手作りネットプロトコル工房コミュのBASE16

ご存知のとおり、 BASE64というのは、普通のバイナリ（０～２５５）の値集合を、 A～Z a～z 0-9 と +/ の６４文字を使って、３バイトを４文字で表す方法の事だ。

これを使おうと思って色々考えていたけど、多くのシステムでは大文字と小文字を区別しないので、BASE64は使えない。そこで考えたのだけど、６４文字も使わないで０～９Ａ～Ｚぐらいでバイナリをエンコードする方式が出来るんじゃないかな... と思って考えてみた。

０～９Ａ～Ｚだと３６文字しかない。これに一番近い２の累乗は３２だ。つまり５ビット。この考え方なら、ちょっと面倒くさいけど、任意の３２文字を選んで５バイトを８文字で表す方式が作れそうだ。つまり、Base32じゃないか！すごい事思いついた！ ... だけど、調べてみたら Base32 という一般的な方式が既にあるんだそうだ ... がっかり。

しかも、Wikiに面白い事が書いてあった。英語版のWikiによると、ゲーム内のパスワードで使われてるのだそうだ。あの、あれだ。マリオランドのパスワードだ。面をクリアするとパスワードが表示される。体力の量が変わるとパスワードも変わる。だからきっとちょっと変えてやると体力を増やしたり出来るかも！と思ってズルしてデタラメなパスワードを入れてもダメなやつ。あれがBase32で出来ているんだそうだ。

面白いのだけど、文字の集合から母音を除く事でデタラメ入力に対して耐性を高めているんだそうだ。絶妙なバランス！

http://en.wikipedia.org/wiki/Base_32

面白いなと思った。

僕はこのバレても大した損害が無いものに対しては、そこそこ頑丈な鍵を使うという「緩やかなセキュリティー」の考え方が好きだ。よく、何でもかんでもガチガチに鍵をかけて、ひたすらシステムをガンコで使いづらい代物にするのが大好きな、技術オタクＳＥがよくいるけど、このマリオのつめの垢をせんじて飲ませてやりたい。玄関の鍵はガッチリかけるけど、入り口の門の鍵は、あけようと思えばすぐ開けられる鍵でもかまわない。

というわけで、せっかく発明した BASE32は世界中で一般的なものだった。しかし、僕はあきらめなかった。この延長上で４ビット＝１バイトを２文字で表すBase16というエンコード方式だって考えられるじゃないか！コレは使える！すごい発見だ！

あなたはすごい発見だと思われるだろうか。しかし、よく考えて欲しい。人はこのエンコード方式を Base16と呼ばずに「１６進表示」と呼ぶことに。

つまり０～９Ａ～Ｆまでの１６文字＝４ビットを２文字で１バイトを表すわけで 0x12DFEAfA と書くのと同じわけだ。

実につまらない結論に到達。