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転職支援 英会話教室コミュの55、学費無料のオンライン“大学”が人気 ネットが仕掛ける教育改革の行方は?

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 「大学の学費は、本当にその価値に見合っているのか?」アメリカでは教育に関するこんな議論が巻き起こっている。アップルの講義聴講アプリiTunes Uをはじめ、近年インターネットには無料で良質な教育コンテンツが急増してきた。教育ベンチャー企業も続々と立ち上がり、常識を変える教育改革が起こりそうな盛り上がりを見せてきた。

 脚光を浴びているのは、無料のオンライン学校「Udacity(ユーダシティー)」だ。スタンフォード大学の元教授であるセバンスチャン・スラン氏が2012年から「検索エンジンの作り方」と「自動走行自動車のプログラミング」の2つの授業をオンラインで無償提供している。

 グーグルの自動走行車を作ったことでも知られるスラン氏は、スタンフォード大学で人工知能のクラスを教えており、2011年秋に授業をオンラインで無料提供したことで世界中から話題を集めていた。同氏の授業は、16万人が受講する人気の授業に発展。インターネットを通して質の高い授業が提供できると実感したスラン氏はスタンフォードを去り、インターネットで講義を提供するベンチャー企業を立ち上げた。

 Udacityが掲げる理念は「高品質・低コストで大学レベルの教育を提供すること」。今後も授業を増やしていく予定で、まさに有名大学で教える授業がオンラインで無料聴講できる。

 オンラインでプログラミングが無料で学べる「Codecademy(コードカデミー)」も話題を集めている。2011年8月に始まったばかりのニューヨークを拠点とするベンチャー企業が始めたこのサービスは、プログラミングの勉強を誰もが気軽に無料で、それもインタラクティブな形で学ぶことができる。

 動画講座ではなく、ユーザーはツール上に自分自身でプログラミング言語を入力すれば、テキストがポップアップし解説を得ることができる。コードを入力し間違えたり、上手くコードを入力するたびにアドバイスが得られる。筆者のように全くプログラミングを学んでいない初心者でも、基礎から学べる講座が多い。プログラミング言語は最も利用機会が多いとされるJavaScript、Python、Rubyを用意している。

 会員数はすでに10万を超えており、今でも会員数は急増している。アメリカは失業率の高さに未だ喘いでいるが、プログラマーの仕事は唯一人手不足の職だ。そこでホワイトハウスまでもがCodecademyのサービスを雇用促進に役立てようとしている。

2012年2月27日(月)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120224/228991/?rt=nocnt

 今後は初心者用と上級者用、両方の学習ツールを強化していく方向だ。またサービス開始から、学びたい人だけでなく教えたい人が殺到したため、Codecademyのツールを使ってだれでもレッスンを作る事ができるプラットフォームを作った。これから、Codecademy以外の外部の人も優秀なクラスを作る可能性が高く、有機的な形でオンライン教室が拡大している。

 UdacityもCodecademyも現在はユーザー数を獲得することに力を入れており、マネタイズ方法は今後考えると話している。両サービスともユーザーが爆発的に増えていることから、何らかの形でマネタイズが成立するという楽観的な向きが多い。

 最後にオンライン教育の先駆けとされる「Khan Academy(カーン・アカデミー)」も紹介しておきたい。2006年から非営利企業としてスタートし、現在は2600以上のビデオ講義を抱える。数学や理科の授業が特に強く、その他にも経済、アート、会計、地理、歴史など様々な授業がある。

 創立者のサルマン・カーン氏は、かつて遠隔地に住むいとこに数学を教えており、録画していた講義ビデオをYouTubeにアップした。そこからカーン氏の数学のビデオが人気を集め、同氏は勤めていた金融機関を辞めて、非営利というかたちでオンライン学校を開始した。

 動画はほとんどが10分以下で、カーン氏をはじめ様々な講師が簡潔に分かりやすく授業を行う。非営利のため、ビル&メリンダ・ゲイツ基金やグーグルなどから支援を受けており、高い評価と実績を誇っている。

噴出する学費への疑問

 高品質のデジタル授業が無料で手に入るという背景に、大学の高額な授業料への疑問が生まれている。アメリカでは学資ローンの貸し付け残高が急増しており、非営利団体プロジェクト・オン・スチューデント・デッドの調査では、2010年卒の米国学生のローン残高平均は2万5250ドルと、前年から5%増加している。

 エリート校と呼ばれる学校を見ると、学費は驚くほど高額だ。アメリカでトップクラスの大学の学費は年間4万ドル(約320万円)を超えることも多く、学費に寮費や食事といった経費を加えると年間5〜6万ドル(400万円〜480万円)のコストになる。もちろんこれは4年間の費用ではなく、1年間で掛かる費用だ。

 エンジニアリング、コンピューターサイエンス、ビジネスといった専攻はまだ職の見込みがあるが、リベラルアーツなどの専攻では求人も少なく、現在は有名大学の学生でも多額のローンを抱えたまま就職難に苦しむケースも多い。

教育はバブルなのか?

 日本以上に学歴重視の米国だが、現在の教育システムを批判する著名人もでてきている。フェイスブックに初期に投資し、PayPalの創立者としても知られる著名な投資家のピーター・シール氏は、米National Review onlineのインタビューに対し、現在の米国教育をこうこき下ろす。

 「教育は古典的なバブルだと言えるだろう。バブルというのは、バカ高い値段がつけられ、そこに熱狂的な信仰があること。住宅というのは、古典的なバブルで、90年代のテクノロジー株もそうだ。なぜならそれらは高すぎて、疑問視されないほど信仰が蔓延している。2005年には誰もが一軒家を持つべきだと言っていたし、1999年には株式市場で投資信託をやってないきゃいけなかった。新興国市場というのはバブルかもしれないが、恐らく先進国でバブルとして残された候補の一つが、教育だろう」

 彼自身はスタンフォードのロースクールを出ている高学歴だが、「大学教育で才能の目を摘ませない」というプログラムを作り上げ、20歳以下でベンチャーを営む優秀な若者に対してそれぞれ10万ドル(約800万円)を投じて起業プロジェクトに取り組むよう勧めている。

 アメリカでの論争で、インターネットが既存の教育を変えてしまうのではないかという先進的な考えもある。しかし、そこには異論を唱える声も多い。教育は単なる授業というコンテンツだけでなく、「体験」「コミュニケーション」「ネットワーキング」「フィードバック」が学びの重要要素となっている。そうしたものが、インターネットを通じて享受することが難しいからだ。

 しかしこの議論を見ていると、かつてインターネットの登場によって変化を遂げる前の、メディア論争にも共通するところがあるように感じる。もちろん教育サービスとメディアのコンテンツビジネスは違うものだ。しかし、無料の優良コンテンツがネットでアクセスできるようになれば、今までのようにコンテンツを囲い込む商売は同じ形で存続できない。

 日本の教育史に目を向けると、1873年に学制が定められ、全国の単位区画ごとに大学を設置しようとしてから130年余りだ。その歴史のなかで、義務教育が制度化され、大学への進学率が飛躍し、女性にも高等教育機関の門戸が開放された。今まで現在の教育制度が硬直化したことなどなく、歴史や環境に応じて教育も変化を遂げてきた。

 インターネットは今まで以上のスピードで物事の変化もたらしている。教育改革も、今までとは比べものにならないスピードで進んでいくのでいくだろう。少なくとも「誰でも学べるようになる」という方向に向かっている今の変化は、教育に新しい光をあてているように見える。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120224/228991/?P=3

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