言葉の‘恐ろしさ’というのは、例えば中学1年の英語で‘What's your
name?’という表現を学びます。これは名前を尋ねる時の基本ですが、これは誰にでも使えるわけではありません。同級生や年下の人には使えますが、年上の人や、先輩にあたる人には使うことができません。残念ながら中学校では教師はこういう指導はしません。年上に対しては‘May I have(ask) your name?’、
‘Could you tell me your name?’などのような表現を使います。このようなことを知らなければ、トラブルにもなりかねません。これらのことをしっかり教えておかないと、子供達は単に「名前を聞くときは‘What's your name?’でいいんだ!」と、思ってしまいます。
毎年世界からいくつかの言語がなくなっています。言葉というのはその国の経済力を示すバロメーターでもあります。特に英語という言語は‘英語優越主義’と言われるくらい全世界に浸透しています。「とにかく英語!」という考え方は母国語を脅かす存在にさえなりかねません。何年かまえの日本でも「英語を日本の公用語に」と、言われたことがあります。英語は確かに重要ですが、英語が実際に公用語になると、それは様々な場面で私たちの生活を脅かす結果にもなります。言葉というのはそういった‘怖さ’もあるということを私たちは覚えておかなければなりません。