彩食酒家 民コミュの２０１２！民！７月の新メニュー♪かなり長めの涼しくなる？お話♪

うううぅぅぅぅ…

うぁああああぁうううぅぅぅ…

成仏したい…成仏したい…

墓などいらぬ……線香…線香を…いっぽん……



これは、ある仲良し四人娘が体験した、
ある夏の夜に流れた涙、涙のお話…。



良子（仮名）、幸子（仮名）、恵子（仮名）、民子（実名）、
四人は幼馴染である。
猛暑猛暑と耳にたこができる天気予報。
どこか涼める場所はないかと四人が選んだのは、
滝が流れ、緑の深い、九州のとある避暑地。
民宿へ着くなり、幸子が言った。


『なんかおるばい。』


幸子は昔から霊感が強い。
少し頬を突っ張らせながら良子が言った。


『幸子…なに？なんかおるって何？幽霊？』


『あっ…おらんくなった…。』


恵子と民子は水着に着替えるのに必死。
幽霊の話など全く聞いていない。
不安になる良子。


『お、おらんくなったってことは、もう大丈夫よね！？』


『うん。もうおらんごた。良子、あんた気ぃつけとかんと足引っ張られるかもしれんけん。滝であんまはしゃぎすぎちゃいかんばい。わかった？』


『うん。わかった。』


気の優しい良子。
他の二人を不安にさせまいと何事もなかったかのように水着に着替え、滝へと向かった。


はしゃぐ三人。
大きな岩の上でひたすら体操座りで見守る良子。


『良子〜♪なんしようと〜？泳がんと？』


『うん。なんかね。ちょっとお腹痛いっちゃん。』


その時だった。


ゴボ…ゴボゴボゴボ！！○※△◆※！！


溺れる幸子。
気付かない恵子と民子。
岩の上から叫ぶ良子。


『幸子―――！！！大丈夫―――！！！』


『なんちゃって♪うそうそ♪うちが溺れるわけなかろうが♪』


良子は思った。


“祟りだ”


あの民宿にいた幽霊の仕業だっ！
きっと…きっと私の変わりに幸子が足を引っ張られたんだ！
良子はそう確信した。



夜。
遊び疲れた四人。
食べて飲んでの宴会。
恵子と民子…爆睡。
何だか眠れない良子。
テレビの上に百円玉を重ねながら、
既にひや酒になったであろう徳利を傾ける幸子。


『ねぇ良子？起きとう？』


『うん…。なんか眠れんっちゃん。』


『あんたもしかして…うちが滝で溺れたの…』


『もう！何も言わんで！足引っ張られたんやろっ！』


『……祟り、かもね。』


『もうだけん言わんでって！！溺れたふりみたいに言いよったけど！！本当は誰かに足引っ張られたっちゃろ！！幸子の馬鹿！！もう眠れんくなったやん！！』


『良子…表におる。おるばい。帰ってきたばい。あいつ。』


『え…っ………。』


『成仏させてやるしかないばい…良子。』


『じょ…じょ…成仏って……あの…お坊さんみたいに？』


『そう…お坊さん。うち少しは御経できるけん。安心しぃ。このままやったらあんたのとこ来るばい…。滝で足引っ張られた時…聞こえたとよ…』


『なんて！なんて聞こえたとっ！？！？』


『良子…良子…って。』


『嘘やんっ！そんなわけない！！私何も関係ないもん！！』


『あんたには聞こえんやろうねぇ…。うち霊感強いの知っとうやろ？あんたは聞こえんかもしれんけど。うち…聞こえてしまうんよ。ほら？今も聞こえよる。』


『幸子やめてっっっ！！！私どうすればいいとっっっ！？！？どうやったら成仏してくれるとっっっ！？！？』


『ほら。あそこに母屋が見えるやろ？あの裏側にトイレがあるけん。とりあえずあそこまで一緒に行こう。あそこに何か秘密があるはず。』


ばたばたと風に揺れる窓。
ぎしぎしと響く階段。
玄関へと続く赤い絨毯。
綺麗に並べられた青いサンダル。
何故かひとつだけ小豆色が混じっている。
寄り添うように歩き外に出る二人。
母屋から裏へと続く曲がり道。


