と比較してみますと、
前年に比べて全体で売上が10%ダウンしてしまった場合、
ちょっと乱暴な当てはめかもしれませんが、
利益の10%部分が「飛び」ます。

飲食店にかかる費用がすべて変動費で、かつ効率的・フレキシブルな経営ができたら、10%ダウンした売上の中でまたこの費用構成比が形成されるのですが、
下降のスパイラルにはまってゆきますし、お店を開けていれば
必ずかかるお金=固定費だってあります。
人件費も変動費として見られがちですが、最低限配置しておかなくてはならない人員分は固定費ですし、お客さんがいないからといって、電気や冷暖房を消しておいたりするわけにはいきません。厨房の油やお湯、オーブンなども温めている状態では光熱費のある程度も実は固定費みたいなものです。

そして、前年比10%ダウンした翌年、また10%ダウンすると・・・
償却分10%が飛んでゆきます。
場合によっては、初期投資の借入れの返済ができなくなります。

つまり、飲食店は、よっぽど儲かっている現在情況のケースや
かなりのフレキシブルな対応ができる場合(超事業縮小)を除き、
20〜30%売上が下がった時点で、「終わる」ことになります。

今年は、前年比5%ダウン・・・

今はまだいいです。
ただし、カウントダウンは始まっています。
手遅れにならないうちに、何か対策が必要かもしれません。
売上が下がり始めた既存店の場合、
自然と売上が上がるなんてことはまずないでしょうから。
何かのアクションが必要です。

「最近景気が悪いから・・・」

自分を納得させる言い訳をしたり、お客さんが来ないオーナーさん同士が
傷を舐めあってたり、そんなときに妙に安心感ある言葉ですが、
何かやるべきことがあるはずです。
がんばりましょう!

<2008.5.3>

●「お店はいくらで出せるのか?」



「お店はいくらで出せるのか?」

よく聞かれる言葉であり、
多くのみなさんが疑問に思っていることですよね。

一言で片付けてしまうのなら、「ケースバイケース」。
これだと、しらけてしまいますので、今回は分解・分析してゆきます。

お店はいくらで出せるのか? =いくらまでかけるのか?も含めて
4つの計算段階があります。

まずは1つめ。

1、物件取得費用(関東圏、賃貸をベースに説明)

物件を探して借りるとき、
住居と同じように「礼金」「敷金」「手数料」「前家賃」「雑費」
がかかります。
店舗では、「敷金」が「保証金」という言葉に代わります。

礼金は大家さんに払うお金。
通常家賃の1か月分です。大家さんが法人で自社物件だから「礼金はいいや!」
というありがたい場合もあります。

保証金は、大家さんへの「預け金」
滞納やバックレ、万が一に備えて、大家さんが預かっておくお金です。
(「保証金」の詳しい意味・役割を知りたい人は
「ランチは儲からない、飲み放題は儲かる」にて)
通常家賃10ヶ月前後分くらいです。(8〜12ヶ月)

手数料は、物件を仲介してくれた不動産屋さんへ支払います。
通常家賃の1ヶ月分です。

前家賃は、借りた日から日割り計算で、今月分と翌月分を支払います。
ですので、1〜2ヶ月分となります。(平均1.5ヶ月と見ておきます)
前家賃に関しては、スタート後のランニングコスト(運転資金)の前払いとも
見れますが、わかりやすくするために、またキャッシュフローベースで初期に
必要になりますので、ここの初期投資に入れさせていただいてます。

雑費は、火災保険やその他ですので、0.5ヶ月見ていれば大丈夫でしょう。

ということで、上記を合計すると、
1+10+1+1.5+0.5=家賃の14ヶ月分が、第1の費用となります。
家賃が20万円の物件なら、280万円、
家賃が40万円の物件なら、560万円、
かかります。
これは、居ぬきでもスケルトンでも、かかる費用です。

*居ぬき/前のお店の状態での物件 そのままでもすぐ始められる物件
     (造作譲渡料については、後述)
 スケルトン/前のお店が原状回復されて何もない空間になっている物件
       もしくは、今まで事務所使用で何もない空間、
       新築でなにもない空間の物件

つづく
(残り3つの費用を足しあげると、お店を出せる金額となります)

●「先週導いた初期投資1720万円は妥当か?」



前3週間にわたって「お店はいくらで出せるのか?」(初期投資について)を
ご説明してきました。

「20坪30席くらいの広さで都内家賃15,000円/坪のスケルトン」という
仮定ですと、1720万円くらいという算出をしてみました。

では、この金額が妥当なのでしょうか?
「妥当」という表現は、今後、「回収」「償却」できるでしょうか?
とか「借入れをした場合、今後返済可能」でしょうか?という意味となります。
ビジネスモデルとして考えた場合、有効的であろうか否かという意味もあります。

何度も登場する、いたってよくある飲食店
(カフェバーやレストラン、居酒屋)の
費用の多いケースは(売上にしめる割合)は、
材料費=30% 人件費=30% 家賃管理費=10%
光熱費・消耗品・雑費=10% 償却・借入返済=10% 利益=10%
となっています。
もちろん、これを基準に、お店ごと何に力を入れて(費用比率を高めて)、
自店の特徴を出し、その分何の費用比率を下げて、全体のバランスを
とってゆくのかが重要なのですが、いたってベーシックな商売パターンとして
この基準線を引用してみます。

