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かこむを囲む会コミュの【 三銃士 】 〜 第六章 冷雨 〜

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 「第五章 仲間」より
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翌朝、オーイスとマツウラトスとイマムリオンの3人は城の前に居た。
外は昨夜までの天気が嘘のように朝から雨が激しく降っていた。

『オーイス大丈夫か?』
さすがのイマムリオンも心配そうに最後の確認をする。
『ああ、大丈夫。この雨が裏と出るか表と出るかは俺にもわかんねぇけどよ、上手くやるさ・・・。』
オーイスは笑って見せたが、緊張は隠しきれないようだった。

『おい、取ってきたぞ。』
マツウラトスが城の兵士の鎧や服を抱えてやってきた。
『まさか、殺したのか?』
オーイスが恐る恐る尋ねる。
『まさか。でもちょっとだけこの天然のシャワーを浴びてもらってるがな。』
マツウラトスは岩陰に目線をちらりとやった。そこにはパンツ一枚になった男が雨にうたれながら気絶して縛られていた。

『さぁ、早く着替えろ。』
イマムリオンは辺りを見回しながらオーイスを急がせた。


『ここから城に入れる。』
城の裏の低くなっていた塀をイマムリオンは指差した。
マツウラトスの組んだ手にオーイスは足をかけた。
『いくぞ?』
マツウラトスが呟く。
『おし!』
オーイスが応える。
『成功を祈る・・・!』
イマムリオンの言葉と同時に、マツウラトスはオーイスの足がかかった腕を思い切り上に振り上げた。
オーイスは勢いよく塀の上に降り、2人を見下ろすとグッと親指を立てて挨拶すると、そのまま塀の向こうへ消えていった。

『まぁ、奴なら上手くやるさ・・・』
『ああ。』
2人は消えた塀をしばらく見つめていた。



『さすが立派な城だこと。』
オーイスは場内へ入る術を探していた。
『お前、そこで何してるんだ?』
そこへいきなり兵士に呼び止められた。ヤバイと思いながら振り向くオーイス。
『見慣れない顔だな・・・?』
兵士はオーイスを見つめた。
『へ、へい。私は今日から入った新人でして・・・まだ慣れない城に迷ってしまいまして。』
オーイスはへこへこと兵士に頭を下げた。
『そうか、新人か。だが、この辺はコンドリーザ様の庭だ。あまりウロウロしていると我々と言えど気づいたら首が無くなっててもおかしくないぞ。』
オーイスは背中に寒気が走ったのを感じた。
『おい新人、付いて来い。兵舎まで連れてってやるよ。』
兵士はそう言うと背を向けて歩きだした。
オーイスは好都合とばかりに兵士の後を追った。

兵舎は場内を通り裏庭へ向かう先にあり、オーイスは城内へすぐに入ることが出来た。

城内の廊下を兵士に続いて通っていた時の事だった。
同じ廊下を逆方向から歩いてくる一人の男。
兵士はそれに気づくと慌てるように道を明け静止する。
オーイスは一瞬戸惑ったが同じように兵士にならび静止した。

男はオーイスたちの前を通り過ぎようとした際、ぴたりと足を止めオーイスを横目で見つめた。
『お前、見たことない顔だな。』
男は横目でオーイスを見ながら呟いた。
『この者は新人でありまして、これより兵舎へ連れて行くところであります!!』
兵士がきびきびとした声で応えた。
『・・・・・・』
男は黙ってそのまま横目でオーイスを見つめると『そうか』と一言呟きそのまま去っていった。

『あの塔みたいな人は・・・』
オーイスがそういうのも無理はなかった。その男の身長はかなり高く目の前にすると相当の威圧感を感じるほどであった。
『ハーラモ隊長殿さ。最強の兵士と言われるお方さ。戦場では傷一つ付けられた事ないという噂だ。』
兵士はまた歩き出しながら続けた。
『そんなに強いのか。』
『ああ、誰も敵わないだろうな。ただ一人を除いては。』
『誰です?』
オーイスは興味津々に尋ねる。
『ムカイヤマン隊長さ。今は訳あってこの城には居ないが、ムカイヤマン隊長にはあのハーラモ隊長でも勝ったことは無いと聞いたことがある。』
『!?・・・アイツ、そんなに強ぇのか・・・!』
『ん?何か言ったか?』
『・・・あ、いや別に、なんでもありません。』
オーイスは吹き出しそうになる衝動を必死で抑えた。

