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若泉敬コミュの『評伝・若泉敬: 愛国の密使』を読む

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◆『評伝・若泉敬: 愛国の密使』を読む

若泉敬氏は、佐藤栄作総理の密使として、沖縄返還に大きな役割を果たした国際政治学者である。


◆森田吉彦『評伝・若泉敬: 愛国の密使』の要旨


・戦争の結果として失われた領土を外交で取り戻すのは、一筋縄ではいかない。
若泉敬がその代償としたのが、2つの密約だった。
ひとつが「有事の際の核持ち込み」。
「アメリカ国内の繊維産業保護」(いわゆる「縄と糸」の取り引き)であった。

・若泉ほど、国際政治は根本において力の闘争に他ならないと強く認識した国際政治学者はいなかった。



・信義愛情ということは、国籍のいかんにかかわらず、終始持ち続けていかねばならないし、一生付き合える外国人を持つことは今後ますます大事なことと信ずる。


・国際間においても、やはりヒューマン・リレーションが必要である。
いかに国際間で約束をしてみても、その実行の段階になると、やはり人間関係がその基本的要素となってくる。


・若泉の最初の留学期間は約3年弱であったが、そこで学んだものは国際政治論、とりわけ核兵器の問題であったようだ。

・若泉は京都産業大学の世界問題研究所に活動の拠点を移す。
その初代所長こそ、20世紀日本を代表するスパイマスターの一人、岩畔豪雄であった。
岩畔は、20世紀日本の情報史を語る際に欠かせない巨人の一人である。
陸軍軍人として、満州勤務を経て諜報、謀略、防諜活動に従事し、それらの要員を育成する陸軍中野学校の設立にもかかわる。



・若泉は、沖縄返還交渉の密使を務めた後、郷里の福井へ隠棲した。
しかし、地元の名士や財界人ともしばしば会合を持った。
ときには若い頃の小泉純一郎(元総理)や谷内正太郎(元外務事務次官)が顔を見せ、若泉邸の庭の芝刈りに精を出した。



※メモ
領土の返還交渉という問題は、非常に難しい。
何世代もかかり粘り強く、戦略的に行うものである。
その点、若泉氏の密使の役割は大きかった。
彼にとっても、悔しい交換条件を出すことも強いられた。
領土交渉の熾烈さを改めて認識した。

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