そうすると、「償却・借入返済」の部分が、まさに今回のテーマにあたります。
売上の約10%の部分です。

20坪くらいのお店が、これまた通常のパターンで繁盛店として
2店舗目を検討する売上ラインは、坪20万円の売上ですので
月400万円の売上となります。
逆に、坪10万円の売上を下回ると、かなり効率的なお店でない限り
各種支払いが厳しくなってきます。月200万円の売上ラインです。
つまり、そこそこ商売としてやってゆけて、場合によっては2店舗めも
ゆくゆく考えることが可能なラインは、間の坪15万円ラインとなります。
月300万円の売上です。
これを、今回のモデルケースに利用してみます。

月300万円の売上の10%が、償却・借入返済に回ります。月30万円です。
飲食店の初期投資回収・借入返済は、2〜3年で終了すれば
優秀な店舗といわれています。
通常5年くらいかかるケースも多く、これでも回収できれば優秀です。
最近はお客さん側の「飽き」「目移り」も激しいので、
特徴がないお店だと5年も持たない場合の方が多いです。
オープン当初にミスが多く、近隣のお客さんから、そっぽをむかれてしまった
お店は、2年も持ちません。
マイペースな運営を望み、償却に重きをおいていないお店で、8年くらいです。

月30万円の償却・借入返済にあてる原資があった場合、
1年=12ヶ月で、360万円、
3年で1080万円、5年で1800万円。

今回のモデルケースですと、1720万円の初期投資ですので
約5年で回収となります。

さて、この5年で回収という期間は、いかがでしょう?
正式な「ビジネス」として多店舗展開まで視野に入れた場合は、
気持ち長いような気もします。
この償却期間をもうちょっと短くして、3年に近づけるためには
初期投資をもう少し下げてゆくか?
(居抜きのような初期投資を抑えられる物件を探すか、
内装費を抑えられるような業者さんを探すか、
内装のグレードを下げるか、何かしらの対策が必要です。)

もしくは、売上を坪15万円でなく、
坪20万円くらいになるような繁盛店を前提とするか?
(まあ、みなさんこれを目指したいところなんでしょうが・・・)

素直に、前3週で算出した1720万円以上の初期投資をかけると、
「いったいいつ回収できるの?」
「返済は大丈夫?」といった情況になります。

時々、素人さんの開業希望者が、
「こんなにもお金をかけたお店ができますよ〜」というPRを
ネットの中で行っているケースを見ることがあります。
趣味としての飲食店であったり、他に何か目的を持った飲食店なら
それもありかもしれません。
そうでなければ、先々をまったく考えない、いきあたりばったりのお店に
なりますので、先々、そこで働くスタッフや、お客さんが不幸になります。

初期投資のバランス・効率性は、後で後悔しても遅いのです。
最初から、数字的なバランスを意識することが
オープン後、無理なく運営してゆくポイントです。

<2008・8・2>


●「飲食店の厨房で難しいことは?」


飲食店の厨房って、何が難しいと思いますか?

僕が考えるに「トゥー・オーダー」でこなすことが難しいと思っています。
(その場で注文が入って、そこから作り出すこと)

ホームパーティーは、「何時に何人が何を食べる」が決まっていますので
料理の「準備」が楽です。
料理に時間がかかる人なら、早めに仕込めば/準備すればいいと思います。
味付けも納得するまで時間がかけれます。

ところが、飲食店のトゥー・オーダーは、
お客さんが何をどれだけ選ぶかわかりません。
いつお客さんが入ってくるかもわかりません。
ある程度の仕込をしておいても
お客さんの注文が入ってから作り出す/最後の決め(味付けや火の通し)をする、
盛り付けるので、同タイミングのオーダーが大量に入るとやはり焦ります。
ちょっとしたグループ8名くらいが入ってきて、
1人2皿づつオーダーしても計16皿。
1皿5分で作ったとしても、80分=1時間20分かかります。
もちろん、順番に作るわけではなく並行作業をするので
慣れればここまで時間はかかりませんが、
「揚げ・焼き・茹で」等、効率的に並行作業をしないと
お客さんにフラストレーションが溜まるほど待たせてしまいますので、
メニューにも調理法が違うメニューをちりばめるような配慮が
必要になってきます。
もしくは単一調理法にとことん集中して、
対応設備を最初から重点的に導入・配置するのも1つの手です。

ホームパーティー好き・得意な人が、自分でも飲食店の厨房ができると
思っている人がいますが(僕も10年前そうでした)、
こういう人が開業して、ぶちあたる厨房/料理の壁でもあります。
「手際」には、「慣れ」も必要です。
慣れていないと、焦って味付けが中途半端であったり、
よく火が通っていない生焼けの状態で料理を出してしまったり、
油使いが下手で、からっと揚がらず、ベタベタなものを提供してしまったり、
ひたすらお客さんを待たせてしまったり・・・
お客さんを失う、最悪の事態を招くことになります。

