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経済読書会−東京経済政策研究会コミュの東京経済政策研究会(第10回)活動報告

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テーマ:社会保障その2(ベーシックインカム)

参加人数:11人
主な参加者属性、職業:国家公務員、ウェブ会社経営、保険会社勤務、弁理士、弁護士、WEBプロデューサー、派遣社員、学生、etc

流れ:
・冒頭、主催者の三四郎が研究会の趣旨を説明。
・発表担当者の三四郎から、課題図書の概要を30分程度で説明。
・その後、各参加者が簡単に自己紹介。
・事前に用意した論点に沿って議論。


全体:
・「ベーシックインカム入門」を課題図書に、ベーシックインカムのメリット・デメリットや財源論について議論。
・参加者の多くは、財源的に実現可能であればという留保は付くものの、ベーシックインカムに賛成する意見が大宗を占めた。
・ベーシックインカム導入による労働市場や経済成長への影響については、参加者から様々な意見が示され、制度導入後の予測不可能性の高さが窺われた。
・ベーシックインカムの財源については、発表者によるざっくりとした想定計算では現行の社会保障費の組み替えによってある程度確保できるとの結果となったが、より詳細には年金特会の内訳などを精査する必要があるため、今後の課題として残された。


主な議論:

論点:ベーシックインカムのデメリット、デメリットは何か。

(主な意見)
・年齢層によってメリット、デメリットが異なる。おそらく高齢層から若年層に所得の移転が起きる可能性が高い。
・ベーシックインカムにより、芸術活動などの創造的活動を自由に行ないやすくなることが予想されるが、経済的な評価を受けない活動を保護すべきかどうかは難しい問題。特に、半社会的な活動をしている人にも無条件で支給されるのは問題があるのではないか。また、ひきこもりが増加するおそれもある。
・多様な価値観を認める観点からも、「働かない」という選択や「反社会的」活動も許容される自由な社会が望ましいのではないか。
・BIの支給額を全国一律にすれば、物価(家賃)の安い地方へ若年層の人口移動を促進させる効果があり、地方活性化につながる可能性があるのではないか。
・ベーシックインカムを導入するために増税を行うのであれば、優秀な人材が海外に流出するおそれがある。
・消費性向の高い若年層に所得の再分配が起こるため、消費が増える可能性がある。
・BIの支給により労働者の交渉力が増し、賃金が上がるため、インフレが懸念される(これに対し、現状デフレなので多少のインフレになるのは良いことではないかとの反対意見あり)。
・全体としては、世代間格差の是正や、イノベーションの起きやすさ、ゆとりのある生活というメリットからベーシックインカムそのものには肯定的な意見が大宗を占めた(参加者にアンケートしたところ、賛成5名、反対1名、保留5名という結果)。


論点:ベーシックインカムの導入によって、社会(特に、労働の概念)はどのように変わるか。

(主な意見)
・ワークシェアリング的な働き方が今以上に増えることが期待される。障害者なども短時間、低賃金で働くことが可能になるのではないか。
・労働者が嫌な仕事をやめるという選択肢を取りやすくなり、ブラックな企業が減ることも予想されるので、自殺者が減る可能性が高い。
・働かなくても生きていけるため、労働せず怠惰になる人が増えるおそれがある(一方で、BIを生きるために最低限必要な額に設定すれば、よほど質素な人を除いて労働へのインセンティブは失われないとの意見もあった)。


論点:仮に日本でベーシックインカムを導入する場合、妥当な支給額(月額)はいくら程度か?また、ベーシックインカムの財源はどのように捻出すべきか?

(主な意見)
・支給額は、生きるために最低限必要な額として8万円程度が妥当との意見で一致。
・結婚した方が生活費が浮くため、結婚が促進されるのではないか。また、BIが子どもにも支給されるのだとすれば、子作りが促進される効果もあると考えられる。
・BIを安定的に支給するためには中長期的な国の歳入計画をしっかりと作ることが前提になる。BIの導入によって経済成長が阻害され、税収が減るようなことになれば、制度を持続させていくことは困難ではないか。



講評:
 今回は、運悪く研究会に合わせるように台風が直撃してしまい、直前で何名かキャンセルが出てしまいました。結果10名程度といつもより若干少なめの参加人数となりましたが、ベーシックインカムを題材として、予想していたよりも活発な議論が行われました。議論はベーシックインカムのメリット、デメリットを中心に行われましたが、メリット、デメリット双方の観点からバランス良く意見が出され、主催者としても非常に理解が深まりました。財源論については、年金特会の内訳などを確認した上で、主催者が改めて精査することになりました。
 ベーシックインカムは、実現性が乏しい絵空事のように思われがちですが、今回の参加者は総じて現実的、前向きにとらえていたのが印象的でした。今回の議論をきっかけに、「経済社会構造の変化に適合した社会保障の在り方」というテーマについて、引き続き議論を深めていければと思います。
(三四郎)


 テーマが絞られていたので、とても密度の高い議論ができたと感じました。ベーシックインカムは、全員に同等のお金が配られることから、非常に優しい制度と誤解されていることが多いのですが、事実としてはその逆で、かなりシビアな側面もある制度です。そういった点も踏まえた上で、今回の参加者の皆さんがベーシックインカムに対して肯定的であるのを見て、あながち現実的でない制度でもないのではと感じました。
 実際に、「子ども手当」なども、高齢者有利の政治状況の中で実現するなど荒唐無稽のはずだったのですが、世論(?)の反発を押し切り実現しています。現状の社会保障制度がこのままでは厳しいというのは多くの方々が認識している事態ですから、代替案として様々な考え方を検討することには価値があるのではと思います。
(Aryu)

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