城内を抜けると訓練場などが見えてきた。兵舎らしき建物も見える。
『あそこが兵舎だ。その横には訓練場や馬屋などもある。』
兵士は立ち止まり指をさしながら教えた。
『さぁ、行く・・・ぞ?あれ!?』
兵士が振り返るとそこにオーイスの姿は無かった。



『さて、馬屋も兵舎もあらかた解ったし早く済ましちゃいたいところだけど、その前に・・・』
オーイスは馬屋へ向かわず城内の奥へ足を運んだ。

─────────《オーイスさん、一つ頼まれてくれませんか…》

「俺も人が良いねぇ。。。」
オーイスは小さく呟くと1つの部屋の扉の前にやってきた。
「話だと多分この部屋・・・」
オーイスは扉を小さく2回叩いた。

「・・・・・・どなた?」
部屋の中から小さく返事がする。

「フジドーシャス様ですかい?私はある方の使いで参りました。」
辺りを気にしながらオーイスは扉に向かってささやいた。
すると扉が少し開き、中から女性が顔を出した。
「さぁ、入ってください。」
その女性は辺りを気にしながらオーイスを部屋へ招き入れた。
すると部屋の奥から違う声がオーイスに話しかけた。

「そなたは何者です?」
オーイスは驚きその声の先に目を向けた。
すると部屋へ招いた女性が静かに話した。
「このお方が、フジドーシャス様でいらっしゃいます。私は身の回りのお世話をさせていただいているイシモリンヌと申します。」

フジドーシャスはもちろんのこと、イシモリンヌもそれは容姿端麗でありオーイスも一瞬言葉を失うほどだった。

「それで、誰の使いですか?」
イシモリンヌが尋ねる。オーイスはハッと我に返り懐から一通の手紙を差し出した。
「これはイヌドーシャス様から頼まれてお持ちしました。」
「お姉様から!?」
フジドーシャスはすぐに腰を挙げオーイスに駆け寄る。そして手紙を受け取った。

フジドーシャスはそれからしばらく静かに手紙の内容を見つめていた。
険しい表情だった彼女の顔もいつしか優しい笑顔に変わっていた。そして最後に彼女の頬を一筋の雫が伝った。

「ありがとう。」
フジドーシャスは手紙を胸に抱えながらオーイスにお礼を言った。

「それじゃ、俺はこれで・・・」

───コンコン

「!?」
その時、扉を叩く音がした。
「隠れてください!」
フジドーシャスは慌てた。
「隠れるったってどこに。。。」
オーイスがあたふたしていると、イシモリンヌがオーイスをベッドの方へ蹴り上げた。
「ぎゃふん!」
オーイスはそのままベッドの隅へ飛んでいき、フジドーシャスはそれを隠すようにそこに座った。

「どなた?」
イシモリンヌは何事も無かったような表情を取り繕うと扉を開けた。
「ヨシカワージャでございます。コンドリーザ様がフジドーシャス様を呼んでおられます。」
「す、すぐ行くと伝えてください。」
フジドーシャスは応えた。
「あと、何なら騒がしかったようですがどうかなさいましたか?」
ヨシカワージャが部屋の中を見渡す。

「な、なんでもありません。私が転んでしまいまして・・フフ」
イシモリンヌが慌ててヨシカワージャの前に立ち視界を遮った。
「そうですかぁ?なら良いのですが。では、失礼します。」
ヨシカワージャは部屋を去っていった。

「ふぅーーー。」
「ふぅーーー。」

扉を閉めると2人は安堵の深いため息をついた。

「いててて・・・」
オーイスがゆっくりと起き上がる。
そこに慌ててイシモリンヌが駆け寄る。
「ごめんなさい、慌ててその・・・大丈夫ですか?」
「ダイジョブダイジョブ、助かったよ。」
オーイスは自分の尻をさすった。

「さて、それじゃあ俺はこれで。まだやらなきゃいけないことがあるからさ。」
「コンドフィーリアのことですね?姉の手紙に書いてありました。彼女はきっと馬屋にいると思いますが、そこには兵舎も併設されているのでくれぐれもお気をつけて。」
フジドーシャスが心配そうに応えた。

「そんな美人さんに心配してもらったらきっと大丈夫さ。」
オーイスは部屋を出ようとした時、フジドーシャスに再度呼び止められた。
「最後に、お姉様に『私は大丈夫』と伝えてください。」
オーイスはそれに軽くうなずくと静かに扉を閉めた。