裏を返せば、この部分をクリアできれば、対応策を立てれれば
「素人さん」でも飲食店の厨房をこなすことができます。

そう、「トゥー・オーダー」を極力減らすのです。

「おまかせ」「コース」を中心にする。
「ビュッフェ・バイキング・食べ放題」を検討する。
「単一メニュー」に絞って、オーダー=すでに仕込んであるものにする。
やりかたはいろいろあります。

あとは、ロス対策と、料理担当者を早く帰してあげる/時間短縮にまで
対応が回れば完璧です。

よく、「カフェ」や「バー」のように、料理をあまり提供しないお店なら
自分でもできそうかな〜 と思っている開業希望者もいますが、
今のご時世、「食」のないお店が苦戦しています。

ちょっと残業すると、会社帰りの飲み始めは20時前後。
おなかがすいてます。
他で食べてきてもらったあとに、二次会用のお店として
自分のお店を使ってもらおうとおもっても、一次会のお店を出る頃には
20時+2時間=22時。
2件目に流れたとしても、移動もあれば滞在時間は1時間強。
これではたいした客単をとれません。
お客さんも移動が面倒なので、1件目に3時間滞在して
20時+3時間=23時で家に帰るパターンが主流です。
終電あとまで飲んで、タクシーで帰る人たちもめっきり減りました。

そうなると、「食」も絡めて1次会から「も」使えるお店の方が
ニーズがありますし、1次会の時間帯も有効活用できます。
(2次会用のお店は、夜の早い時間帯がどうしてもヒマになります)

飲食店での調理経験のない/トゥー・オーダーに慣れていない
開業希望者にとっては、この「かわし方」の検討が必要です。
避けるよりは、前向きに検討した方がいいと思います。
かわすといっても、手を抜くわけではありません。
あくまで、お客さんにおニーズを満たして、満足してもらうことが前提です。


気付けば、1年近くこの掲示板を放置してました。
その間、本文(メルマガ)は、休まず書いてます。
久々、書き込みます。



●中古設備はお得か?

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Q、飲食店を開きたいと思います。お金もあまりないので、厨房設備は
中古を利用しようと思っていますが、お得ですよね?
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厨房に設置されている設備は、通常7〜10年で償却と見られています。
新品を設置すると、通常1年はアフターサービスの保証がつき、
その後は、1設備あたり年間3〜4万円の支払いで、
アフターサービスの延長のようなサービスが受けられます(保守契約)。
故障時の出張費(人件費)、部品交換等、無料となります。
ところが7年くらい経ちますと、この保守契約の内容も変わってきます。
出張費(人件費)は無料のままですが、
部品交換等の実費がかかるようになります。
つまり、メーカー側で、7年以降は「壊れやすい」とみなしているからです。

ただし、「使い方」でもだいぶ違ってきます。
乱暴に使ったり、お店が繁盛して設備を毎日フル活動させたりすると
寿命は短くなりますし、その逆なら寿命は延びます。
あくまでも平均的な利用で、7〜10年が寿命の入り口です。
(入り口ですから、一応これ以上はもつはずです。)

うちのお店も、10年目あたりで、製氷機のモーターが壊れました。
途中から保守契約をやめていましたので、
出張費(人件費)や部品代で、6〜7万円かかりました。
洗浄器の内部センサーもボチボチ寿命のようです。
取り替えると、3〜4万円。
4面冷凍冷蔵庫は、がんばってくれています。

一例として製氷機を保守契約していると、
契約料が年間35,000円と見た場合、2年(に1回壊れたとして)7万円。
出張・人件費を除く壊れた部品代が1回あたり約5万円とすると、
2年に1回ペースで何か壊れたとしても12万円(7+5万円)以下なら
保守契約をしていない方がお得です。
(今回のモーター交換7万円近くの支払いも、妥当とみなせます)
ただし、設備が壊れると、日常業務にも影響します。
売上を得られない日が出てくることもあります。
忙しいお店では、2年1回の故障どころではありません。
(冷凍冷蔵庫・コールドテーブルは壊れにくいですが、
洗浄器や製氷機等、水絡みのものは壊れやすいです。)
設備が壊れやすい環境だと、スタッフのモチベーションも落ちます。
保守契約に入るかどうかは、お店ごとの判断になると思います。
(それなりに忙しいお店の場合は、保守に入っておくことをオススメします)

さて、ここまで説明してきましたので、なんとなく今回の質問の
答えも見えてきたでしょう。
「中古」(や「居抜」の設備)が、どの程度のものか?
しだいで「お得」「安いか」が決まります。
中古を買って、最初のうちはよかったけど、途中から壊れやすくなったら
業者さんを呼んで修理するメンテナンスコストもかかります。
新品で20万円のものを、中古で10万円で買ったはいいのですが、
5年使って壊れてしまったら、また買わなくてはなりません。
もし修理ではなく、設備自体を取り替えるとなった場合、
家庭用の設備と違って「撤去」と「設置」に工事がかかります。
この労力・日数・費用も考えたほうがいいと思います。

また「経済性」ということも考えられます。
厨房設備も新型が出てきて年々性能がアップしています。
電気代で考えても、4面冷蔵庫1台で、
月1万円の違いがでてくる場合もあります。
(最近は電気代測定器がハンズとかでも売っています。
これを冷蔵庫に取り付けると、設備1台あたりの電気代が計算できます。)
年間で12万円の違いです。
新品20万円、中古で10万円ということで得した気分でも、
今後の電気代を考えると、1年以内に逆転します。

