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海洋基本法コミュのアルゴ計画について

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「Japan Argo」より、

・アルゴ計画・日本公式サイトより

http://www.jamstec.go.jp/J-ARGO/index_j.html

アルゴ計画は、世界気象機関(WMO)、ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)等の国際機関および 各国の関係諸機関の協力のもと、全世界の海洋の状況をリアルタイムで監視・把握するシステムを構築する 国際科学プロジェクトです。

日本では、 外務省、 文部科学省 (実施機関:海洋研究開発機構)、 水産庁、 国土交通省、 気象庁、 海上保安庁 が協力してアルゴ計画を推進しています。

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ちなみに、アルゴ(Argo)という名前は、ギリシャ神話の「アルゴ船物語」に登場する船に由来しています。

アルゴ船物語 〜序章の要約
その昔、テッサリアのイオルコス王ペリアスは、将来自分の王権が片足サンダルの者に 脅かされるという神託(神のお告げ)を受けます。
ある日、ペリアスがもうけた宴に出席しようとした甥のイアソン(Jason)は、 途中川を渡る際に片方のサンダルを失くしてしまいます。 これを知ったペリアスはイアソンを亡き者にすべく、王位を譲るという条件で、 命懸けの冒険を命じました。
その冒険とは、遥か黒海の東の国コルキス(現在のグルジア)にあるという 「黄金の羊の毛皮(金羊皮)」を持ち帰るというものでした。 この金羊皮は王権を護る宝として、眠らぬ龍が見張りする森の神殿に奉られていて、 遠い国からこれを奪取して生還することは誰にも出来ないと信じられていたのです。

しかし、イアソンはこの危険な冒険に挑戦します。 神託によってオルフェウスやヘラクレスなどギリシャ中の名だたる勇者達がこの冒険のために集められ、 その一人であったアルゴスが女神アテナの導きを受けて、50の櫂を持つ巨船「アルゴ」を建造します。
かくして、イアソンは多くの仲間とともにこのアルゴ船に乗り、 数々の試練が待ち受ける大航海に勇躍出帆するのでした・・・

このアルゴ船はアテナによって星座の中にもたらされ、アルゴ座になったと言われています。 ただしあまりに大きすぎたため、18世紀にらしんばん(羅針盤)、ほ(帆)、とも(艫)、 りゅうこつ(竜骨)の4つの星座に分割され現在に至っています。

そして21世紀、アルゴ船は最新の海洋観測システムとして生まれ変り、 レーダー海面高度計を搭載した観測衛星「Jason」とともに 未知なる海洋内部を解き明かす大航海に今まさに乗り出したところなのです。
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アルゴ(Argo)計画とは・・・

西暦2000年、地球全体の海洋変動をリアルタイムで捉えることを目指した 前例のない大規模な国際プロジェクト=Argo(アルゴ計画)がスタートしました。

アルゴ計画の要(かなめ)となるのは、水深2,000mから海面までの間を自動的に浮き沈みして 水温・塩分等を測定することができるアルゴフロートと呼ばれる観測機器です。 アルゴ計画では、このフロートを世界中の海洋で約3,000台稼動させることを目標の一つとしています。 これが達成されると、深層を除く海洋の全体構造が約300km平均間隔(緯度・経度にして約3度毎)で 実況として捉えることが可能になります。

2007年現在、アルゴ計画に参加しているのは20カ国以上に上ります。 この内、特に積極的にフロート展開を行っている国はアメリカ、 日本、フランス、ドイツ、韓国、オーストラリア、イギリス、カナダ、インドなどです。

参考: 各国のフロート分布状況図 (国際アルゴ情報センターのサイト)

日本におけるアルゴ計画日本では政府が推進する ミレニアム・プロジェクトの一環として2000年度から2004年度まで文部科学省と国土交通省が連携し、 関係機関の協力の下、『高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築』を実施してアルゴ計画を推進して きました。( 「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」最終評価報告書)