オーイスはすぐに馬屋に向かった。
外は雨が降り続いており、弱まる兆しは一向に見られなかった。

馬屋に着くと馬番の控え小屋の扉を思い切り開けた。

「馬番の者はおるか!!!」
オーイスは険しい顔で叫ぶ。

小屋にはセキネス、ホソヤンそしてコンドックが控えていた。
ホソヤンが驚き恐る恐る尋ねる。
「な、なにか御用ですか兵隊様。」

「先日、ここの馬に騎乗した際に馬がいきなり暴れだし数人の負傷者が出た。一体どのような管理をしているのだ!!責任を取らせるので責任者を出せ!」
オーイス迫真の演技。
ホソヤンはセキネスと目を合わせしばし考え込むそしてニヤッと笑ってコンドックを指差した。
「馬の世話や調教はこのコンドックという者がすべてやっております。責任はすべてコイツにあるのです!」
コンドックは驚き慌てて否定したがホソヤンに聞く耳は無かった。
「よし、そのコンドックとやら!少し私と来い!!」
オーイスはコンドックを呼び、コンドックもしぶしぶ後に続いた。

馬屋から出るとすぐに小屋の裏にコンドックを招いた。
「本当に私ではないんです・・・」
コンドックは少し怯えながらつぶやいた。
オーイスは怯えるコンドックに小さくささやいた。
「お前さんがコンドフィーリアかい?」
「っ!?」
コンドックはその問いに激しく驚きオーイスを見つめる。
「その名前をどこで!?」
「悪ぃ、今それをのんびり話してる暇はないんだよな。とりあえず俺と一緒に来てもらうよ。」
そういうとオーイスは腕をつかんで走り出した。
「どこへ行くんですか?」
コンドックは走りながらオーイスへ尋ねる。
「とにかく城の外へ出る。いいからついて来い。」
オーイスは城の裏へ向かった。

その時オーイスの足が急に止まる。
「ど、どうしたんです?」
コンドックが不思議そうに尋ねる。

「あーぁ、せっかくここまで順調だったのになぁ・・・面倒くせぇ・・・」
オーイスが呟いたその先に大きな影が立っていた。

「こんな雨の中、どこへ行くつもりだね“新入り君”」

「へへっ・・・バレてたってわけね・・・“ハーラモ隊長殿”」

ハーラモ隊長と数人の兵士達が前方に並んでいたのである。
「やべぇな・・・」
オーイスの苦笑いの顔を伝った汗は雨と一緒に流れて消えた。

「コンドックさんよ、よく聞いてくれ。一度し言わねぇぞ?」
「は、はい・・・」
後でコンドックが不安そうに小さく震える。

「俺がなんとか道をあけるから、叫んだらお前さんはあの塀に向かって走れ。あそこの岩と木を使えば塀に上がれるはずだ。塀の向こうに俺の仲間が待ってる。いいな?」
「でも、あなたは?」
「一度しか言わねえって言っただろ?」

そう言うとオーイスはハーラモに向かって走り出した。

「ふ、やけくそか?」
ハーラモはゆっくり大きく剣を抜いた。

オーイスも走りながら剣を抜いた。
ハーラモの剣が横に薙ぎる。オーイスは身を低くしてその剣をかわしハーラモの後へ飛び込んだ。
ハーラモもすかさず、後へ剣を斬り返した。
それもオーイスは横に転がり回避する。

「ちょこまかちょこまかと身軽な奴だ!」
ハーラモは転がりまわるオーイスに間髪入れず剣を振った。
オーイスも必死で防戦する。

「走れ!!」

オーイスが叫ぶ。
それを聞いたコンドックは一瞬躊躇したが全速力で走りだした。

「逃がすな!」

ハーラモは数人の兵士に叫ぶ。
コンドックは言われた塀に向かって必死で走った。それを追う兵士達。
そばの岩に足をかけ、塀の上につかもうと飛びついた!

しかし、思ったより塀高かった。無常にも手は届かなかったのだ。
身体が兵士の待ち構える地面へ落ちてゆく。

コンドックが諦めかけたその時。

───パシッ!