これらトータルコストを考えると、「中古」が安い!
とは、言い切れないものです。

●「飲み放題でいっぱい飲んだら、店員は不機嫌になるのか?」
 <2010/3/27発行>

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Q、「先日、居酒屋で飲み放題ということでいっぱい飲んでいたら、
スタッフの対応・機嫌がどんどん悪くなっていくような気がしました。
飲み放題でいっぱい頼んだら不機嫌になるものなのでしょうか?」
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「飲み放題でいっぱい飲んだら、店員は不機嫌になるのか?」

実際に雑誌アエラの企画で先日試してみました。
ロックオンされてしまったお店は、新宿西口はずれの居酒屋さん。
19:00〜21:00の2時間勝負です。

メンバーは、予選(?笑)をクリアした5名と
僕とアエラの編集者、精鋭部隊です。
みんないっぱい飲んでも楽しく酔っ払うメンバーです。
ちなみに予選のボーダーラインは、生ビール10杯以上飲んでも
「乱れないこと」。
10杯以上飲める人はそれなりにいるのですが、
周りに迷惑をかけないで楽しく飲み続けられる人って、あまりいません。
たいがいは、8杯越えたあたりから、大声になったり、絡んだり、寝たり、
戻したり・・・・・・
周りがたいへんです。お酒はみんな楽しく飲めるのが1番!

実際終わってみて、まずは編集さん以外全員10杯以上のK点クリア!!
おめでとう!(10〜15杯)

でも今回の店の1杯のボリュームは、通常の「×0.8」くらいだったように
思えました。
ビールのジョッキも通常の中生ジョッキが約420ccのところ、
350ccタンブラーを使っていましたし、ワイン・日本酒・焼酎も
ボリュームが控えめでした。
飲み干した後のグラス交換が求められる飲み放題ですから、
1杯あたりのボリュームを増やした方が、
店側としてオペレーションが楽なはずなのですが。

ということで、通常サイズで10杯以上飲める人たちの集まりですから、
10〜15杯では、誰も脱落せずにとても楽しく飲めました。

そして、今回のお題、店員さんの態度は・・・・・・

ホールスタッフが原価のことを考えて不機嫌になることは
ないだろうな〜と思っていましたが、まさにそんな感じで、
「すいませ〜ん!」の回数がやたら多いグループだから
「面倒くせ〜」という感じで、目を合わさない、笑顔が消える・・・・・・笑
全部で70杯以上作っているわけですから、確かに面倒なお客さんです。
飲み放題メニュー全てが「注ぐだけ」だったのが、うまく考えられていました。
ビールもワインも日本酒も焼酎もその他も、グラスに「注ぐだけ」です。
これなら1杯30秒以内に作ることができます。

あと気が付いたことであり、不満でもあることは「料理が少ない!」
自分たちのグループは、飲み始めたらあまり食べないのですが、

1、鮫の軟骨の梅和え
2、枝豆
3、ポテトフライ
4、サラダ
5、鶏のタタキ
6、唐揚げ
7、串

が4人に1皿出てきましたが、
このサイズと内容から自分として売値を付けると

1、350円
2、350円
3、600円
4、600円
5、650円
6、750円
7、1200円
合計、4500円。

今回の飲み代4000円料金の内訳は、料理2500円・飲み放題1500円が
目安と言われていたので、4人で1台だと料理は1万円予算のはず。
なのに売値4500円クラス。
原価率で言えば、4500円×30%÷10,000円=約13.5%!!
やっぱり居酒屋の飲み放題に付随するコース料理が
「儲けのカラクリ」になっているということで、話は落ち着きました。
でも、利用者の満足度が低いと「次の来店」がありません。
「次の来店」がないお店は、きっと長くは続かないことでしょう。

もしお店1軒がやってゆけるだけの新規客をいつも得られる広告が
あったら、潰れるお店はなくなります。

どんな業界も、その日の売上も大事ですが、長い目で見た売上も
考えられないようでは短命に終わることでしょう。
今回は、とっても楽しい企画でした。アエラさんありがとう!
記事は、4月のどこかで発売されるアエラに載るようです。
●「<ほんもの>と<わかりやすい>」

飲食を含めて商売をしていますと、
最近の流行や、どうしたらうまくいくとか、何がキーワードか、
聞かれることがけっこうあります。

いくつかあるキーワードの中で、
<ほんもの>と<わかりやすい>は
どの業界にも通じる、重要なことだと思います。

飲食において言えば、流行っているお店には何か<ほんもの>があります。
食材がほんもの、調理レベルがほんもの、サービスがほんもの、
内装(箱)がほんもの、複合型のケースもありますが、
下手にあれもこれもとなりますと、
まさに「高級」となってしまい(コスト高のお店になってしまうため)、
最近の「安いのに」うまい、「安いのに」サービスがいい、
「安いのに」雰囲気がいいのような
意外性のあるお店が流行る傾向に逆行してしまいます。
まさに「高くておいしいは当たり前」のパターンです。
ですのでお店の特徴を出そうと思ったら、
その他に費やす時間やお金を1つだけに集中したほうが
よりお店のカラーを出せ、お客さんの記憶に残るお店となります。
自分のお店の中に<ほんもの>はあるか?
何が<ほんもの>か?
多くのお店が乱立する世の中、これが「前提」になってきたような気がします。
<ほんもの>以外は、売り方や流行で一時売ることができても
長続きしません。最近は、受け手も賢くなっていますし、
ネット等伝達手段も進んでいますので、ほんものでないものは
短命におわります。