なお、2005年度以降もアルゴ計画にオール・ジャパンの体制で積極的に参加するため、 関係機関と学識経験者から構成される「アルゴ計画推進委員会」を設置して 国内の協力体制を維持・強化しています。

アルゴ計画の目的 海洋は地球表面の7割を占め、その熱容量は大気のおよそ1000倍といわれています。 海水は大気に比べて暖まりにくく冷めにくい性質を持っているため、気温ほど激しい温度変化は しませんが、何らかの原因でひとたび広範囲で海面水温が大きく変化した場合には、 大気に大きな影響を及ぼします。 実際にエルニーニョ現象が大規模な気候変動を引き起こしていることからも分かるように、 海洋は気候変動に重要な役割を果たすと考えられています。

海洋と大気との間では海面を介して熱、運動量、水(蒸気)などの交換が行われますが、 海中に入った熱は海流や渦、湧昇・沈降、混合などにより海洋内部に再配分されます。 一部は深海まで運ばれ、海洋深層のゆっくりとした循環に乗った末に再び海面に戻り、 10〜100年単位の気候の変化に深く関係している過程も存在すると考えられています。

このような海洋内部の熱輸送過程を解明するには、観測によって実態を把握する必要がありますが、 船舶やブイ、人工衛星などを用いたこれまでの海洋観測システムでは、海洋内部の観測密度が きわめて小さく、不十分なものでした(左図参照)。

アルゴ計画によって海洋中層(水深2000m程度)までの観測網が整備されれば、 海洋内部の詳細な変化が把握できるようになり、将来的には季節〜10年スケールの気候変動予測の 精度向上につながると期待されます。

アルゴのしくみ アルゴフロートには自身の浮力を調整する機能が内蔵され、 海中に投入されると先ず予め設定された漂流深度(通常1000m)まで沈みます。 一定期間(通常10日間程度)その深さで漂流した後、いったん観測最深層(通常2000m)まで降下してから 海面に向かって浮上します。
フロートは最深層から海面に浮上する間に水温や塩分等の鉛直分布を観測し、 海面浮上後にアンテナから電波を発射して衛星経由で観測データを伝送します。 通信が終わると、再び漂流深度まで沈みます。 アルゴフロートはこのような沈降/浮上サイクルを約140回、通常の設定で3〜4年にわたって 繰り返せるように設計されています。
アルゴ計画で目標の一つとされている、3,000台のフロートが世界中の海洋で稼動する状態が実現すると、 年間100,000件程度の水温・塩分の鉛直分布が ほぼリアルタイムで取得できるようになります。

全てのアルゴフロートデータは、原則として取得後24時間以内にGTS(全球気象通信網)を介して 世界中の気象機関などに配布され、中・長期予報のための数値モデルに入力するデータとして利用されます。 さらに6ヶ月以内に科学的に高度な品質管理を施されたデータがインターネットにより提供され、 世界中の研究者等によって、より詳細な研究の資料として活用されることになります。

この全地球規模のプロジェクトは国際的な理解と協力なしには到底成し得ないものです。 そのため、実行計画の科学的な検討や技術的課題など、国際的な枠組みの中で解決すべき問題については、 国際アルゴ運営チーム(AST)を中心に各国の研究者、技術者、行政官等様々な立場の人達が連携する 独自の体制が構築されています。

今後もさらに多くの国や組織が、フロートの展開・投入支援・データ解析/データ同化など様々な場面で アルゴ計画に参加し、この画期的な海洋観測網が発展・維持されることが期待されています。