幸子が言った。


『良子。ここ。間違いない。あいつの泣く声がよ〜聞こえる。』


『本当に？ここ？今も？今も聞こえよる…？』


『うん。今も泣きよるば…ってやばい！！忘れもんした！！線香持っとう良子？』


『線香？いや、持ってないけど。』


『しもうた〜〜！うちとしたことが肝心な時にこげんあるったい！良子！あんた部屋に行ってうちのタバコば持ってきちゃらんね！』


『タ…タバコ？なんでタバコ？線香やないと？』


『旅行来とるのに線香持ってくる客とかおるか？こんな時間じゃ女将さんも寝とるんやけん線香もらうにゃ失礼やろうもん。だけんうちのカバンに入っとるタバコば線香がわりにするったい！』


『え…で、でも私一人じゃ怖くて…』


『あんたが取りに行っとうあいだに御経唱えとくけん。あんたの頑張りばあの幽霊野郎に伝えちゃるけん！そうすりゃ成仏の早かけん！』


『わ、わかった！走って取ってくる！』


『ライター忘れんごとね〜〜♪』



無我夢中の良子。
青いサンダルと砂利とがこすれ合い、
ザクザクと音を立てながら玄関まで走り抜く。
一人で通るはずじゃなかった赤い絨毯。
他の客を起こすまいと、ゆっくりと昇る階段。
鈍く光るオレンジ色の灯が、部屋を照らし、
良子の影を大きくする。
幸子のカバンからタバコとライターを探し出し、
足早に部屋を出る良子。
息は切れ、
浴衣の帯ははだけ、
母屋へと全速力で走る。


『幸子！持ってきたよ！御経は！？御経終わった？？』


『あ…良子。お帰り。』


『あ、ただいま！ほらタバコ持ってきたけん！早く成仏！成仏！』


『まぁそげん慌てんしゃんなって。ほら。タバコばやらんね。』


『もう！！早くしてよっ！！私このまま呪われて死ぬげないややもんっ！！幸子！！』


『はいはい。わかったわかった。』


タバコに火をつけ、綺麗に鼻から煙を吸い込む幸子。
なにやらブツブツと唱えはじめた。


『はっぴばーすでいてぅーゆー…はっぴばーすでいてぅーゆー…』


『は？はっぴー？ばーすでい？何それ？新しい御経？』


次第に声が多くなる。
一人…またもう一人…。


Happy　Birthday…To…You…

Happy　Birthday♪To♪You♪


『ええ？なになに？？ほげっ！？火の玉！？ええっ？？ケ、ケーキ？？恵子？民子もおるやん！！』


Happy　Birthday　Dear　良子〜♪

Happy　Birthday♪To♪You〜〜♪


『良子〜〜♪誕生日おめでと〜〜♪♪』


座りこむ良子。
状況が掴めない良子。
そういえば先月彼氏に振られた良子。
男なんてくさるほどいるんだぜ良子。
涙が止まらない良子。
私も止まらないよ良子。
君は悪くなんかないよ良子。
たまには休憩しなよ良子。
私の誕生日なんて誰も覚えてないと思っていた良子。
幸子の悪ふざけも信じてしまう良子。
真っすぐで優しい良子。
おめでとう。良子。




涙、涙の良子と幸子と恵子と民子。



『ってか幸子！あんたタバコ取りに行かせたのは何よ！恵子と二人でスタンバイしとるの見えとったやろ？？タバコ取りになんて計画無かったろうもん！！』


『だって…タバコ吸いたくなったっちゃもん♪ﾍﾟﾛﾝｯ♪』





〜２０１２！７月の新メニュー！涙もんですたい♪〜


・中華ウニくらげきゅうりボートのせ　　　　￥４５０
・揚げ出しざるどうふ　　　　　　　　　　　￥４５０
・なめろう青じそ包みあげ　　　　　　　　　￥６８０
・穴子のなすはさみ揚げ　　　　　　　　　　￥７８０
・ホルモンのスタミナラー油炒め　　　　　　￥５８０
・地鶏キムチ焼き　　　　　　　　　　　　　￥６８０
・牛テキ梅ごまソース　　　　　　　　　　　￥９８０
・カッペリーニのフローズンカプレーゼ　　　￥５８０
・アボカドと〜ふアイス　　　　　　　　　　￥３００


夏！恋！海！肝試しにバーベキュッ！
全部まとめてレッツ民らー♪