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経済読書会−東京経済政策研究会コミュの東京経済政策研究会(第23回)活動報告(テーマ:グローバリゼーションと長期停滞)

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東京経済政策研究会(第23回)活動報告(テーマ:グローバリゼーションと長期停滞)



論点1
<世界経済は長期停滞に入るという筆者の主張に賛成か?反対か?また、17世紀のヨーロッパの様に、現在が世界の覇権構造(経済構造)の大きな転換点という意見は妥当か?>
【永井チーム】
・反対派の意見として以下のものが指摘された。
(1)筆者の言う「実物投資空間」はアフリカだけではなく、南米など他の地域にも空間的余地があるのではないか。
(2)日本で行われているビジネス(コンビニ、百貨店など)を海外で行っていく余地があるため、経済成長はまだ可能。
・賛成派の意見として以下のものが挙げられる。
(1)特に日本は人口減少で需要は減少。供給過剰な状態で、経済停滞は免れられない。
(2)安価に資源を活用することができなくなる以上、経済成長は望めない。

【山田チーム】
・先進国から見れば経済停滞だが、貧しい国で生活が豊かになる人数の方が圧倒的に多く、長期停滞という見方は先進国中心的である。
・資源や食料価格が上がれば、途上国でも食料が買えなくなる可能性があるため厳しくなる。
・G7からG20が影響力を持つようになるなど、明らかに覇権構造が変わってきている。

【早馬チーム】
そう思う6名・そうは思わない2名
(そう思う)
・現在既にデフレ・少子化などが発生している。
・経済自体が飽和しているのではないか。
・成長の定義をGDPとした場合は、マイナスとなる。
・環境という観点から、成長は地球に対して限界ではないか
(そうは思わない)
・ヨーロッパはユーロ危機、日本は円高で厳しいが、アメリカは人口も増えているの
で、成長するだろう。
・新興国はまだまだ貧しく、成長できる。


論点2
<筆者の主張の通り、世界経済(特に先進国)が30〜40年基準で長期停滞に入るとすると、日本は国家として対応する術はあるのか。また必要な政策などを議論。>
【永井チーム】
・主に、エネルギー資源関連、食料資源関連について以下のものが指摘された。
(1)エネルギー資源:技術革新によってエネルギー効率を上げることによって、利益への圧迫を避けるべき。原子力を海外(地震も津波も発生しないような地域等)に売るべき。
(2)食料資源:国内の農業の自由競争を活発化させるべき。農業関連のベンチャー企業も出てきており、その流れを活性化させるべき。

【山田チーム】
・工業製品の大量生産に頼る経済は危険。観光事業などに力を入れ、内需を盛り上げていく必要がある。
・世界中の資源の権益を早期に抑えておくこととあわせて、代替エネルギーの開発に力をいれるべき。
・IT、コンサルティングなどの知的産業は、ほんの一握りの人しか高い給与をもらえないので反対。雇用が生まれるどころか奪う可能性もある。
・人が必ず必要で、雇用を確保できるという観点から、介護職は有望。特に海外に輸出得きるノウハウをまとめることで、新しい輸出成長産業へ。


【早馬チーム】
・農業を強化し、自給率を上げ、失業率を減らす。
・働きやすい環境を整備して、女性を活用する。
・社会保障を充実させ、内需を拡大する。
・税金の無駄遣いをやめて、頑張っている人により分配し、社会の新陳代謝を促す。
・技術力やエネルギーなどの強みを活かす。プリウスのようにブランド化する。
・為替政策を強化する。
・インフレを起こす。
・国家としてはできることが少ない。
 →一人一人が日々の努力で変えていくしかない。


論点3
<長期にわたって経済停滞が起きた場合、個々にとって、平均給与が低下する以外に具体的にどんなデメリットが発生するか?私たちが充実した生活をおくるためには、個々人でどのような解決策があるか。>
【永井チーム】
・主に以下3点が指摘された。
(1)海外生活:一つに地域で仕事・生活をするライフスタイルを改め、個人のライフスタイルに合わせて海外でも生活できるようにすべき。
(2)投資家:筆者の主張では、雇用者報酬が減り、投資家が利益を得ているとしている。従って、雇用者報酬を受けるだけでなく、投資家になって利益を得ればよい。
(3)シェアリング:家族などの共同体を個人レベルで再生させ、シェアリングすべき。

【山田チーム】
・インフラの質が低下して、道路や橋などが荒れて危険になる可能性がある。
・大家族で生活するなど、まだまだ工夫の余地はある。
・長期停滞は、お金を持つ人と持たない人の格差を広げる可能性がある。
・個人としては、儲かる業界に乗り続けられるように社会の流動性に対応できるスキルを身につけるべき。

