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蝦夷地別件 船戸与一コミュの蝦夷地別件を読む!

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さあ、皆さんご一緒に再読しましょう!
まずは第一章から…。何年かかっても構うもんか!(笑。

コメント(17)

今、古本屋で買ってきました!

「蝦夷地別件」

今夜も眠れない・・・
では「書簡・前段」から「波の譜1」まででコメントを!
とりあえず最初はスローペースでゆっくり行ってみましょう!
なんと!話が黒船から始まってますね!

正確に言うと、読者が導かれるのは現代の八丈島の古い書簡からペリー来航の時代へ、さらにその65年前に溯る・・・。
「異国にたいする日本という国家。それがいまのようなかたちを整えはじめたのは愚僧と貴僧が六十五年前まえにあの土地で見た一連の動きと深い関わりを持っている」

開国と国後・目梨の乱が一直線に結びつく!
いきなり来た、来た!って感じですが!

この書簡は寛永寺の僧が書いているのでのちに登場する静澄ですね。このキャラは船戸作品によく出てくる「見届ける人」です。
生臭坊主、というか、なんとなく若いときの勝新太郎を思わせる活力あふれる人物像になっていますが。
波の譜(1)
シチーク船エレーナ・ブラジェンスカ号(エトロフに航行中)

船長・・・ボリス・シャピーリン(ストロガノフ家と血のつながり、父がベーリング隊に参加、ロシア王朝への忠誠)

副船長・・・セルゲイ・ミハイロビッチ・コルサコフ(ドン河出身、コサック)

出納係・・・ステファン・マホウスキ(ポーランド貴族)

ワシリー・オポチノフ(コサック)
司厨長・・・コンスタンティン・カリムスキー(コサック)

ドーザク(オロッコ人)
チャンギス(ギリヤーク人)

船員・・・カムチャダール人たち

丘の上のクリル人(副首長、副首長の息子)

ざっとリストアップしてみましたが、いつもながらの船戸作品、国籍、人種の多彩なこと!同じロシア(現代)が舞台の「緋色の時代」でもチェチェン人はもちろんゾロアスター教徒までゾロゾロ。

しかし、こうやって見てみるといかにも一触即発です。船長以外、みんなロシアにやられちゃってる民族大集合ですね。
のっけから話題がずれて申し訳ないんですが(笑、ポーランド出身の映画監督でアンジェイ・ズラウスキーという方が撮った「私生活のない女」という作品があります。舞台はフランスです。

アウトラインだけみるとヒロインは女優を目指しつつヌード・ダンサーをしながら、ある日大監督に抜擢され失恋にもめげずに頑張る、ということで基本的にはノー・プロブレムな話なんですが、背景が過激に政治的なんです。

この大監督はポーランドからフランスにロケをしに来てドストエフスキー「悪霊」の映画化を目指しています。ところが目的はもうひとつあって、それは彼の政治的信条に反するポーランド司教をフランスで暗殺することなんですね。
ロケチーム全体が実はテロリストで(驚、「悪霊」という映画自体が首謀(大監督)の犯行宣言&遺書で、大監督自ら演じるスタブローギンは原作通りラストでは映画でも現実でも首を吊って自死する、という鬼気迫るものが描かれています。

素朴に、なんで一芸術家が一映画監督が、そんなに故国の政治を憂慮してしまうのぉ?というところにマホウスキと共通するものを感じます。
常に分断されてきた国家というものを背負った貴族階級(あるいは知識人)の悲劇、それを謀略と暴力で解決するしかない、という絶望。ある種の禍禍しささえ感じられます。

「蝦夷地別件」に話を戻せば三百挺の銃をアイヌの手に届けられるか否か、という役回りですがその背景にはマホウスキ自身「自らの国家を救いたい」そのためには「蝦夷地、ひいては日本全体がロシアの手におちてもやむなし」という重奏的な主題が出てきます。

マホウスキの企みの全容は「地の譜」まで明らかにされませんが、この場面で「聖エルモ」の火がとりわけ禍禍しい印象を与えるのは「キリストも祝福している!」という部分で、すなわちこのキリスト教自体、強大国家が植民地をつくる口実となった歴史がある、一種の十字軍的な印象を与えるからなのではないかと思います。

雨脚はますます強くなってくる。
吹きすさぶ風の音は赤子の産声に似てた。
船首側のマストがまた青白い炎に包まれた。
ばしっという音とともに聖エルモの火が。
(文庫版p19)

この産声をあげている「赤子」とは何を暗示しているのでしょうか。
【波の譜2】

○ 厚岸の湊
洗元(臨済宗)
静澄(天台宗)
伝七 … 厚岸の支配人

○ 飛騨屋
佐吉 … 番頭
イコトイ … 厚岸の惣長人
仁平ほか3人の乱暴者
腕を折られるアイヌ(ゲンノカリ)

銀次
飯盛女(お滝)


和人サイドの導入部です。
見知らぬ土地を訪れるときは、まず港とか空港からになるわけですが現代と違って港を中心に開拓が始まっているので活気があふれた印象。
しかも商売・政治の交叉する場としてダイナミックに描かれてます。

大前提としての静澄の解説が多く、また早くも銀次が出てきたり、ううん…映像化の場合はなるべくスラっと行きたい感じですが(笑。
静澄「どういうことだい、何なんだとは?」
洗元「釈尊の心」
静澄「そいつはな、どんなことにも縛られず、その場その場で好き勝手に振舞えばいいってことだよ。もったいぶっていろいろ考えてもどうにもならねえってことさ」

