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経済読書会−東京経済政策研究会コミュの特別イベント:メダリスト為末大さんと議論。活動報告

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東京経済政策研究会(特別企画)2011年8月6日(土)開催の活動報告です。

テーマ:オリンピック招致とその経済社会効果


参加人数:41人
主な参加者属性、職業:アスリート、国家公務員、金融機関、ウェブ会社経営、会社役員、IT会社、弁護士、医師、フリーランサー、学生、ジャーナリスト、新聞社勤務、出版社勤務、ファイナンシャルプランナーetc


流れ:
・司会役の三四郎から勉強会の趣旨を説明するとともに、オリンピック招致の歴史と現状を簡単に解説(10分)。
・為末大さんより公演(50分)
・為末大さんと質疑応答(10分)
・休憩、名刺交換(10分)
・5グループに別れ、事前に用意した論点に沿って、討論(60分)
・各グループのファシリテーターより討論の結果を発表(15分)
・為末さんより講評(5分)
・→二次会(交流会)


為末大さんの講演概要:

1.はじめに
・オリンピックを中心としたご自身の経歴、経験紹介。

2オリンピックの凄さ
?ボーダーを超える。
・選手村では、普段交流することの少ない別種目の選手と交流する機会が増える。
・国や地元の期待などの社会背景から切り離されて活動することで成長する。
?ミームを共有する
・競技を超えて、ミームを共有できる。
・国家によっては、国の税金などもかなり投入されている。オリンピックで学んだものを社会に還元すべき。
?感動
・シドニーオリンピックで、アボリジニーの選手(キャシー・フリーマン)が優勝した。
→社会的コンテクストも含め大きな影響、感動を呼んだ・・・。
?外交
・スポーツ、芸術、科学に携わる人間は各国に独自の人脈を築いている。
→胡錦濤に福原愛が会えるなど・・・。
・アスリートの業績が国民感情を左右することは珍しくない。
→日本への尊敬(なでしこジャパン、野茂)
・平和の象徴
→スポーツをできる環境を作ることで、その国の戦争が減る可能性があり。交流の機会。
?教育
・心身のタフネスが身につく
→トップ以外は必ず敗北する。アスリートは必ず天才に遭遇してしまう。その現実とどう向き合うかということを考える。
?医療
・アスリートの体には運動と食に関する様々なノウハウがある。
・運動で成人病リスクが減少する
・スポーツはある時期のものではなくて生涯楽しめるもの。
?地域
・スポーツで地域のコミュニティが作られる。
→ヨーロッパのコミュニティ(家族、仕事、スポーツの3つ)
・被災地支援。
→被災地にアスリートが入ってスポーツを教えたりする。


3.オリンピックは社会に何をもたらすのか?
・シドニーでは、オリンピックのために街ができていて、将来郵便局になる建物、コンサートホールになる建物といった将来設計を考えた形で、選手村やスタジアムの設計が行われた。
・東京もオリンピックが新しい街をつくるというしっかりしたビジョンを示すべき。
→首都高速がくねくねしているのは、オリンピックのために無理やり突貫工事をしたから・・・。これではダメ。
・スポーツを使って、どうやってコミュニティを作るのか・・・。
地域スポーツがないと、スポーツが成り立たない。
→少子化で体育の先生がいなくなりつつある。
陸上系のスポーツは個人でできるが、チームスポーツ系は人が集まらないとできないので、減りつつある。
・地域スポーツがあると、いろいろな人が参加しやすいので、人々の交流などもできる。
・人間が健康であるために、スポーツは必要。
・体育や運動では、プレッシャーがあるので、もっと楽しんでやるべき。

4.最後に:
オリンピックが未来のデザイン(ライフスタイルの変化)につながるのならば誘致すべきであるし、ただの一時的なお祭りで終わるのであればやるべきではない。



議論:

論点1:オリンピック承知に賛成か、反対か(その理由とともに)。
(主な意見)
・オリンピック招致については賛成がほとんどだが、東京都で開催することについては疑問の声あり。復興のメッセージを出すなら東北(宮城県、福島県等)で開催すべきではないか。
・「コスト」を「投資」と捉えれば、オリンピックを利用して日本の文化や知財の保護保全、よりよい活用も可能となるのではないか。
・人口規模や、外国人観光客の多さを考えると、オリンピック誘致後に施設の再利用や、文化のアピールを行いやすいことから、東京でオリンピックを行うことは地方都市で行う以上にメリットが高いのでは。


