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日本企業の動きコミュの113.改革は最初の100日が勝負

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 1993年から2002年にかけて米IBMを率いたルイス・ガースナー元CEO(最高経営責任者)は、「IBMを復活させた男」として知られています。その著書、『巨像も踊る』をご覧になった方も多いかも知れません。「オレオ」「リッツ」などで知られる食品メーカー、RJRナビスコのCEOからIBMに転身、数年で同社を黒字化させた辣腕経営者の再建ストーリーが綴られています。

 ガースナー氏の就任当時、米IBMは未曾有の経営危機に陥っていました。いわゆる「ダウンサイジング」の到来によって、コンピューター産業は従来のメーンフレームに代わって、クライアント・サーバー型のパソコンが市場を侵食しつつありました。メーンフレームで圧倒的なシェアを誇っていたIBMも、主力製品の売り上げを前年比6割落とすなど、安定した収益基盤が寿命を迎えていました。一方で、急成長するPC市場では、米マイクロソフトと米インテルにOSとCPUという心臓部を抑えられ、その牙城を崩せずにいました。1993年度決算では、81億ドルの赤字を計上、株価も10ドルを割る水準に低迷していました。

 そのIBMをガースナー氏は強烈なリーダーシップで変えていきます。就任記者会見で発した有名な台詞は、その象徴でしょう。「現在のIBMに最も必要ないもの。それはビジョンだ」。ビジョンを策定する時間があるなら、戦略をつくり、それを即座に実行に移せ――。そんな強いメッセージを、就任早々社内外に向けて発しています。

 そして、次々と社内改革に手をつけていきます。例えば、プロセス重視の企業文化。顧客が新しいコンピューターを要望しても、社内の都合で平気で数カ月待たせていたIBMの体制を、ガースナー氏は徹底的に破壊します。「ベア・ハッグ」と呼ぶ顧客へのトップ営業を幹部役員にも課し、トップダウンで社員の意識を顧客に向けさせたほか、社内の承認プロセスを大胆に省いて意思決定を早めました。さらには、ハードウエアの単体売りから、顧客の要求に応じてソフトとハードを組み合わせたソリューション型のビジネスへと舵を切りました。世界最大のソフトウエア部門を構築、社内に埋れていた技術特許などの研究資産を積極的に外部に販売するなど、前例のない施策でIBMを文字通り建て直していきました。50億ドルの広告予算をかけた有名な「eビジネス」というキャンペーンを世界展開し、IBMのイメージを飛躍的に向上させたのも、ガースナー氏の功績と言っていいでしょう。

 社員40万人を超えた巨像IBMは、ガースナー氏の実行力によって見事に再生を果たします。就任当時13ドルだった株価は、退任した2002年には120ドルまで上昇しました。規模とは関係なく、トップのリーダーシップがあれば組織は再建できることを、ガースナー氏は証明しました。

 「雑誌」コーナーで配信している9月3日号の経営新潮流「りそなホールディングス細谷英二の経営教室」では、大手銀行りそなグループの経営再建を果たした細谷氏に登場いただきました。2003年、計3億円超の公的資金注入を受けて実質国有化されたりそなホールディングスに会長として招かれ、大規模な不良債権処理を実施して数年のうちに経営を建て直しました。りそなは2004年度から8期連続の黒字経営を続け、公的資金の返済も残り約8700億円とメドをつけました。

 実は、細谷氏はりそな再建にあたり、ガースナー氏にアドバイスをもらったと言います。その時にかけられた言語が、「危機はよき友、時間はライバル」というものでした。この言葉に、細谷氏は「改革は最初が肝心である」という思いを強めたと言います。「最初の100日で『りそなは変わった』と評価されないと、銀行の傷ついたブランドが永遠に回復しない恐れがありました」と言い、会長就任直後の2003年9月中間期決算で1兆7700億円の過去最大の赤字を計上し、一気に改革を進めました。

 「銀行は特別な産業ではない。顧客にサービスを提供する普通の会社である」。そう語る細谷氏の組織改革に対する考えは、あらゆる組織に参考になるでしょう。経営教室の新シリーズ。全4回でお届けします。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120903/236312/?ST=pc

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