「よっしゃよく来た!!」

コンドックの腕が誰かに掴まれ、そのまま塀の上へと引き上げられる。
何が起きたのか一瞬わからず呆然とするコンドックの横でマツウラトスが笑っていた。

「おー転がってる転がってる♪」
マツウラトスは絶景を眺めるかのようなしぐさで必死に剣を避けているオーイスを眺めた。

「バカヤロウ!早く助けろ!!」
オーイスがその様子を見て叫ぶ。

「だってよ?」
マツウラトスが視線を向けたその先でイマムリオンが弓を構え、4本の弓をまとめて弦にかけて放った。
4本の弓はそれぞれ周りの兵士の足や腕に1本ずつ刺さり、兵士達は崩れ落ちた。
そして、イマムリオンは続けて1本弦にかけるとハーラモ目掛けて放った。

「っ!?」
ハーラモは自分を目掛けて飛んでくる弓を瞬時に剣で叩き落とす。
イマムリオンは空かさず次の弓を射る。
ハーラモは再度避けながらも弓を叩き落とした。

「やるねぇ♪」
マツウラトスは楽しそうにその様子を窺う。

イマムリオンは次々と弓を射た。ハーラモも必死に弓を叩き落とす。
その間にオーイスは全速力でマツウラトス達の下へ駆け出す。

「おせーよ!!マジ死ぬかと思ったじゃねえか!!」
オーイスは息を切らせながらマツウラトス達の下へたどり着いた。

「さて、引き上げるぞ!」
イマムリオンは弓を射るのをやめると、すぐに馬にまたがりコンドックを後に乗せた。
マツウラトスもすぐ後に続く。オーイスも慌てながらも続いた。



コンドフィーリアはイヌドーシャスを見るなり泣き崩れた。
イヌドーシャスも彼女の背中を優しく抱いた。

「オーイスさん、よくご無事で・・・本当に大儀でありました。」
イヌドーシャスはオーイスを労う。
オーイスは照れくさそうに頭を掻いた。

そしてイヌドーシャスはコンドフィーリアにこれまでの経緯を話て聞かせた。


「コンドフィーリア殿、貴女の知っている事全てお聞かせいただきたいのだ。マンターリシャス様のお側に仕えていた貴女ならきっと何か知っているはず。」
ムカイヤマンがコンドフィーリアに尋ねた。
コンドフィーリアは俯いていた顔をゆっくり上げると、小さく頷きそして語り始めた。


───────

────

──


「私のお話できるのは以上でございます・・・。」
コンドフィーリアは言い終えると、張っていた何かが切れたように倒れ込んでしまった。
ムラターニャが慌ててお部屋に運び込み寝かせた。


「しかし・・・そんな事がありえるのか・・・?」
ムカイヤマンは口を押さえた。
イヌドーシャスも瞳を閉じて心を落ち着かせているようだった。

「だが、恐らくこれが事実なのであろう。そして、今日の騒ぎで城も黙っているとも考えにくい。こうなったら先手で打って出るしかないと思うのだが。」
イマムリオンが話す。
「何か、良いお考えがおありなのか?」
ムカイヤマンが尋ねる。しかしイマムリオンは険しい表情だった。

一同黙り込み冷たい空気が流れる。

そんな空気をかき消した一人の来客。

「きゃー、外すごい雨だよー!」

パンの籠を濡れないように大事そうに抱る娘。

「サ、サカイヤどうしたのこんな時間に?しかも濡れてるじゃないの!」
ムラターニャが驚きながら出迎える。

「新しいパン焼けたの!それでムラターニャに食べて欲しくて持ってきたのよー。」
パンは大事に抱えてきたおかげで濡れてはいないようだった。
そして周りの空気を気にすることも無く自信作のパンを皆に勧めるのだった。

「絶対美味しいわよー!キタムージャもすごい美味しいって言ってくれたし、またこの評判を街中に広めれば大人気になること間違い無しなんだから♪」

その時イマムリオンが何か閃いたように顔を上げた。
「そうだ、これでいこう!」
「何か思いついたのですか?」
イヌドーシャスが尋ねる。

「えぇ、単純な事ではあるんですがね・・・。サカイヤさん、一つ頼みがあります。」
イマムリオンはサカイヤを呼ぶと何やらサカイヤへ話しているようだった。

帰っていくサカイヤを見送りながらムカイヤマンは尋ねた。
「サカイヤ殿に何を頼まれたのですか?」
「じきに解りますよ。きっと心強い味方が現れるはずです。その時が我々も動くときです。」
イマムリオンは意味深な笑みを浮かべた。


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 「最終章 光(前編)」に続く
 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=66234438&comm_id=5582528

コメント(2)

イシモリンヌに蹴りあげられたオーイスがうらやましい。(;´д`)

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