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jet black crayonコミュのtommy guerreroインタビュー

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トミー・ゲレロの2月の来日時、インタビューをさせてもらいました。
雑誌には一部掲載したのですが、とても面白い話が多く、
コミュニティに書き込ませてもらえればと思いました。

よろしければ、読んでみてください。

●日本で初の開催になる、グリーンルーム・フェスティバルに出演するわけだけど、このイベントの印象は?
トミー・ゲレロ(以下T):まずここに来れて光栄だよ。こういうクリエイティブで、アーティストやアートをサポートするイベントに出演できてうれしいね。すごく楽しくなりそうだよ。実はボクのバンドのドラマーのチャーリーが、子供の頃から一緒に演奏してた友達(アンドリュー/The Slip)も、別のバンドで出演するんだ。チャーリーがここに来ていることを、彼らは知らないから楽しくなりそうだよ(笑)。いいイベントになりそうだね。今日ここで会って、話したミュージシャンもみんな楽しみにしてるみたいだし、ここに来て光栄だと思ってるみたいだよ。お客さんも楽しんでくれることを願ってる。それに、ここの会場の音はすごくいい。建物の建築もすごくクールだよ。
●前回はジェット・ブラック・クレヨン(JBC)で来日だったけど、今回はニュー・アルバム『イヤー・オブ・ザ・モンキー』を引っさげてのツアーですよね。意気込みは?
T:ソロでライヴをやると、自分に全ての責任がかかってるし、自分が全ての注目を浴びないといけない。だから大変なこともあるけど、同時に自分が好きなことをやってるわけだし、このバンドはJBCとは違う音楽性なんだ。ソロでは、ボクはギターを演奏してるんだけど、JBCではベースと多少ギターを演奏してるしね……。でもね、今回は、友達が来てヘルプしてくれてるし、とても楽しい。みんな素晴らしいミュージシャンだから、ボクの仕事もとても楽になったよ(笑)。みんな、すごく仲がいいし、どこか特別なバンドで来てるような感覚なんだ。トミー・ゲレロとして、ソロとして日本に来ると、時には圧倒されることもある。すごいプレッシャーを感じるよ。でも求められてるというのは素晴らしいことだから、日本に来れて本当にうれしいね。
●昨日のライヴ(前日に行われた渋谷でのソロ・ライヴ)が、すごく熱い感じを受けたんだけど、それはバンドのメンバーが変わったから? 以前はもっとメロウな演奏だったよね?
T:バンド・メンバーというよりか、演奏した曲そのものがエネルギッシュだったからだよ。だから、もっと深く感情を掘り下げて、ハードにギターを演奏したくなったんだ。すごくエモーショナルなライヴになったね。それに、メンバーはすごく演奏技術が高いから、彼らの感情的要素が混ざり合って、パワフルなエネルギーを生み出すことができた。そのエネルギーに圧倒されて演奏できたから、凄いライヴになったんだよ。確かに、メロウな演奏をすることも多いけど、そういうときはもっと内省的な演奏をしてるんだ。前にも言った通り、ボクのテイストと演奏スタイルはすごくエクレクティックだから、いろんな演奏をするんだ。
●今回のツアーに同行した、他の3人のメンバーとはどういう関係でバンドを組むことになったの?