次のキーワード<わかりやすい>

僕がクライアントさんとお話しするとき意識するのが
「わかりやすいか否か」
このメルマガや自分が書いている本もそうですが、
自分の頭の中で考えていることは、自分が考えているので
どうしても自分主体となります。
でも、サービスの提供を受けたり、記事を読むのは
お客さんや読者で、自分ではない人です。
広告を打つときも、この広告を打って受け手は分かりやすいか?
分かりやすければイメージが沸き、興味を示してくれるはず。
分かりにくいところは「不安」にもなるし、「面倒」にもなる。
そしたら来ない、打っても響かない。
サービス券1つについても、利用条件を付ければ付けるほど
分かりにくくなり、だったらいいや〜で敬遠されてしまう。

お店も、寿司屋は寿司屋、焼肉屋は焼肉屋、
売っている商品はこれ!と分かりやすいからお店に入りやすい。
分かりやすいから、人に伝えやすい。だから口コミになりやすい。
外に出しているメニューも分かりやすいと、入店しやすい。
外に提示されているメニューが分かりにくければ敬遠される。
せっかく作ったセットメニューもシンプルだと伝わりやすいく
「まっ、これでいいか〜」と選ばれる。

何か戦略を立てるとき、そのストーリーが分かりやすいから
みんながそれに沿って動きやすい。
旗振り役の経営者の考えや言っていることが
分かりにくければ、上の考えは下に浸透しにくく、対処に困ってしまう。

どうしても「あれこれ」考えて、ケースバイケースを考えると
いろいろ付け加えたくなってしまうものですが、
これって「わかりやすいか?」は重要な考え方だと思います。

<ほんもの><わかりやすい>、言われれば当たり前の
いまさらのことですが、多くの打ち合わせをしていて
意外に忘れられている、とっても大事な土台の部分だと思います。
「前提」として1回当てはめてみてください。
●<二極化 〜安いお店か「どうせいくなら」「せっかくなら」のお店>
                   〜2010/11/28メルマガコラム〜

ここ何回かにわたって、
飲食における(ユーザーとしてもお店としても)注目サイトに
触れてきました。
それらのサイトは、通常の半額くらいで飲食ができるフラッシュ広告や、
時間帯割引、利用者へのキックバック等、
ユーザーに「割引」「お得」を訴えるサイトであることが多いと思います。
少し前は、ぐるなびやホットペッパーのような、
割引クーポンという存在がありましたが、
それらは10%オフや、1杯無料程度の割引が多く、
20%オフ以上にすると注目されましたが、
ここにきて、30%〜70%オフのようなとんでもない割引率に
なってきています。
(もちろん、誰でも無尽蔵に割引ではなく、
事前に人数・組数を限定してのことですが。)

また、街の中を歩けば、270円均一・250円均一、
15分375円で食べ飲み放題・・・
安さをPRする看板が乱立しています。

今はデフレの世の中ですから、「根底」には安さのニーズが存在しています。
安いに越したことありません。
でも、みなさんは毎回毎回、安いをテーマにお店を選んでいますか?
普段、安さに目が行くようになると、逆に何かのときには
「せっかくだから」「どうせなら」と、
お店選びを意識するようになっていませんか?
安いお店に行くようになると、
なじみのお店や気にいったお店で最近行っていない
ところに、「たまには顔を出そうかな〜」となったりしませんか?
また、新規で「いい店を見つけたいな〜」と思ったりしませんか?
最近注目のサイトの中でも「食べログ」は
これらの「はずしたくない」人ニーズがあるために利用されています。

裏を返せば、今後生き残るお店は、まさに2つのタイプしかありません。
「安い」か「せっかくだから」のお店か?
せっかくというのは、「料理」か「内装」か「人(サービス含)」か?
内装は、すぐ真似されますし、
そこそこのレベルでは他店との差別化になりません。
(やるならテーマレストランレベルまで、こだわらないと)

やっぱり、料理か人か。
「人の力」っておもしろいものです。
同じ料理が出て食べたとき、ただ出されて黙々と食べるのと、
なじみの店で、「この料理はね〜」って話しかけられてから食べ、
食べ終わって、ちょっとした会話をお店の人としてから
帰るのでは、料理への評価・お店への評価さえも変わってしまいます。
なじみの店でなく、初めて入ったお店ても同じです。
お店とちょっとしたコミュニケーションが生まれると、
普通の感性の人なら「なんかいい店」になってしまうのです。
(一定水準の料理なら)