論点2:東京へのオリンピック招致により、どのような経済効果、社会効果が期待されるか。
(主な意見)
・オリンピックは開催までが経済効果のピークで、概ね短期的な効果が目立つという意見で一致。
・長期的な経済効果も考慮が必要という意見は多いが、決定的に有効な案は出ず。
・短期的な利益の部分も、テレビ局、広告代理店、建設業者など一部の産業にお金が集中するほか、3兆円といわれる経済効果の試算も信憑性が低い。(中身がわからない)
・オリンピックの開催により、震災以後、離れてしまった外国人観光客が戻ってくる可能性は高く、この点は大いに評価されるべき。


論点3:東京都が誘致を実現するためにはどのような点を「売り」にすべきか。
(主な意見)
・日本では各種マンガ(特にスポーツに関するマンガ:キャプテン翼やスラムダンク等)やアニメーションの文化が発達しており、オリンピックを「スポーツの祭典」から「文化の祭典」として昇華させ、アートやテクノロジーの総合見本市的に実施するべき。
・アスリート自身がもっと広告塔となって国民の支持を訴えるべき。(オリンピック出場経験者が一同に会して活動をすれば、効果絶大。)
・国民・都民の賛成を増やすためには、オリンピックと関連したマラソン大会等を開催することにより、オリンピックを具体的に感じられる仕組みが必要。
またオリンピックに伴う、通勤混雑等のデメリットを明確にし、予めの対応策を示す必要がある。
・コンセプトや東京都の動きだけでなく各競技団体の理事の政治力が重要。国際レベルで動くべき。
・単なる防災ではなく、「省電力」など「環境対策」を視野にいれたストーリーをつくるべき。


論点4:アスリートの所得や雇用はどう確保していくべきか。また、オリンピック等のスポーツイベントが生み出す収益(経済効果)がアスリートにも適切に配分されるためには、どのような仕組みが必要か。
(主な意見)
・Jリーグでもワールドカップ出場中は給料がもらえないことが問題となった。そもそもアスリートに対してちゃんとした報酬を支払うという文化が根付いていないと考えられる。
・スポーツ選手のマネジメント会社が不当に利益を搾取している可能性があるため、是正が必要。
・政治家には政治献金として個人からお金が集まるが、アスリートにはそういう仕組みがない。ウェブ上にポータルサイトをつくることなどにより、「アスリート献金」がもっと活発に行われるようにすべきでは。
・雇われアスリートから、スポンサー等を自分で見つけることができるような自営の精神がアスリートにも求められるのではないか。
・練習や試合との兼ね合いが難しくなるが、大学卒業とともに優秀な選手がスポーツをやめてしまう事を防ぐべく、大学の運動部と実業団を兼ねる事がより容易になるような制度が必要なのではないか。
また中体連から実業団組織までの全体の総括ができる団体を作り、年齢で区分けするのではなく生涯的な観点からスポーツを促進することも必要。
・アスリートが稼げるためのマーケティング人材、組織が欠如している。アスリート用のマーケティング団体を既存の競技団体とは別に作るべき。



講評:

 今回は、アスリートと社会との接点を創出することを目的に活動されているアスリート・ソサエティさんと合同で、オリンピック招致をテーマに勉強会を開催しました。某ビジネス雑誌さんの取材が入ったり、新聞社の記者の方が複数名参加されるなど、いつもとはまた一味違った熱気の中、白熱した議論が行われました。
 個人的には、オリンピック招致をテーマとした議論は非常に楽しく、経済、スポーツの両面から有意義な議論ができたと感じています。参加者の多くは、日本にオリンピックを招致することには概ね賛成でした。為末さんの講演にもあったとおり、オリンピック招致が都市の再生など「未来のデザイン」につながるものとなれば、オリンピック開催は非常に魅力的なチャンスとなります。
 今後、為末さんのような知名度とバランス感覚をあわせもったアスリートの方々が広告塔となり、都民そして国民を巻き込んだ力強い招致活動が進められることを期待したいと思います。
(三四郎)


 ワールドカップや、なでしこJAPAN、フィギアスケートなど、日本でもスポーツ選手が活躍すると、国を挙げて大盛り上がりです。一方で、オリンピックの招致となると、今ひとつ反応が芳しくありません。
反対の理由は「コストとメリットの不明確さ」が常にに挙げられますが、今回の勉強会で感じたのは、「コスト」はあくまで反対のための大義名分なのではということでした。むしろ問題になっているのは、オリンピックを行うための理念、ストーリーの欠如に思えます。
 また、オリンピックに限らず、心身の充実のために常日頃から地域コミュ二ティとして「楽しみとしてのスポーツ」を取り込み発展させることが、ステップとして大切に感じました。
まずは、スポーツの原点に立ち返ってみるのが重要なのではないでしょうか。
(山田案稜)

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