T:ドラムのチャーリー・ホールとは数年前から一緒に演奏してる。もっと経ってるかもしれない。彼はサンフランシスコに長い間住んでいて、よく一緒に演奏してたんだけど、今は奥さんと一緒にフィラデルフィアに引っ越したんだ。クィンは長い間サンフランシスコに住んでる人で、彼とはもう3〜5年くらいは、一緒にやっているかな? 彼はギターとキーボードも演奏するし、素晴らしいシンガーでもあるんだ。彼はBing Ji Ling(ビング・ジ・リング)というバンドもやってる。曲を全部自分で作曲して、一人で楽器を全部演奏して、本当に素晴らしい音楽を作ってるよ。ソウルやR&B、ファンクっぽい音楽だね。ベーシストのハウスは、実はずっと前から知っていて、いつか一緒に演奏したいと話し合ってた。それで今がいいタイミングだし、パーフェクトな状況だったから実現したんだ。彼のバック・グラウンドはファンク。それでサンフランシスコやベイ・エリアで有名なギタリスト、バケット・ヘッドとも演奏してるよ。彼は本当に素晴らしいベーシストで、レス・クレイプールやガンズ・アンド・ローゼズと共演してるブレインとも演奏してるし、バーニー・ウォーレルとも演奏したことがある。本来はファンク・シーンの人だね。本当に素晴らしいよ。彼がしっかり基盤を作ってくれるから、ボクの仕事はすごく楽なんだ。彼らに自由に演奏させても、何も問題ない。ボクが演奏しなくても十分にお客さんが楽しめるくらいさ(笑)。ボクの役割がすごく楽になるし、楽しくなるよね。
●昨年のムーンシャイン・フェスティバルの時、ラグーナのホテルで『イヤー・オブ・ザ・モンキー 』についてインタビューしたでしょう。で、話した時は政治的メッセージが強いアルバムと言ってましたが、残念ながら、あの後にブッシュが大統領に再選。あの後、心境に変化はあった?
T:すごくがっかりしたよ。アメリカの半分は落胆したと思う。票が割れてたから……。この状況における最後の希望は、ブッシュにとって最後の任期だということ。あと4年間しか大統領ができないからね。彼がこの後に再投票されることはあり得ない。でも彼が大統領になっている短期間の間で、ものすごい損害を生み出すことがあり得るから怖いね。すごく悲しいことだし、フラストレーションを感じる。みんな力を合わせて、変化を起こそうとしたんだけど、それが実現しなかった。理由はいくつもあったけど、とにかく実現しなかった。でもボクのメッセージはこれからも変わらないし、スタンスも変わらないよ。
●日本のみんなは、『イヤー・オブ・ザ・モンキー』の曲を初めてライヴで見たわけですけど、ライヴで再現するのは難しくなかった?
T:日本に限らず、あの曲を演奏したのは今回が初めて。確かに難しいね。曲の中に、繊細だけど重要なフレーズがたくさんある。だから実際にライヴで何を演奏して、曲の雰囲気を壊さずに、どのフレーズを省略するのかを決めるのが難しかった。チャレンジだったね。だから、ドラムのサンプル・パッドを導入したんだ。チャーリーはそれを使って、サンプルをトリガーさせてたんだよ。次の時までに、もっと凝ったライヴを作っておきたいからね。『イヤー・オブ・ザ・モンキー』をレコーディングした後は、あの曲たちを演奏したことがなかったから、自分で曲を覚え直さないといけなかった(笑)。曲を覚えるのは他のメンバーだけじゃなくて、自分にとっても大変な作業だったよ。メンバーに「自分の曲も分からないの?」と聞かれたから、「レコーディングのときに1度しか演奏したことがないから」と言うしかなかった(笑)。自分の曲で、演奏を失敗しちゃったりね(笑)。
●トーマス・キャンベルのサーフ・ムービー『Sprout』のサントラを作ったり、いろいろ幅広く活動しているけど、今後はどんなことを予定してるの?
T:できれば今年中にアルバムを完成させたい。クアナム・プロジェクツからリリースされることになってるよ。契約を結んだばかりなんだ。それからアルバムを終わらせて、また日本でツアーしたいね。7月か8月に戻ってきたいと思っているよ。今年は仕事以外でも、音楽にもっと集中したいんだ。ただ時間を作るのが難しい。息子(ディエゴ)が10ヶ月半になったから、なかなか集中できないんだよ。彼子が徐々に成長するのを見て、彼と一緒にいるのは最高に楽しい。だから戦いだね。時間を見つけるのが難しいし、時間を作るのも難しい。でも今のゴールは、とにかくアルバムを完成させることだね。
●『イヤー・オブ・ザ・モンキー 』では、今までと違う音楽性を打ち出したと思うんだけど、それは次のアルバムにも反映される?
