眠れぬ夜の物語コミュの大切な人に出会った君へ

3月12日

突然だけど、今日は「選択」について書いてみようと思う。
この世の中における奇跡や偶然というものの多くはおそらく、人々の選択が折り重なってできている。僕は今そう思う。
今自分が日本のこの街でこうして日記を書いているのも、遠い先祖がこの地にやって来て多くの人に出会い、その中の誰かと恋をして子供を作って産む選択をして、そうして産まれた子孫である僕が日記を書くことを選択したからで、

それは必然に見せかけた途方もない奇跡。

僕と君が出会ったのだって、何千、何万、ひょっとしたら億よりも多い選択が重なって、なんとか作りあげられた奇跡だったんだ。
それなのに僕は出会った一つの偶然しか見てなくて、君を大切にできなかった。出会いなんて、恋なんて、いくらでも転がってると思ってた。

君が僕でない相手を選んだのは必然。

そりゃ、出会いなんていくらでもあるよ。君が僕を選ばなかったことで、僕はまた別の誰かとの未来を選択できるかもしれない。その未来は、君と描く未来より素敵なものになるかもしれない。
けど、君は君だけ。似たような人はいるかもしれないけど、選択肢の網を掻い潜って僕の前に現れた君は君一人なんだ。
きっとこれからどんなに楽しい事が起こっても、僕は君を忘れない。君をちゃんと大切にできなかった後悔が、きっとどこかで沸き起こる。君と描く未来はどうだったのか、きっと想像してしまう。呪いのように。
でも、これは恐らく罰なんだ。出会いを大切にできなかった僕への。

罰であり戒め。

だからもし次に誰かと出会えたら、その縁を大切にしよう。大切に大切にして、それで駄目なら後悔はしない。
きっとこんなに心は痛まない。

こんなに、胸が張り裂けそうな気持ちには……。

大好きだった。大好きだったよ、本当に。もっと大切にしたかったんだ、本当は。
だから、図々しいけど最後に一つだけお願いがある。

絶対幸せになって。

君のした選択が間違っていなかったんだと、僕にはっきり分からせて。そうしたら、きっと僕は呪いから解放される。

もう何が書きたいのかよく分からないや。溢れる何かでノートもよく見えない。
こんなの誰かに見られたら笑われるな。
けど、もし誰かがこの日記を見ることがあるなら
忘れないで。

出会いは途方もない奇跡によって作られてること。

そして、もし既に誰かと出会っているなら、
その人を大切にしてあげて。

以上、失ってから気づいた先輩より。