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「アルゴフロートの投入・回収に協力して頂いた船舶」

日本のアルゴフロートは、以下の官庁・研究機関・大学・高校等の運用船舶の協力によって展開されています。

おしょろ丸(北海道大学)、海鷹丸(東京海洋大学)、望星丸(東海大学)、 湘南丸(神奈川県立海洋科学高等学校[旧・三崎水産高校])、 日新丸・海幸丸(日本鯨類研究所)、第二昭南丸(国際捕鯨委員会・日本鯨類研究所)、しらせ(国立極地研究所)、 照洋丸・開洋丸(水産庁)、耕洋丸(水産大学校)、北光丸(北海道区水産研究所)、若竹丸(北海道区水産研究所/北海道教育庁)、 若鷹丸(東北区水産研究所)、たか丸(水産工学研究所)、第八白嶺丸(水産総合研究センター開発調査センター)、 拓洋・昭洋・天洋・明洋・海洋(海上保安庁)、凌風丸・啓風丸・高風丸・清風丸・長風丸(気象庁)、 白鳳丸・淡青丸(東京大学海洋研究所/JAMSTEC)、みらい・かいよう・よこすか(JAMSTEC)
写真1
中層フロートの月毎の投入数と稼動数(2000年1月〜2005年12月)

棒グラフ(青)は月毎の投入フロート数を、折れ線グラフ(赤)は、各月において直前30日以内に観測を行っている稼動フロート数を示す。アルゴ情報センター(AIC; http://argo.jcommops.org/)の情報に基づく。

写真2
2006年2月9日現在、2151個のフロートのデータが、全球気象通信システム(GTS)を通じて、国際的にリアルタイムで交換されている。これらのフロートのうち、日本が投入したフロート(図中、赤丸)は311個である。


海洋の気候への役割を理解し、気候の予測を行うためには、世界中の海洋の状況を詳細に知ることが不可欠である。そこで、世界の海洋を常時観測するシステムとして「Argo(アルゴ)1計画」が提唱された。この計画は、海面から深さ 2000mまでの間を自動的に浮き沈みしながら水温・塩分を観測して、そのデータを衛星を経由して通報する観測機器(中層フロート;図1)を、世界中の海に約3000個投入することによって、常時全海洋を観測するシステムを構築するものである。Argo計画は、世界気象機関(WMO)やユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)などによる国際的な協力のもとに推進されている。
2000年から中層フロートの投入が開始された。その後、中層フロートの運用数は順調に増加し(図2)、 2006年2月には約2200個の中層フロートが常時観測を行っている(図3)。現在、我が国をはじめとする23か国と 1地域(EU:欧州連合)がArgo計画に参加しており、中層フロートの運用数は2006年中にも目標の3000個に達する見込みである。

中層フロートから通報されたデータは、すぐに気象データ交換のための全球気象通信システム(GTS)をつうじて、国際的に交換され、海水温予測やエルニーニョ現象の監視・予測などの気象・海洋業務に利用されている。また、これらのデータはアメリカとフランスに設けられたアルゴ全球データセンターに収集され、インターネットをつうじて世界中の利用者が無償、無制限で利用できるようになっており、海洋内部の水温・塩分・貯熱量等の変動や中層フロートの漂流深度での大規模な流れの把握、水塊の形成過程の解明など、気候や海洋の調査・研究に活用されている。
我が国では、政府のミレニアム・プロジェクトの一つである「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」に気象庁・文部科学省などが連携して2000年度から5か年計画で取り組んできた。我が国はこの成果を活かし、引き続きArgo計画を推進している。
気象庁は、我が国の中層フロートのデータを、GTSおよびアルゴ全球データセンターにリアルタイムで配信するとともに、 GTSをつうじて全世界の中層フロートのデータを、リアルタイムで収集して内外の関係機関に提供する「アルゴリアルタイムデータベース」を運用している。また、中層フロートのデータを含む世界の海洋データを利用して、エルニーニョ現象や海水温・海流などに関する情報の作成・提供を行っている。


1 Argo(アルゴ)計画という名前は、ギリシャ神話に登場する英雄Jason(イアソン)がその仲間とともに、黄金の羊毛を捜し求めるために乗った船アルゴ(Argo)号にちなみ、宇宙から海洋を観測する海面高度衛星Jasonと対をなすものとして名づけられた。

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