T:いい質問だよ。自分でも分からない(笑)。あのサウンドは前から好きだったし、昔からこういうプレイもやってたんだ。だからと言って、次のアルバムでも続けるわけじゃない。『イヤー・オブ・ザ・モンキー 』のようにアグレッシブなサウンドをやるかもしれないし、やらないかもしれない。まだはっきり言えないんだ。今年の頭から、チャーリーとクィンと一緒にレコーディングし始めたばかりなんだ。どうやって形になっていくかはこれから様子を見ないといけない。全体像を失わず、アルバムのサウンドやいろんな面で一貫性を出さないといけないんだよ。ボクはすごく即興的に、その瞬間に受けたインスピレーションで曲作りをしていく方なんだ。アイデアが思いついたらすぐにレコーディングして、新鮮なままに記録しておくようにしてる。だから、アルバムがどういう方向性をとるかはまだ分からない。音楽そのものが、ボクに方向性を提示すると思うから、様子をみるよ。
●前に、映像とかにも興味があるって言ってたよね。
T:すごくやってみたいと思っている。ジェット・ブラック・クレヨンの映像を作ってくれた友達もいるし、彼らに自分のライヴ・ショー用に新たに映像を作ってもらうかもしれない。日本に来る前にやろうとしたんだけど、時間がなかったんだ。次に日本に来る時は、ボクのライヴ用に特別に制作された映像を持ってきたいんだ。友人のシェリル・ダンが東京で2001年に行われた「Untitled」の展示会に、映像作品を作ったんだ。あれっ、2000年だったかな? 東京で行われた展示会なんだけど、彼女がそれにいろいろと手を加えて、短編ドキュメンタリー作品を作ったんだ。ボクとモンティとガジェットが、JBCとしてその作品のためにサントラを作る予定だよ。それも今年制作するんだ。結構おもしろい作品になりそうだよ。ボクの周りには、必ず新しいプロジェクトの話がある。実はそれ以外にも後回しにしてるプロジェクトがいくつかあるから、様子をみるしかないね(笑)。
●キミが好きなミュージシャンについて、聞いてみたいんだけど……。
T:いろいろいるよ。初めてボクが音楽を演奏し始めたときはパンク・バンドだったんだ。パンク・ムーブメントにすごくインスパイアされた。当時はバンドの数がすごく多くて、サンフランシスコのローカルなバンドはすごかったよ。マイナーなバンドが多かったけど、バッド・ブレインズ、DOA、フィアー、もちろんセックス・ピストルズも前から聴いてたし、たくさんいるから一つは選べないなぁ。でももっと幼い頃は、家族でソウル、ファンク、ロックをよく聴いてた。子供の頃、ブッカーT・アンド・ザ・MG'sを聴いてた記憶もあるよ。あとアイク・アンド・ティナ・ターナー、War、ケイシー・アンド・ザ・サンシャイン・バンド、タワー・オブ・パワー、ツェッペリンやサバスなどのロックも聴いてた。ファンク、ソウル、ロックがボクのルーツだね。まぁ一番好きなのがそういう音楽で、ボクはそういう音楽を全部融合させてるんだ。躍動感があって、ハードなエッジがあるんだけど、ファンキーな音楽を生み出そうとしてる。ボクにとってそれがすごくおもしろいミクスチャーだと思っているよ。
●子供が生まれると人って守りに入るって言われるけど、逆に活動の幅が広がってるように思えるんだけど……?
T:みんなに同じようなことを言われたよ。友達が「子供が生まれたらもう人生終わりだよ。忙しくて何もできないよ」って言ってたね。確かに忙しくなったけど、どっちみち忙しいんだ(笑)。だからそんなに変わらないね(笑)。子供が生まれたのは、逆にボクにとってプラス。子供を通して、自分自身が何者なのかを再確認することができた。自分が正しいと信じていることを子供に教えたいし、子供には出来る限りポジティブな大人に育ってほしいと願っているよ。ディエゴのおかげで、自分自身のあり方を考え直すきっかけになったし、自分が子供にとってお手本になれるようないい人なのかを考え直すことができた。子供がどうやって成長するかという責任は、自分にかかってるからね。それが人生だ。彼には、世の中を変えられる大人になって欲しいと思ってる。どの人も、小さな形かも知れないけど、周りに変化を与えられる。それが集まって大きな変化を及ぼすこともできる。今回のイベントだって、きっと何らかの変化をもたらすんだ。だから参加できてうれしいよ。ディエゴにもそういう気持ちを継承して欲しい。それができたらうれしいね。ボクは子供に受け継がせたい自分の信念や、子供と共有したい思想について考えることで、逆にエネルギーをもらってる。だから、自分の行動をもっと意識するようになった。悪い言葉を使ったり、どういう商品を買うかとか、そういう細かい行動も意識してしまうよ。それに、自分が今、何をサポートしているのかということを、以前よりも意識するようになった。ディエゴが、ボクをよりよい人間になるように助けてくれてるんだ。
●ライフスタイルは変わった?
