そして三つ目はつい去年、 2010年にまたロシアからの報告だ。Voice of Russiaの報道によると、ロシアのNational Association for Gene Security と Institute of Ecological and Evolutional Problemsの共同プロジェクトとしてAlexei Surov博士らが行った研究で、遺伝子組換え大豆をハムスターに与えて2年間継続して実験を行ったところ、遺伝子組換え大豆を食べ続けた2世代目以降のハムスターに誕生時体重の減少、成長速度の鈍化、体重の低下などが見られ、そして3世代目では生殖機能の喪失や口の中に毛が生えたりする異常が発生した。 英語版の記事はこちら。
http://english.ruvr.ru/2010/04/16/6524765.html
Surov博士は他のメディアにもインタビューを受けている。写真付きでもう少し詳しい記事が載っているのはこちら。
http://www.responsibletechnology.org/blog/18
Surov博士は、これらの異常がどういうメカニズムで発生したのかを詳細に調べていくと言っている。この研究結果は、プレスリリースから10ヶ 月になる今も論文としては発表されていない。全て解明してから論文発表するつもりなのかもしれないが。ただ、Surov博士について英語で調べてみると、 あまり多くの情報が出てこない。多くのロシア人科学者のように、単に国際的活動はあまりしない研究者なのかもしれないが、 もしかするとモンサントやアメリカ政府の圧力を恐れて偽名での報道かもしれない。もしこの研究結果が本当で、きちんと論文やロシア政府報告として発表されると、モンサントはもちろん、デュポンやシンジェンタらは大きな打撃を受けるのは間違いない。アメリカ政府も戦略の練り直しを余儀なくされるだろう。ロシアはいろいろな意味でアメリカの最大のライバルで、アメリカから最も独立した国なので、こういう発表ができるのだと思う。また、ロシアは遺伝子組換え作物の危険性暴露を、対アメリカの外交カードの一枚として見せびらかしている可能性がある。最大のライバルではありながらも、ロシアとアメリカは様々な分野で協力関係にある。ロシアがアメリカ政府から他の面で譲歩を引き出す為に、遺伝子組換え食品の危険性検証を常に誰かにさせておき、有効な取引カードの一枚として保つとしても何ら不思議は無い。勿論、本当に暴露してしまうとそれ以上は使えないし、他国民の健康が損なわれて国力が落ちて行くのはロシアにとってはむしろ好都合なので、このSurov実験も結局はロシア政府によって握りつぶされてしまう可能性があると思う。以上三つの長期実験研究結果に共通するのは、遺伝子組み換え食物が第二世代以降に与える生殖機能への悪影響、誕生時体重の減少などだ。偶然の一致とは思えない。確証は無いが、もしアメリカ政府が抱き込んだアメリカ企業が世界の人口の多くに不妊効果がある食糧を供給し、そして同時に世界の食糧供給を支配することができれば、まさにNSSM200で推奨された対応策の理想形と言える。単なる偶然かもしれないが、1990年代前半から遺伝子組換え食品が急速に普及したアメリカ国内では、1990年から2006年の間に、37週未満で生まれる未熟児の割合が25%も増加している。これは大きな問題として関心を呼んでいる。例えばこちら。
http://www.sciencedaily.com/releases/2009/01/090107155014.htm
そして、当然ながら誕生時の体重も減っている。例えばこちら。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704423204575017471267586344.html
早産や誕生時体重は様々な要因に影響されるので、遺伝子組換え食品の普及に明確に関連づけるのはほぼ不可能だろう。