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ゼロからはじめる マネー講座コミュの【まめ知識:9】株式と債券(3)

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【まめ知識:9】株式と債券(3)



前回の続きです。

借金を返すとトントンだったラーメン屋。
経営的にはトントンなんで、普通に考えると株主に儲けはありません。
ただ、オーナー店長(唯一の株主であり、店長でもある)だと、
少し話が違います。

それは一体どんな違いなのでしょうか?


***


前回の例をもう一度見直してみましょう。

[貸借対照表の状況]

(資産の部)
資産 :発行株式1000株(1000万円相当)

(負債の部=資金調達)
借入金:500万円(5年間月賦返済:10万円/月)
資本 :500万円


[年間の経営試算]

◆定休週1日=営業日25日/月、300日/年の場合。
◆ラーメン1杯500円で平均172杯/日売り上げる。
 4300杯/月、51600杯/年。

(収入)
売り上げ   :2580万円

(支出)
仕入れ・光熱費: 900万円(5万円/日×300)
店舗家賃   : 360万円
人件費    :1200万円(店長480万円、バイト3名240万円×3)
借入金返済  : 120万円


これでプラマイゼロというわけです。

税引き前利益がありませんから、法人所得税・事業税はないけど、
株主への配当ももちろんありません。
でも、オーナー店長だと何かが違うんでしょ?

なんだろう?


***


あれ? もしかして店長は何かもらってる?


気づいた人は鋭いですね。

その辺から始めて、
「トントン経営でもオーナー店長さんにはプラス」
という理由を考えてみましょう。


***


くえすちょ〜ん♪

◇質問

このラーメン屋さんが借りてる、借入金500万円は、
5年間の月賦で10万円/月を返済する約束です。

この借金は年利何%ですか?

(自分で考えて、よかったらコメントで返してくださいね〜)


***


(1)
そう、「オーナー店長さんは、店長として給料をもらってる」でしょ?
まず、これが大きな利得です。
自己資金500万円に対して480万円ですから、
これだけでほぼ元が取れた計算になります。しかも1年で。

◇収益率:480万円÷500万円=0.96=96%(! )
※実際にはここから所得税・市県民税、健康保険税、年金などが引かれるので、
 手取りだと収益率は落ちますが。


(2)
それから、前回の「くえすちょ〜ん♪」の答えですね。
わかりました?

そう、「借入金を返済した分だけ資本が増えてる」んです。
「資産ー借入金=資本」なんですから120万円を返済したということは
開店時:「1000万円ー500万円=500万円」
1年目:「1000万円ー400万円=600万円」
※20万円は利息(非課税)
※実際にこのとおりにするためには、
「減価償却」(店や什器などの取得費用を経費化する方法)や他の方法との組み合わせで
 返済する元本を相殺する額の経費を発生させる必要があります。
 それもまた重要テクニックですが、別の講釈で。

◇収益率:(返済額=資本増加分/年)÷出資額
100万円÷500万円=0.2=20%(年利)


(3)
それから、何と言っても大きいのが節税効果。

まず、トントンだと
「法人税の一部(※)を払う必要がない」ですよね。
※実効税率40%と言われるうちの市県民税の均等割部分。
 一部と言っているが実際には大半。
 

***

ここでごく簡単に法人税の概略を。
 (基礎的な考え方は別の講釈で)

「法人」とは、組織・企業を人として扱うことを指し、
 税務的には、基本的に個人と同じ方式で課税されます。

◇法人税=法人所得税(国税)、法人住民税(地方税)、法人事業税(地方税)の合計。

◇法定実効税率 = 〔法人税率×(1+住民税率)+事業税率〕÷(1+事業税率)
 ※事業の所得のうち「税金の対象となる収入(課税所得)」によって変化します。

例えば、表面税率が法人税率:30%(通常の場合。年800万円以下の企業は18%)
住民税率:17.3% 事業税率:9.6%の場合、
法定実効税率は以下の数値となります。