T:変わったね。あまり夜は遊びにいかないようになったし、お酒の量も減った。あまりライヴを見れなくなったのは残念だけどね。スケジュールを組むことと、計画を立てることが大事になった。ボクはあまりずっと先のことを考えて、計画を立てるのが得意じゃないから、半年先にやりたいことの計画を立てるのは難しいんだ。明日の心配をすることで精いっぱいだから、先のことを考えるのは苦手なんだよ。だから予定を立てて、整理しておくことが大事。最近はカレンダーを持って、奥さんと話し合うようになったよ。年の暮れに、来年やることについて話し合うんだけど、以前はそういうことをするなんて考えられなかった。ボクはもともとそういう考え方をするタイプじゃなくて、今のことを心配する方だからね。将来のことを考える概念は、ボクにとって新しいことだから興味深いよ(笑)。
●昨年、サンフランシスコで一緒に食事をした後に、スケートボードで帰っていったでしょう。ボクはその時、ストリートというか、ワーキング・クラスのヒーローにキミのことが見えたんだけど、自分はどういう風な人間になりたいと思ってるの?
T:ハハハッ。ボクはただポジティブな人間でありたいだけ。音楽と、自分が受けている多少の注目を使って、みんなにポジティブであることの大切さを伝えたいんだよ。そして愛し合って、平和であることの大切さを伝えたい。陳腐な言葉に聞こえるかもしれないけど、それは本当に大事なことだ。特に今、世の中で起き続けていることを考えればね。それらの原因を考えると、本当に悲しくなるよ。生命を尊ばない人が多すぎるんだけど、それを見ると辛くなる。すごく苦しいよ。だから、ポジティブなエネルギーを広めて、みんながそれを受け取って、同じようにポジティブなエネルギーを広めることができればうれしいね。
●スケーター時代はすごくアグレッシブな滑りだったのに、ミュージシャンとして、最初に出した音楽がすごくメロウだからびっくりしました。でね、音楽をやってるときにスケートにインスパイアされたことが出てくるってあるの?
T:う〜ん、とにかく流れるような感じかな。スケートボードの“流れ”というのは、音楽と共通してる。ボクはとにかく流れるような感覚を大切にしてる。それがボクにとっての音楽とスケートの関係性だよ。まぁ、実際にはスケートボードは肉体的な行為だから、全く違うものなんだけどね。ギターを弾きながら骨折することなんて、あり得ないからね(笑)。
●帰国して、サンフランシスコで何をやることになってる?
T:記憶してることが正しければ、帰国して次の日が、ボクと奥さんの最初の結婚記念日なんだ。奥さんの母親がディエゴの面倒を見てくれるから、ディナーに行って、サンフランシスコのホテルに泊まるよ。その数日後に、B.Bキングのコンサートを見るんだ。母親から、クリスマス・プレゼントとしてB.Bキングのチケットをもらったから、すごく楽しみだよB.Bキングを見るのは初めてなんだよ。その後に、JBCのモンティが結婚式を挙げる。だから来週は楽しいことでいっぱいだよ(笑)。そのあとは、アルバムの制作に入って、あと仕事にも戻らないといけない。
●今回使ってるギターにはイラストが描いてあったんですけど、それは誰が描いたの?
