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経済読書会−東京経済政策研究会コミュの東京経済政策研究会(第5回)活動報告

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6月12日に開催した、第5回研究会の活動報告です。

WEBにもアップしてあります。
http://keizaikenkyu.com/houkoku/houkoku05.html


今回は、話題の「デフレ問題」について、若干専門性の強い課題図書を取り上げて議論を行いました。
参加者は13人でした。
意外にも、デフレが必ずしも悪玉ではないという意見が散見され、興味深い議論になりました。



次回は、「イノベーション」をテーマに議論をしていきたいと思います。
次回の課題図書は、読みやすく、具体事例が中心です。
↓(第6回勉強会の活動案内です)
http://keizaikenkyu.com/economy/dokusyo06.html



(以下議事録です。)
============================
テーマ:デフレ問題


参加人数:13人
主な参加者属性、職業
経済産業省、経営者(ウェブ会社、IT会社)、フリーランス、NPO法人勤務、FP、学生etc


全体:
・デフレとインフレについて論じた「デフレとインフレの経済学」を題材に議論。
・当初、リフレ派と、構造派に分かれて議論が行われるかと予想していたが、参加者の中にはリフレ派はゼロ。金融政策により、国内のインフレ率を制御するのは難しいという意見が大勢。また、そもそもデフレそのものが根源的に悪いのかという限定にも、疑問を持っている参加者が多かったのが印象的。
・世界全体がディスインフレ傾向になっているなかで、デフレを「克服」するのではなく、デフレによる悪影響を吸収する(メリットを生かす)国家戦略を考えるのも方向としてありうるとの提案がなされた。
・また、グローバル経済の動向や国内の人口動態をみると、日本のデフレは間もなく終わるのではないかとの意見もあった。


流れ:
冒頭、発表者の三四郎から、課題図書のポイントを40分程度で解説。
その後、各参加者が自己紹介。
残りの時間で、事前に準備した論点を中心に議論。


議論:

論点1.債務負担増大効果以外に考えられるデフレのデメリットはなにか。
・債務負担増加効果によって実際に大型消費(住宅など)の抑制効果がみられるとの指摘あり。
・また、デフレによって、家計の可処分所得が減少するとともに、企業が正社員の採用を抑制する傾向が見られるとの指摘あり。
・デフレが続くということによる心理面での悪影響も大きいのではないかとの意見あり。関連して、デフレの下では企業は冒険的な商品開発を行う余裕をなくし、結果イノベーションが阻害されるとの指摘がなされた。

論点2.物価下落率は何%まで許容されるか?
・インフレについては大体2%までが許容されるというコンセサンスがあるにも関わらず、デフレに関しては何%を超えたら危険という水域が議論がなされないのは不思議との意見あり。
・許容される物価下落率については、特段の意見は示されなかったものの、1〜2%程度の物価下落率であれば、需要抑制効果はそこまで大きくないとの意見で一致。
・デフレ時の企業の債務負担を減らすためには、物価連動型融資など、デフレの悪影響を受けない制度を構築するのが重要との意見で一致。一方で、銀行融資については、制度融資による縛り等もあり、物価連動型にするのは難しいのではないかとの指摘もあった。


論点3.デフレのメリットは何か?
・税制は累進的であることから、デフレは税負担を大幅に軽減するメリットがあるとの指摘あり。
・また、企業・家計所得の減少率よりも物価下落率の方が高い状態を維持できるのであれば、企業・家計の実質所得が増えるメリットもあるとの指摘あり(現に100円ショップの登場は我々の生活を豊かにしている)。
・結局、デフレそのものよりも、所得の増減とその適正な配分の方が、私たちの生活にとって本質的な問題なのではという意見が太宗を占めた。


論点4.デフレのメリットを最大限に生かすための国家戦略如何。
・日本独自の高付加価値の産業で高所得を稼ぎ、競争の激しい低付加価値の分野は、逆に積極的に海外から安い商品を輸入すべきとの提案がなされた。
・これに対し、新興国市場が拡大する中では、高付加価値産業のみならず新興国市場をターゲットとした低価格商品でも勝負しないと厳しいのではないかとの反論あり。(関連して実際に日本はBOPビジネス(低所得者層をターゲットとするビジネス)が弱いとの指摘あり。)
・新興国市場の獲得については、水道、道路などのインフラ輸出が重要との意見あり。


論点5.グローバル化がデフレの主因であるとする著者の主張は正しいか。
・概ね参加者全員が同意。ただし、日本だけが特に強いデフレ傾向にある点については、さらなる分析が必要との指摘あり。


論点6.日本だけがデフレになっているのはなぜか?
・日本はあくまで他の先進国に先んじてデフレに突入したにすぎず、近い将来他の先進国もデフレに突入する可能性が高いとの意見で一致。
・日本が先んじてデフレに突入した理由としては、物価水準が異常に高かったこと、物価の低いアジア諸国からの輸入が多いなどが指摘された。
・一方で、日本の人口動態(高齢化による需要不足)もデフレの大きな要因の一つではないかとの意見も示された。(バブル崩壊後でも輸出が増加していること、国内の需要不足と海外との取引が連動していないこと。逆に、労働者人口の推移と国内需要が連動していることを根拠。)


論点7.日本のデフレはいつまで続くと考えられるか。またその根拠は。
・日本のデフレはそれほど長くは続かないのではないかとの意見が太宗を占めた。
・中国の労働人口ピークが2015年であり、人件費の高騰などが予想されることから、今ほど安い価格で商品が日本に入ってこなくなる可能性があるのではないかとの指摘あり。
・100円ショップが200円ショップになる日が来るのではないかとの具体的な予測も示された。
・国内の人口要因では、「団塊ジュニア世代」が最も消費が増える年齢(40〜50歳)に突入するため、一時的に消費の増加が予想される。



総評
今回取り上げた課題図書はかなり専門的な内容だったにも関わらず、多くの方が参加され、議論も盛んに行われました。いかに「デフレ」が私たちの中で関心のある問題なのかを再確認しました。一方で、デフレをそこまで「悪玉」と見なさない参加者も多く、デフレを一方的に解決すべき問題とされなかった点も印象的でした。
議論の中では、デフレの構造的な問題だけではなく、それに関係した私たちの就職、労働の在り方などまで話が及び、現実的には、物価の上下以上に、私たち個々人の就職及び転職の機会や、それに伴う所得の増減との関係の中で議論されるべきテーマなのではという思いを強くしました。

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