そして人と料理について1つのキーワードが出てきます。
「バリュー感」
「安い」と「せっかくだから」の両方にかかってくるのですが、
お客さんはバリュー感を意識します。
同じ料理(味・ボリューム的に1000円レベル)なら、
2000円の売値なら高いと思うし
500円なら、安いと思います。当たり前といえば当たり前です。
1000円レベルと認められているのに500円なら、とてもお得に感じます。
隣に350円レベルのものを350円で売るお店があっても、
500円のものが選ばれるようになります。
「安くなくて安い」状態です。

同じ料理(味・ボリューム的に1000円レベル)で、
1000円で、「食べるだけのお店」では普通のお店ですが、
お店とコミュニケーションがあると、付加価値がつきます。
「せっかくだから」そういうお店に行きたいとなります。

お店として安さだけにとらわれると、
お客さんに飽きられるお店となってゆくと思います。
安さを追求するとメニューの幅もなければ、
使える食材を限られる、手間隙だってかけれない。
お店としてのコンセプトや損益分岐点は重要ですが、
そこから脱線しない範囲で、お客さんが何を求めているのか
ちゃんと把握しないと(把握している「つもり」ではなく)
「安さ」でもなく「せっかくだから」でもない店となり、
生き残ることは難しいことでしょう。




●実は消えてゆくお客さん
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飲食店は、長くやっていると常連さんができて、
それが土台となり、どんどん積み重なり、繁盛してゆくものと
思っている人が多いと思います。
お店があまり知られていない最初だけ乗り切れれば、
集客はだんだん楽になってゆくと思われています。


・・・間違いです。


もちろん、そういった「流れ」を作ることができて
繁盛しているお店もあります。
でも稀です。


飲食店は、オープン直後、通常なら知り合いや近隣の人が
来店してくれるので、活気があります。
オープン景気が一巡すると、「落ち着き」ます。
うまくゆけば、お店を気に入ってくれたお客さんが
常連さん・リピーターとして何回も使ってくれるようになります。
ただし、「ずっと」というわけではありません。
うちのお店も10年以上使い続けてくれているお客さんもいますし
通勤ルートに乗っていないのにわざわざ毎週のように
来てくれる人もいますが、
「通常のケース」は、回数が減ったり、いなくなったりします。
もちろん、お店が何か悪いことをしていない場合でもです。

この率、正確な統計値は出ていませんが、
10%〜20%自然減と言われています。
お客さんに不満がなくてもです。
つまり、年間10〜20%以上の新規のお客さんや、口コミ、紹介が
ないと、お客さんの数=売上げはどんどん減ってくるわけです。

お客さんが自然減する三大理由は
「結婚」「転勤・転職」「引越し」
みなさんも思い当たるふしはありませんか?
やはり「生活環境」と「利便性」に左右されます。
もちろん、オールオアナッシングではありません。
毎週のように通っていたお店でも、
結婚したら、引越・転勤して家と会社のルートから
大きくはずれてしまったら
年間数回でもお店に顔を出してくれれば、
お店のことを気にかけてくれている、
とてもいいお客さんになると思います。

うちのお店では、かれこれ10年以上、
毎年「年間来店ランキング」を発表しています。
(遊びで始めたら、ウケて辞めれません・・・笑)
去年のランキング表を見ながら、
この上位50人の来店回数(来店頻度)は、
今年も維持してもらえるだろうか?
なんて、いやらしいことを考えたりもします。
でも、50人の中で、あきらかに来店頻度が減るであろう人が、
今回15人くらいいます。
まさに、結婚・転勤・引越を中心に、
あとは昨年、異常に「来すぎていた人」が該当者です。
去年までお店近所のスタジオを利用した帰りに使ってくれていた団体さんも
スタジオの引越しとなり、今年は利用頻度が、ぐんと減ってしまいます。
ランキング表をみながら、「このままだと30%ダウン」?
と不安にもなります。

もちろん、事実と予想される結果を
ただ受け入れるだけではお店はなくなってしまいます。
「長くやっているから安泰」なんてことはありません。
崩れるときは案外脆いもの。
毎年毎年が勝負です。


●テーマ・「大地震後、東京近郊飲食店の1週間」
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<2011.3.19>

大地震後のこの1週間、
東京近郊飲食業界はどんな感じだったのか、振り返ってみます。

まずは、最初の段階にあたる地震当日金曜日〜火曜日の5日間。
交通機関の麻痺と福島原発の危機感、初の計画停電という事態への
対応見極めで、多くの人はまっすぐ家に帰りました。
飲食店というか、夜は街から人が消えました。

そして、風向きが変わってきたのが、6日めの「水曜日」。
交通機関が通常に戻ったり、運行本数を減らしている現状になれたり、
福島原発の現状を把握したり、計画停電を経験して対応の仕方を
覚えてきたり、気分的・精神的なものでストレスを覚えたりして
夜、外食・飲みに行く人が出始めました。

そうはいっても、お店によって閑古鳥のところもいっぱいありました。
お客さんがお店に来る理由としては、

○常連さんが行きつけのお店を気遣って
○1人暮らしは家で1人でいるより、みんなでいたほうが安心感があるから
○ちゃんした食事がとりたいから (買占めの影響もあり、自炊にも制限が)
○他に開いてるお店が少ないから
○非常時における窮屈な毎日からの気分転換が欲しいから
○家に帰っても計画停電でそのエリアでは食事がとれないから