T:クリス・グライクというアーティストが描いたんだけど、彼はボクがのスケートボードの会社Deluxeで働いているよ。彼はうちのスケートボードのメインのイラストレーターで、Spitfire、Antiheroなどにイラストを提供してる。ギターに描かれた作品は、メキシコのフォーク・アートに由来してるんだ。メキシコには“死者の日”というお祭りがある。この祭りの歴史については詳しくないんだけど、亡くなった人への追悼の気持ちを通して、生命を讃えるお祭りらしいんだよ。その祭りでは、骸骨や死をモチーフにした飾りが多い。このデザインはすごく気に入ってるよ。実際の“死者の日”の骸骨を描いてほしかったんだけど、クリスがSpitfireでそれ描いてるものを見たから、やりたいようにやらせたんだ。彼の感性を信頼してるからね。すごくディテールがこってると。ギターのヘッドにも全部描いてもらおうと思ってるから、今度、日本に来たときはもっと凄いことになってるよ(笑)。
●これは昨年のMoonshineで使ってたIbanezでしょ?
T:そう、あの時、初めて使ったんだ。安いギターでね、ツアー用に買ったんだよ。ボクが持ってる他のギターは、あまりツアーには持っていきたくないものばかり(笑)。これは安かったから買ったんだ。でも初めてこれをツアーに持っていったとき、ケースが破壊された! だから、ボクの考えが当たってたってことだよね。このギターを持っていって、壊れちゃっても、まぁ安いからあまり気にならない。でもね、イラストが描かれてるし、メイン・ギターになりつつあるから、特別な想いがギターに込められようになってきたんだよ。「本当にこれをツアーに持っていくべきだろうか?」と悩むようになってしまった(笑)。このイラストは、今回の日本のライヴのために描いてもらったんだ。ボクはすごく気に入ってるから、みんなに見せたかったんだよ。
●ライヴではボサノバ・スタイルの曲も演奏してたけど、ギターの練習って毎日やってるの?
T:してないね(笑)。もし毎日練習してたら、もっと上手いよ(笑)。もっと練習するべきだし、練習はしたいんだけど、できてないね。特に最近はね。以前は、ほぼ毎日カウチに座って、ギターを演奏してた。別にスケールの練習をしてたわけじゃないけど。最近はギターを弾く時間がほとんどなかったんだ。仕事をしていたか、ディエゴや家族と時間を過ごしてた。それに日本に行く準備で、やることが多かったんだ。リハーサルする以外に、準備も多かったからね。どの曲を演奏するか、どのキーなのかとかをメンバーのために書き留めたり、そういう準備が多かった。今回は新しいエフェクターをもってきたんだけど、その中にいろんな音色を記憶させたりするのも大変だった。練習する以外にもいろんな準備があったんだよ。もっと演奏したいんだけどね。
●トミー自身のギター・スタイルにはいろいろものがあるけど、それはいろんな音楽を毎日聴いてるから?
T:何年間もいろんなタイプの音楽を聴いてきたからだと思うよ。まぁ、自然に演奏しやすいスタイルというのはある。人によってロック色の強い人もいれば、ヒップホップやR&Bに傾倒する人もいるけど、ボクの場合は'70年代の影響が最も強いんだ。ロック、ソウル、ファンクとか'70年代の音楽が一番好きなんだよ。なぜかは分からない。でも、あの時代の音楽に一番惹かれる。
●次のアルバムはクアナムから出るけど、そのきっかけは?
T:リリックス・ボーンとずっと前に会って、一緒に共同作業をしたのがきっかけだよ。クアナムで働いてるアイザックとも友達さっ。彼とは、いつか何かを一緒にやろうと話してた。レーベルは、リリックス・ボーン、DJシャドウ、ブラッカリシャスなど、アーティスト自身がオーナーだし、彼らをアーティストとしてリスペクトしてる。だから、アーティストが経営してる会社に所属できて素晴らしいよ。ボクはサンフランシスコにいるわけだし、ボクにとっては自然な進化のステップだった。モ・ワックスはもう存在してないし、ジェームズ・ラベルはもうあのレーベルを経営してない。ボクはあまり自分をプロモートしたり、自分を売り込んだりするタイプの人じゃないんだよね。一緒に仕事する人が好きかどうか、そのレーベルが音楽に対してもっている理念やアプローチと共感できるかどうかの方が大切なんだ。だから次回のアルバムのリリースは、ボクもレーベルにとっても自然なことだった。彼らもボクも、今後を楽しみにしてるし、またリリックス・ボーンと仕事できるのがうれしい。DJシャドウのやってることはずっと前からリスペクトしてるし、ブラッカリシャスも好きだよ。所属できて光栄だね。昔のモ・ワックスのような雰囲気だし、素晴らしいと思う。これはここ1年で形になったことなんだ。
●アルバムを出すたびに、新しい要素が入っていて驚かされるんだけど、どういうきっかけで曲のアイデアを思いつくの?
