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若泉敬コミュの若泉敬『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』を読む

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若泉敬氏は、佐藤栄作首相の密使として、ニクソン政権のキッシンジャー大統領補佐官と沖縄返還秘密交渉を行った。

元々、国際関係・安全保障の学者であり、ホワイトハウスや国務省に多くの友人がいた。

彼が行った交渉過程を記した著書が『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』である。

当時の日本の立場からみると相当苦しい交渉だったようだ。

彼の著書から外交交渉とは何かについて読み解きたい。




■若泉敬『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』の要旨



・佐藤栄作首相は、極めて用心深い人で、よほどの自信と決意がなければ、自分の意見を表明しない。
また、さまざまな情報を誰よりも早く入手するのに人一倍熱心であった。
マスコミからは「早耳の栄作」と称された。


・外交交渉においては、古今東西を問わず権謀術数の限りを尽くすのが常識である。
つねに「考えられないこと、考えたくないこと」をもあえて考えぬく知的勇気と思考の柔軟性を失ってはならない。




・ヘンリー・キッシンジャーは、ハーバード大学の国際政治の講義において、外交を論ずる際には、「決してないとは決して言うな」と教えていた。


・「外交とは、交渉による国際関係の処理であり、大使公使によってこれらの関係が調整され処理される方法であり、外交官の職務あるいは技術である」
(英国外交官、ハロルド・ニコルソン)


・「生存は生命の第一法則であるから、外交官の第一の義務は、国家の安全の増進である。
その達成に要求されるのは、力の均衡維持についての配慮である。
時代と事情のいかんを問わず、安全はパワーにかかっており、パワーは必要なときに軍事力にあらわされないかぎり無力である」
(フレデリック・シューマン)


・ギブ・アンド・テイクは外交交渉上、不変の原則である。




・ニクソン大統領は、沖縄返還よりも自身の選挙公約である繊維問題を重視していた。



・ニクソンは、軍部の同意を得るため、有事の際は沖縄に核兵器を持ち込む密約を佐藤首相と結んだ。





※分析メモ
沖縄返還交渉にあたって、時の総理・佐藤栄作の密使をつとめた若泉敬。
極東で有事が起きたときは、沖縄へ核兵器の再持込を認めるという「秘密合意議事録」を取りまとめたのが、国際政治学者の若泉氏であった。
密約を知っていたのは、佐藤栄作と若泉敬、アメリカ側はニクソン大統領とヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官の4名だけ。
若泉氏のこの記録を読むと日米同盟を維持していくことが、どれほど苛烈なものかを教えてくれる。


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