でしたので、これらを満たすお店にお客さんが戻りはじめました。
これらの理由・動機を満たせないお店は依然ヒマでした。

水曜日あたりから、明るい兆しが見え始めたはずなのですが、
木曜日(7日め)、東京電力による、寒さのため夕方からの電力消費量増加に
ともなう大規模停電の恐れが発表され、
交通機関へ運行本数減少協力の要請となり、
帰宅難民回避のために企業が従業員に一斉帰宅を促したために
また街から人が消えました。
そうはいっても、一斉帰宅だったので交通機関に人が溢れ、
そのパニックや回避のために時間ずらしのため
お店を利用する人達もいました。
もちろん上記の理由で来店する人もいました。
「慣れる」ということにより、人は各自の対応の仕方を覚えるようです。

そして、金曜日と土曜日、いまだいろいろな問題を抱えている世の中ですが
各人が様々な思いで、行動をとっています。中には「日常」を意識し、
「こんなときだからこそ!」と、
あえて街や店に繰り出す人達も出てきています。
週末、そんな動きが飲食店達の予約状況や
来店の動きを見ていて読み取れます。
個人的見解ですが、このまま何も起きなければ、
来週あたりから、物資も流れ、今の生活にも慣れ、
ちょっとづつかもしれませんが、
震災前の日常に近づいてゆくことを実感できるようになると思ってます。

特に固定費が大きいお店にとって厳しい状況が
続くでしょうが、飲食店のみなさん、がんばりましょう!
<2011・6・4 メルマガコラムがより>


●テーマ・「アイドルと同じ飲食店」


アイドルと飲食店、一見、共通点がなさそうなこの2つ。
でも、よく観察していると、かなり似ている面がいっぱいあります。

お店がオープンすると、知り合い、近所、マスコミ、
各種方面で話題になり、露出が高まります。
アイドルもデビューのときは、いろいろな媒体で目にします。
特にマスコミは「新鮮」「目新しさ」が重要です。
デビュー・開店当時は有名になった気になったり、はやっているようにも思えます。

すこし経つと、露出の一巡が終わり、
ファンが付いた場合、お店では再来店や紹介が始まります。
アイドルも、TVや雑誌からお呼びがかかります。
「お試し」が終わった状況です。

その後、ブレイクするお店やアイドルはブレイクします。
お店なら、さらにいろいろな雑誌やTVで取り上げられ、
2店舗目、3店舗目、多店舗展開が始まります。

そして、本物は、いたって日常として生き残るものは生き残り、
一過性のものとして消えるものは消えてゆきます。
アイドルは歌姫やベテラン女優に成長してゆきます。
お店も老舗や名店と呼ばれるようになります。

ただし、どちらもほんの一握り・・・

10年生き残っている芸能人(アイドル)はどのくらいいるでしょうか?
TVで見るのは生き残った有名人ばかり、多くは消えたことすら気づかれません。
10年前に一斉を風靡した飲食店で、生き残っているところは
どれくらいあるでしょうか?

またファンの特性として、「流行るまで」「有名になるまで」、
ひたすらがんばって応援します。
有名になってしまうと、急に冷めてしまうファンも少なくありません。
みなさんも、売れる前のアイドルと、売れてしまったアイドルでは、
応援の仕方が変わってしまったことってありませんか?
今はやりのAKB48の総選挙も似たような現象が起きるときがあります。
「あまり有名な子でないから」「自分ががんばらなくては」
と思うファンを抱えていると、「なぜこの子が?」って思う子が生き残ってたり
人気上位に入ってくるときもあります。
逆に、売れてしまった子に対しては、親近感が以前より薄れたり
遠い存在になって妙に客観的になってしまったりして、
コアなファンが離れてゆく減少も起きたりします。
(AKB48で例えるなら、人気投票/選挙の順位入れ替え、番狂わせ)

飲食店も同じ現象が起きたりします。
お客さんが「自分が応援してやらなければ」「自分だけが知っている」、
こういう状況のとき、コアなファンができ、売り上げが伸びたりします。
繁盛して2店舗目・・・、多店舗展開してしまうと、
「ありきたりの店」「自分が応援する必要のない店」になってしまい、
成長がストップしてしまうケースもあります。

最初から、はやっているお店(会社)を作って売りぬく戦略ならいいのですが
そうでなければ、はやりの後に、いかにソフトランディング、
消費者の日常に溶け込ませることができるか?、
普遍的ニーズのあるものを商材として取り扱うか?
いつまでもファンに守ってもらえるお店とは?を意識し続けることが
重要となってきます。

アイドルやCDに見られるように、最近の消費者は
「飽き」も早いです。よく言えば「好奇心旺盛」ですが、
悪く言えば「飽きっぽい」。新しいものが大好きです。
1つのものを大事にすることに憧れますが、実際に行動に現れる人は少ないです。

でも、嘆いていても仕方ない。
お店や会社の「今後のシナリオ、ストーリー」を絶えず描きながら、
体現してゆくことが大切です。
久しぶりに、雑学っぽく。
最近mixi出現率は減りましたが、メルマガとアメブロは
ず〜〜っと、続けています。