法定実効税率 = 〔0.30×(1+0.173)+0.096〕÷(1+0.096)≒40.86%

***

しかし、このラーメン屋さんの場合、法人の純利益が0円ですから、
課税所得を基礎に計算される法人所得税、法人住民税、法人事業税は0円になります。
だから、儲かるかどうかに関係なく徴収される法人市民税・県民税の
「均等割」の分だけしか課税されないことになります。

均等割の税額
(都道府県)1,000万円以下→2万円  
(市町村 )1,000万円以下/50人以下→5万円


その上に、株主視点で考えると、
「会社が儲かって株主が配当を受けるとかかる、
 所得税(分離課税20%)がかからない」でしょ?


ここまでで得たのと同額の利得
(手取額を仮に70%法人税支払い済み336万円から法人税7万円を引いた額)を、
一般株主が配当で得ようとすると、

まず
(329万円+100万円=429万円)÷0.8=536万円(所得税引き前配当額)
536万円÷0.6=893万円(法人税引き前利益。1万円未満切り捨て)


(支出)
仕入れ・光熱費: 900万円(5万円/日×300)
店舗家賃   : 360万円
人件費    :1200万円(店長480万円、バイト3名240万円×3)
借入金返済  : 120万円

純利益    : 893万円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
売り上げ   :3453万円


これは
3453万円÷4500万円=0.7673=76.73%
つまり最大限上手くいった…フル回転状態の76.73%に相当する稼働率ですから
当然かなりハードル高いですよね。

これに対して、トントンの状態は
2580万円÷4500万円=0.5733=57.33%
まぁ、6割弱(または対比2割減)の稼働率で同等の儲けが出るわけです。

法人税に関しては、概算とはいえ、ある程度根拠のある数字です。
それが357万円に対して7万円なんですから。
実に350万円の節約。

なかなかの違いだと思いませんか? 労力的にも経済的にも。
当然、こちらの方が業績をキープしやすいでしょう。
たぶん。間違いなく。


***


これが5年続くと想定した場合、
キャッシュフローベースで
329万円(※)×5=1645万円

当然無配ですが、5年後の店の資産価値は以下のようになります。

資本   :1000万円
内部留保 :   0万円

※年収480万円:(手取額を仮に70%として336万円)


というわけで、オーナー店長さんの取り分は、合計で2645万円。
500万円の出資に対する加算価値は2145万円ですから、
平均年利に換算すると
2145÷500=4.29÷5=0.858=85.8%

同じケースで一般株主さんの配当は0円ですから、
その差は歴然としてますよね。


 まだ、割と基本的な概略に沿った話だけなんですが、
「自分の仕事に自信があるなら独立した方がいい」…という話、
 ご理解いただけましたか?

 もちろん相応のリスクは覚悟しないといけませんが、
 それに見合うメリットはあると思うんですよね〜。


では、今日はこの辺で。

(つづく)

コメント(4)

>ちゃかぽこさん

おはようございます!
昨日の続きですね。
「オーナー店長がもらえるのって、配当金?」
と思ってたけど、どうやら違うようですね。

***


くえすちょ〜ん♪

◇質問

>このラーメン屋さんが借りてる、借入金500万円は、
>5年間の月賦で10万円/月を返済する約束です。

>この借金は年利何%ですか?

えっと。
5年間×10万円=600万円支払ったことになるので、
元本との差額の100万円分は利子ですよね。
ということは、年利20%ですか?
(ずいぶん高いですね…)

***
>そう、「オーナー店長さんは、店長として給料をもらってる」でしょ?

あちゃー、肝心なところを忘れていた!
店長さんなんだから、当然貰ってますよね、給料。
しかも資本金の回収率すごいですね。

>そう、「借入金を返済した分だけ資本が増えてる」んです。

やった、正解!!

