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詩の休息所コミュの記憶―公演感想―劇団TxT「漂う―」

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:2009年09月13日20:43

今年の6/7に私は、劇団「劇団TxT(ティーバイティー)」の公演「漂う―」を大阪のLOXODONTA BLACK(ロクソドンタブラック)で観た。

千秋楽の分を観にいった。

この劇団さんは今回の公演をもって劇団の名前を変えるらしい。


間違いなくプロの劇団。

観にいけてよかったと思った劇の一つ。


主題は明確。
だがここには書かない。

まっすぐな劇、ただひたすらに。
ストレートに。

ある意味で複雑でもある。

照明は見事としかいいようがない。そもそもこの劇は照明がないと成り立たない。
二つの時間軸を交差させるための道しるべがこの照明。
別の時間軸にいる者は照明の外にいる。

音響はきわめて静か。
物静か。
木々のざわめき、鳥の鳴き声。
雨の音が印象に残ったのかもしれない。
響く音もあったかもしれない。工事現場とか。
そのシーンに相応しい音を的確に持ってくる。

小道具、大道具はいろいろ使われていた。
キエモノも含まれる。
ヘルメット、バースデーケーキ、パソコン、果物ナイフ、注射器、コート、帽子、椅子、後は忘れた。


小説家の言葉から始まり、
小説家の言葉で終わる。
全編通してとある小説家の回想である。

彼はパソコンを持っている。
キーボードを叩き、小説を書き続けている。
彼は最後になにを見たのか。
彼はなにを思っていたのか。

劇は3つの時間軸で構成されている。
にもかかわらず、こんがらない。
それぞれのシーンの描写が丁寧だったのもあるし、やっぱり照明の力が大きすぎる。

まったく飽きさせず、集中して舞台を観てた。
あっという間の2時間だった。

それぞれのシーンでは、多人数でわいわいするシーンもあるが、極力少人数で。それも一人の人間と一人の人間が舞台上に残り、会話するというシーンが多かった。

重要なシーンがいくつもある。

3つの時間軸が、一本の線に繋がる。

脚本の力もすごかった。

余分なシーンが一切ない。
だからわかりやすく、主題も明確にわかる。


劇の間だけ、その劇空間がまったくの異世界になっていた。

台詞だけで、その情景を作り上げてしまうのはすごいと思った。


「アキラ」と「サチ」
二人の男女を軸として物語は進んでいく。

劇中、様々な符合点がいくつもあった。
重なっていく物語。

偶然ではない、と思う。

もしかすると、ある二人の境遇は似ていたのかもしれない。

それを理解してくれた人がいただけでも、幸せなのかもしれない。


劇を思い出してみて、意外なところで覚えていたことが一つある。

腕時計。
劇の最初、小説家は腕時計をしていた。
彼は時計を確認した。

3つの時間軸は、いずれ一人の小説家と一人の少女に集約される。

劇全体を通して感じる、進行とシーンのギャップ。

シーンはひたすら激しく、
進行はただただタンタンとしていた。


答えは既に出ている。



フライヤーより抜粋。
"「人々は生きていくことに困惑し、
ねじれた世界に生きている、
そのことから私たちはなにを考え
何を提示していけばいいのだろうか―。」

30年前・・・。

建築プランナーのアキラには、三年前に結婚したサチという妻がいた。
だが、ある事件をキッカケに二人の関係は唐突に終わってしまう。
そんな中アキラは、アゲハという奔放な女と出会い、
アゲハに言われるまま、目的のわからない旅に出る…。

そして、アキラとサチの物語りは現代へと繋がっていく。"


劇の出演者の何人かが、映画「トラ・コネ Triangle Connection」にでていたみたい。


舞台美術は木製の柱や机や椅子だったが、照明、音響、台詞などにより、劇空間が何にでも変わった。


静かで美しく、あっという間の劇。

最後の畳み掛ける台詞を私は覚えてなくて、残念でならない。



「漂う―」



:9/20追記

そういえば、劇中にこんな台詞があった。
もしかしたら、違ってるのかもしれない。
書いておきますね。

「死ぬということは会いたい人と二度と会えないこと」
「忘れないで」

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