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●「異性との飲みは店選びが大事、
      自分がモテる店ってあるんです」

お店のホールスタッフの気遣いとして大事なことが3つあります。
それは「光と音と温度」

音(音楽)は、大きすぎて会話を邪魔してはいけません、
小さすぎて会話が筒抜けで、とおり過ぎてもいけません。
お客さんの人数によって、そのボリューム感が変わったりもします。

温度はもっとも難しい。
多くのお店のエアコンの風向きは均一ではありません。
直風が当たるところは、寒い・暑いに敏感です。
一般のオフィスの空間と同じです。
さらに人によっても体感温度は違うので、やっかいです。
店内の温度をあげたり下げたり、
お客さんのしぐさを見ながら対応します。

そして、今回の本題。
「自分がモテるお店」それは、
お客さんが綺麗に見えるような光・ライティングを意識しているお店。
(ただし、相手も綺麗に見えて騙されてしまうかもしれませんが・・・笑)
店内の光は、明るすぎてもいけません、
特に女性に嫌われてしまいがちです。
プリクラみたいに「すべてを飛ばすほど」の明るさなら
また違ってくるかもしれませんが(それはそれで落ち着かいな空間・・・)
中途半端に明るい光は、顔の凹凸を目立たせ、しわやしみを目立たせ、
お酒が入った赤い顔が目立ち、あまりデートや合コンには向きません。

みなさんも、経験ありませんか?
振り返ってみると、あの店でデートしたときの成功率は高いな〜、
逆にあの店でデートすると、その後にあまりうまくいかないんだよな〜って。
きっと、成功率が高いのは、ほどよい照明で自分を綺麗に見せることが
できているからです。
だから、間接照明のお店が多いのです(雰囲気自体もいいですし)。

ということで、お店のみなさん!
自分のお店の調光で、お客さんが綺麗に見えるような照明、明るさを
探してみてください。
うまくいった記憶は、お客さんお記憶に勝手に刷りこまれ、
「次回も」使ってくれることでしょう。
ほんとですよ・・・笑
>>[52]


<公認>開業希望者のひとりごとや質問
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comment_count=5&comm_id=55980&id=74816417
でお願いします。
2年ぶりにこの掲示板を活用させていただきます。

2016年6月より「ビジネスジャーナル」にて
飲食絡みの記事の連載/執筆が始まりました。
文字数や編集からの依頼事項も入り、完璧とは言えませんが
何かの参考になれば幸いです。

「あなたでも出せる!激安居酒屋のからくり」
(みたいな内容です)
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15564.html




ビジネスジャーナル連載アップされました。

「セルフ式日本酒飲み放題の店は儲かるのか?」

http://biz-journal.jp/2016/08/post_16377.html

興味ある方はぜひ読んでみてください。

ビジネスジャーナル10月号の連載がアップされました!

今月は、「食べログ、運営側が点数操作疑惑を否定…なぜ「公平さ」への疑問広がる?点数動いた理由」です。興味ある方、ぜひ読んでみてください。
*事件から1か月、いろいろヒアリングや調査してまとめてみました。

http://biz-journal.jp/2016/10/post_16875.html

ビジネスジャーナル12月の連載アップされました。よろしくお願いします。

「名幹事になるには?〜幹事とお店との関係〜」

http://biz-journal.jp/2016/12/post_17354.html

今回の事件について書かせていただきました。
飲食店で言えばオープンしたての不慣れな時期や、
満席になりそうなことが予測できる日に広告しすぎて
やらかしてしまった感がありますね。
現場は焦燥感に包まれていたことでしょう。

http://biz-journal.jp/2016/12/post_17623.html


新年最初の連載アップされました。

「街中のすぐ潰れる飲食店の謎」

飲食店は、ほんのちょっとの差で天国にも地獄にも。

http://biz-journal.jp/2017/01/post_17647.html


本日、連載3月分アップされました。
ご興味ある方は読んでいただければ幸いです
(時々「共同経営」についての相談が入るもので・・・
もちろん、成功しているところもありますが)。

「共同経営はなぜ失敗するのか?」
http://biz-journal.jp/2017/02/post_18157.html
4月の連載がアップされました。
鰻が好きな方は、ぜひ読んでみてください。

「うまい鰻は、なぜ焦げていないのか?」
http://biz-journal.jp/2017/04/post_18731.html


ビジネスジャーナル連載5月分がアップされました。

「飲食店オーナーはいくら儲かっているのか?」

http://biz-journal.jp/2017/05/post_19156.html


ビジネスジャーナル連載6月分がアップされました。

「飲食店はどれくらいで軌道に乗るものなのか?」

http://biz-journal.jp/2017/06/post_19557.html


びじねすジャーナル連載8月号アップされました。

移動販売に興味ある方、いかがでしょう。キッチンカーのメリットや相場がまとめられています。

http://biz-journal.jp/2017/08/post_20038.html

(もちろん、儲かるか儲からないかは商売しだい・・・w)

久々コラムを書いてみました。<アルバイトの時給相場が急上昇中!現在の相場は・・・ でもケチりすぎてはいけないのが人件費>
http://tokyomikiclub.meroom.com/?eid=1319

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