このあたり、船戸調(ハメット調というべきか)のリアリストの躍如たるところでしょうか。
昔「砂クロ」だったか「箱舟」でしたか、「革命ってのは理想のためにやるんじゃない、喰うためにやるもんだ」っていうセリフに痺れましたが。
妙な清清しさすら感じるほど。日常生活で聞いたらムカつくかもしれませんが(笑。
「イコトイだ、おれはイコトイだ」それは拙い和人の言葉だった。「忘れるな、おれの名まえを忘れるな」

名まえというものの呪力。
何かとても根源的な呪力を感じる。

船戸作品でもいきなり相手の名前をフル・ネームで呼びつけるシーンが多いですね。今まで「次郎、次郎」なんて呼んでいたのに、いきなり「鈴木次郎!」って呼ばれるとビクっとします。で、だいたい良くない話が始まるんだけど(笑。
名前をつけるということは、
自由であやふやで自然のままに存在しているものに、
記号という枠をはめることだ。

そして、その記号は相手を縛り付け
自分のものにしたような錯覚に陥らせる魔法の力を持っている。

名前をつけるということは、
残酷でそれでいて美しくもあり、
責任をともなうことだった。

↑ 名付けの呪力について、私の小説の主人公が感じたこと。

 いま、そういう小説を書いてたりしたりしてぇ・・・・・・・・
>自由であやふやで自然のままに存在しているものに、
>記号という枠をはめることだ。

「アイヌ」も「人」という意味なんですよね。
だから「アイヌ人」の意味は「人人」。

名まえをつける方からの考え方はそうですね。支配という目的も。

一方、つけられた方はそれをアイデンティティとする。
縛りと同時に誇りにもなりえる。逆もまた真なり。

もし名まえがなくてみんな数字だったらどう感じるかな?
不平等なく、生まれた順で。
なんとなく背筋が寒くなる。
でも一郎、次郎ってそういうことか?

親が子に名まえをつける。
そこにはさまざまな希望や、あるいは自分勝手な欲望が入ってる。

うちのは息子が「達夫」娘が「花手古(かてこ)」です。

あ、ちょっと待て。イコトイにしろシャクシャインにしろハルナフリにしろ、それぞれ意味があるんだろうね?きっと?
はい、調査項目(笑!
再読中。時間がなくなかなか進みませんが懐かしい船戸世界に還ってきて楽しい日々です。仏教方面は全然知識がなくて、当時は洗元と清澄のバックボーンのちがいをそのまま流して読んでいました。この辺ももっと勉強してみようと思います。
>kikuさん
僕も船戸世界は実は久方ぶりなんですが、体温が3度ぐらい上がった感じがしました(笑。

でも、今回は時代劇なんですよね。

僕の場合、海外・現代の紛争系はおおよそ頭に入ってるんですが、仏教方面はおろか時代劇もあまり読まない人間なので(笑。

臨済宗、天台宗、もうひとり浄土宗の役僧が蝦夷のどこかをまわってるはずだ、と静澄が言っていますが、目的はなんなんでしょうね?当時の寺社の勢力のこととか調べてみると意外なことが沢山あるのだと思います。
腕を折られた蝦夷(ゲンノカリ)を心配して洗元が声をかけるところ:

<(蝦夷は)左の袖で唇についた涎(よだれ)を拭った。そしてあらためてこっちを見た。
洗元は眩暈を感じるほどのたじろぎを覚えた。その眼差しが穢いものでも眺めるかのようだったのだ。>

海外取材でも時折、こんな眼差しに出会うことがあります。特に発展途上国で。やはり我々日本人の驕りとか同情がにじみでていて、反発されているのか?
それとももっと深いものを覗かれているのか?

まあ、ヤンキーでもたまにこういうメンチ切ったりはしますが(笑。
>「松前藩は蝦夷に月代を剃ったり髷を結ったりするのを禁じて
>きた。なぜだかわかるか?蝦夷と和人の区別がつかなくなるの
>は困るからだ」(静澄)

ところが松平定信はこの区別をつかなくし、本格的に蝦夷を収奪しようとしている、と予言をしているところです。

蝦夷を和人化しよう、とよく考えると恐ろしいことです。このあと、アイヌ側からは「和人化したアイヌ」に対する反発が出てきます。洗元はアイヌと和人の知恵を混交させようとしていますが…。

月代でもなく髷でもなく、髭の話なんですが。昔イラン・イラク戦争のアクション映画みてたら、主人公のイラン人たちがイラクの陣地を突破するんですが、「アゴヒゲが見えないように気をつけろ!」って言ってるんですね。なんのことだろう?と思ったら「イラク軍はアゴヒゲ禁止」なんですって。だからアゴヒゲ生やしてたら即イラン人とばれて銃撃されます。へぇへぇへぇ、ですが戦争ではそういうことも命にかかわるんですねえ。
【波の譜3】
国後・古釜布

六造…赤ら顔の和人
吉兵衛…蝦夷びいきの悲しい目

○高台コタン
モシランケ(80〜)…長老
キララ(17)…モシランケの孫娘
セウシマツ婆

ミントレ(28)…高台コタンの長人

○浜辺コタン
ハルナフリ(15)
オペルヨフ(38)…ハルナフリ母
セツハヤフ…ハルナフリ父
ツキノエ…ハルナフリ祖父(シャクシャイン再来)
イコリカヤニ…ハルナフリ叔父(知恵遅れ)

○船着場コタン
サンキチ…国後の総長人
初読の時はサンキチとモシランケを混同していました。
長老(爺)がふたり連続で出てくるからですね。。。
で、うっかりしてるとツキノエも出てくるので。爺3連発です。

それにしても爺が偉い世界…。考えてみれば当然なんですが。
なんか今の日本て爺はナメられてませんか(笑。

船戸作品『海燕ホテルブルー』で主人公が年長の男と茶を飲むシーンが好きです。

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