>◇収益率:(返済額=資本増加分/年)÷出資額

収益率って、そういう計算式で出すんですね。
よくわかりました。これで次から計算できます^^

>まず、トントンだと
「法人税の一部(※)を払う必要がない」ですよね。

なるほど…!
実際には資本が増えてるにも関わらず、
高い法人税の一部を払わなくても済むんですね。
うまく借金を使いこなしてますね。

>◇法人税=法人所得税(国税)、法人住民税(地方税)、法人事業税(地方税)の合計。

法人も所得に対して課税されるなら
あまり表面上の儲けを出さないほうが得策なんですね?

>その上に、株主視点で考えると、
>「会社が儲かって株主が配当を受けるとかかる、
>所得税(分離課税20%)がかからない」でしょ?

なるほど…。あくまでも儲かっていないという前提ですものね。
この場合の株主は、あくまでオーナー店長のことですよね?

>なかなかの違いだと思いませんか? 労力的にも経済的にも。
>当然、こちらの方が業績をキープしやすいでしょう。


350万の節約とは凄いですね。
一生懸命頑張れば頑張るほど、税金を持っていかれるなんて
企業のオーナーも大変ですね。
それなら、大儲けするよりも、
トントンの儲けで、長く続けたほうがいいですね。

>平均年利に換算すると
>2145÷500=4.29÷5=0.858=85.8%

おお!一般の人はゼロ円なのに、
オーナーだけこんなに儲かるなんて…ズルイ!(笑)
でも、給料という形で貰うとこんなに違うんですね。
給料とはいえ、実際に金額に見合った労力を提供する
必要はないですから、自由に調整できそうですね。

>まだ、割と基本的な概略に沿った話だけなんですが、
>自分の仕事に自信があるなら独立した方がいい」…という話、
>理解いただけましたか?

ええ!
夢広がりますね。
自営業って、なんとなく不利なイメージがあったんですが
知恵を絞れば、いろんな手段があるんですね。
父が自営業なんで、色々調べて教えてあげようと思います^^
今日もありがとうございました!

>管理人さん


>ということは、年利20%ですか?
>(ずいぶん高いですね…)

正解。
分かりやすくするため、適当に決めた数字でしたが、
意外にリアルな数字になってましたね。

もちろん、利率の低い資金であるに越した事ないんですが、
そういう貸し手(銀行や金融公庫など)は信用というか…
実績のない相手には貸してくれません。

年利20%くらいでも運営できるのであれば、
初動資金は消費者金融からの資金でも賄えるという事ですね。
(できることなら避けた方がいいですが…)


>あちゃー、肝心なところを忘れていた!

そこ忘れちゃいけません。
店長給はわざわざ明記してるんだから。(^^)
本当はこれプラス
「給与を自分でコントロールできる」というメリットも。


>収益率って、そういう計算式で出すんですね。

いつも節約ネタでやってるのと大差ないんですよ。
結構応用効くので、覚えておいてくださいね。


>実際には資本が増えてるにも関わらず、
>高い法人税の一部を払わなくても済むんですね。
>うまく借金を使いこなしてますね。

借金にはさらに上手い使い方もあるんですが、
ちょっと高度なものは間違えると危ないんで、
その辺を紹介する前にまずは基本から。
まずは節税が基本です。


>法人も所得に対して課税されるなら
>あまり表面上の儲けを出さないほうが得策なんですね?

節税を主眼に考える場合はそうですね。
資金調達を主眼に考える場合は真逆になりますけど。
(「儲けが出る」と思わないと、誰もお金貸さないし、株も買わないから)

借金したり株式を売ることを目的として
実態より儲かってる風に見せるよう財務諸表を操作するなんて例は
枚挙に暇がありません。(こういうのを「粉飾(決算)」と言います)
ライブドア事件とかはその代表例ですね。


>この場合の株主は、あくまでオーナー店長のことですよね?