【早馬チーム】
・有事の備えとして、貯蓄などお金を管理する。
・自分の強みを見つけて伸ばす。
・子供の教育に力を入れる。
・長期停滞の問題は世代間格差の問題でもあるのでは?
 →選挙に行く。
・幸せのあり方を考え直す。


論点4
<筆者の議論への賛成意見、反対意見を踏まえながら、今後の欧州を中心とした債務危機は、どのような方向へ進むと思われるか?(自由討議)>
【永井チーム】
・筆者の主張では「近代化」の終わり故に長期停滞が発生する。従って、欧州危機が無事に終息したとしても長期停滞は避けられない。
・ギリシャの離脱も視野に入れつつ、EU体制を見直すべき。
・マネーサプライの著しい増大により、他地域でバブルが発生する危険がある。

【山田チーム】
・EUという仕組みそのものがだめになるか、ギリシャのような問題のある国をEUから外すしか未来はない。
・日本人は真面目なので、危機になると、増税を受けいれたり、歳出削減に応じたりと、意外とうまく乗りきれるのでは。

【早馬チーム】
・株式市場は縮小しつづけるであろう。
 →しかし、それが資本主義の姿ではないか。これまで大きくなりすぎたのでは?
・長期停滞したとしても、あきらめてはいけない。
・労働は重要である。(働かざるものは食うべからず)


講評
【永井】
筆者の主張に対しては懐疑的な意見が多かったように思えます。その原因として主に以下の2つがあるのではないかと感じました。
(1)実感とのズレ:日頃のビジネスの経験と筆者の主張とに乖離があるように思います。特に「実物投資空間」の限界についてです。グローバビジネスの観点からはまだまだ世界の各地域に空間的余地があるのではないか、というのが実感です。
(2)一面的:筆者の分析が一面的ではないかと感じます。例えば、雇用者報酬は減少し、投資家が利益を取っていくというのをネガティブな要因として主張されていますが、雇用者は同時に投資家としての面も持ち合わせることができる時代ですので、必ずしもネガティブなインパクトにはならないでしょう。また、世界人口は2050年には90億人(現在70億人)に達すると予想されています。人口成長は経済成長の牽引役の1つですから、必ずしも経済停滞とはならないでしょう。
個人レベルではグローバリゼーションの流れの中で、30年〜40年先にどのような変化があるのか見極めつつ、自らのライフスタイルを設計していく必要があります。グローバリゼーションには多大な恩恵もあるのも事実でしょうから、それをうまく活用していくことが個人には求められているのではないでしょうか。

【山田】
 世界経済への見通しとして、大変悲観的な内容の著書を取り扱いましたが、参加者の多くは、日本を始めとした先進国の未来には明るイメージを持ちにくいという考えを強くもっているように感じました。
 一方で、先進国のみならず中国なども含めた世界中の高齢化社会の到来により、介護など需要が急増する産業も存在します。長期停滞の可能性があるからこそ、痛みを伴ったとしても製造業など工業製品の大量生産モデルから、新たな産業のモデルへ徐々にシフトすることを本気で考えていかなくてはいけないように強く感じます。

【高橋】
かなり寒い日でしたが、参加者は80名に達し、課題図書の厚さに負けない熱い議論が交わされた読書会でした。
本の中にもあった、将来、給与が半分になるというようなことは衝撃でしたが、低成長を前提とした生き方として、週休3日制とかワークシェアリングなどの導入については、(意外にも)比較的受け入れられやすい雰囲気を感じました。ただ、そういう価値観には理解をしめしつつも、とはいえ今後もイノベーションがおきるという期待を持っている方が多くいたように感じました。
個人的には、上場企業の社員の給与は下がっていったとしても、それぞれの努力に応じ、会社の利益を社員に公平に配分するといったことをやれる中小企業があれば、そこに人が集まり、そういう組織が今後の新しいモデルのひとつとなるような気がしています。

【早馬】
今回の勉強会は、寒い中にもかかわらず、80名ものたくさんの方に参加していただ
きました。ありがとうございます。
テーマはグローバリゼーションと長期危機というネガティブなテーマにもかかわらず、数多くの方にお集まりいただいたことは、逆に皆様が普段の生活の中ででも、なんらかの危機感を抱いていらっしゃるのではと思いました。
著書にあるように、日本経済は特に長期停滞すると感じている方が多かったのですが、それについては諦めていはいけない、一人一人の行動が社会を変えていくのだという、非常に頼もしい意見が多く出されました。
先の見えない暗い世の中ですが、TSEPという存在が皆様の心の柔軟剤になれれば幸甚です。



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