T:いつも考えるのは……。う〜ん。リスナーとしてあるアーティストが好きになった時は、そのアーティストに自分が好きな音楽を作り続けて欲しいと思うものだよね。でもアーティストとして同じことをいつもやってると、退屈するし、停滞してる感じがする。新鮮味がなくなってしまうんだ。同じ絵を何度も描いてるような感じがするんだね。だから、ボクは変化したり、進化する方法をいつも考えてる。演奏スタイル、音響の面でも何でもいいんだ。急にヘビー・メタルを演奏したり、そこまでドラスティックな変化ではないけどね(笑)。でも自然に進化をしようとしてる。ボクの過去の作品には、ザ・キュアっぽい要素があったりするよね。ドリーミーなギターの要素は好きなんだけど、それを進化させて『イヤー・オブ・ザ・モンキー』に導入してる。ファンクとニューウェイヴを、最近はミックスさせようとしてる。ディスコとパンクの融合が'70年代のノーウェイブで流行ったけど、そのリバイバルが最近、起きてるんだ。それは4つ打ちのキックがあって、もっとディスコっぽいんだけどね。でも、ボクがやろうとしてるのは、ハードなファンク・リズムやファンクのベースラインを使いながらも、空間的なギター・フレーズを組み合わせること。ファンクのギターよりも、テクスチャー重視の空間的なギター・トーンを使ってみたいんだ。ファンキーなボトムとグルーヴがあるけど、空間的で音響的で、メロディアスで美しいギターを組み合わせようとしてる。これって結構、相性がいいよ。誰もそういうのをやってないと思うな。少なくとも、ボクの頭の中で聞こえてるサウンドはね(笑)。他にもこういうアプローチで音楽をやってた人はいるだろうけど、ボクは聴いたことがないね。カンみたいなバンドは、ファンキーでありながら、サイケデリックな要素を組み合わせてたよね。あれはあれで、いいコンビネーションだと思うよ。
●大きなCDショップに行くと、クラブ・ミュージックのジャズというセクションにキミのアルバムがあるけど、それについてどう思う?
T:そう、その話聞いたことあるよ(笑)。ボクがやってる音楽はロックなんだけど、ガンズ・アンド・ローゼズみたいなロックンロールじゃない。ほとんどの音楽はロックンロールがルーツにあるし、ロックのルーツはブルースにあると思う。同じ要素が入ってるんだよね。ボクはいろんな方向性でロックをやることができると思っているよ。ボクの音楽は、エレクトロニック・ミュージック、ロック、ブレイクビーツ、ヒップホップ、ダウンテンポとかで、カテゴライズすることができると思うし、ジャズでカテゴライズする人だっている。あらゆるセクションで自分の作品を見たことがあるよ(笑)。ただ残念なのは、マーケティングのためにどうしてもジャンル分けしないといけない。ボクはジャズは演奏できないと思っているよ。ジャズは大好きだし、リスペクトしてる。でも、ジャズとしてカテゴライズされるのは、みんなを誤解させるかもしれないね。特に『イヤー・オブ・ザ・モンキー』は、最もロック色が強いからね。
●本当にキミのファンは、キミの音楽をカテゴライズしてないと思うよ。
T:それはうれしいことだね。音楽のそこが素晴らしいところだと思う。ボクがやろうとしてるのは、他にどこにも存在しない音楽。もちろん、似たようなものはあるだろうけど、独自のカテゴリーをもっていると願いたいね。

コメント(4)

貴重な物を読ませていただきアリガトグゴザイマス。
>mon
こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。
いつもありがとうございます。
こんな貴重なものを掲載いただいて、感謝感激です。
>ぽえっと
いえいえ、読んでいただいて、うれしいです。
こちらこそ、ありがとうございます。

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