この場合はそうですね。他に株主はいないから。


>一生懸命頑張れば頑張るほど、税金を持っていかれるなんて
>企業のオーナーも大変ですね。

儲かった時にはまた別の事を考えるんで、
ただ指をくわえて税金取られてはいないと思いますよ。
もちろんあくまで節税の方向で。(脱税は犯罪だからしない方向で)

ただ、起業は出だしからそうそう上手くは行かないんで、
低い稼働率でそこそこ儲かる方が長続きするし、続けば成功率は上がるから。
敷居を低くできることが大きなメリットと言えるでしょう。


>おお!一般の人はゼロ円なのに、
>オーナーだけこんなに儲かるなんて…ズルイ!(笑)

 ズルいでしょ?(笑)

 だから極論すれば、株で儲ける最善の方法って
「自分で起業して、会社を育てる事」なんですよ。
 ちょっと反則っぽいけど、どうせリスクを取るならねぇ。
 (もちろん個人の能力次第なんですけど…)

 金持ち父さんだったか忘れましたが、
「株を外から買っても儲からない」というような表現もあったと思います。

 ぼくの場合、会社辞めてフリーになっちゃったけど、
 副業(妻の副業ならさらに良い)で始められるともっといいですよね。


>給料とはいえ、実際に金額に見合った労力を提供する
>必要はないですから、自由に調整できそうですね。

起業した直後は、逆に身を粉にして死ぬ気で働くと思います。
こういう現金商売は特にね。
でも、それだけの旨味はあるんですよ。

で、軌道に乗ったら堅実にチェーン展開して、
他の有能な若手に店長を任せて、
社長業だけに専念できるとこまで行けば万々歳。
少ない労力で利得を得られるようになるでしょう。


>自営業って、なんとなく不利なイメージがあったんですが
>知恵を絞れば、いろんな手段があるんですね。

今回の話、試算こそ大雑把なものの、
基本的な部分はそのまま「マイクロ法人」運営のメリットとして
当てはまる要素ばかりなんですよ。
そのうち、もう少しきちんとお話しないといけませんね。


>父が自営業なんで、色々調べて教えてあげようと思います^^

わお! スッゲェ上から目線。(笑)
自営業されてるんなら、既に百も承知でいろいろ実践されてるんじゃ?
逆に実戦的なノウハウを訊けたりするかも。(^^)
>ちゃかぽこさん

>年利20%くらいでも運営できるのであれば、
初動資金は消費者金融からの資金でも賄えるという事ですね。

もし上手くいかなかったら、
あっという間に借金が増えそうで怖いですね〜。

>借金にはさらに上手い使い方もあるんですが、
>ちょっと高度なものは間違えると危ないんで、

借金に上手い使い方があるなんて
そんな戦略的に考えたこと、なかったなぁ。
負のイメージでしかとらえてませんでした。
面白いですね。

>資金調達を主眼に考える場合は真逆になりますけど。
(「儲けが出る」と思わないと、誰もお金貸さないし、株も買わないから)

そのバランスが難しそうですね。
上手な経営者っていうのは、儲けを出したい時期と節税したい時期に
分けて戦略的にコントロールしているのでしょうね。

>実態より儲かってる風に見せるよう財務諸表を操作するなんて例は
>枚挙に暇がありません。(こういうのを「粉飾(決算)」と言います)

これが噂の粉飾決済。
「わざわざ税金多く払って、何がしたいんだろう?」
と思ってましたが、株を売ったり借金したりしたかったのですね。

>「自分で起業して、会社を育てる事」なんですよ。
>ちょっと反則っぽいけど、どうせリスクを取るならねぇ。

うーん。私に手に職があればなぁ〜。ぜひやりたい!
しばらくどこかで丁稚奉公したら、自営業という手もありそうですね。
そのためには日々勉強ですね!
自営業って、ただ単に「仕事を個人でする」と思ってましたが
こんな面白い側面があるんですね。

>自営業されてるんなら、既に百も承知でいろいろ実践されてるんじゃ?
>逆に実戦的なノウハウを訊けたりするかも。(^^)

どうかな〜。父は簿記の知識がないので、なんとも…
もしかしたら不利な状況で営業してる可能性もあります。
まぁ、それでも30年くらい会社を続けているので
自営業のノウハウは知りつくしてるはず!?
今度沖縄に帰った時に聞いてみます〜!

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