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農援隊コミュのアメリカのベンチャービジネスの考え方

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マイミクの日記で紹介していた記事を、了解を得て、転載します。

2014年12月10日、スウェーデン・ストックホルムで、2014年のノーベル賞授与式が開催。

1979年、徳島の日亜化学工業で技術者としての第一歩を踏み出した

中村修二氏(現・米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)は、青色発光ダイオード(LED)の開発で、ノーベル物理学賞の共同受賞という栄誉。

今、中村氏は何を思うのか?

現在、過去、未来について、同氏がその思いを吐露した受賞決定直後のインタビュー(2014年10月下旬実施)を、2回にわたって紹介。

――ノーベル賞の受賞、おめでとうございます。

今年(2014年)、受賞しそうだという感触はあったのか?

中村 過去のノーベル物理学賞は、分野ごとに順番で受賞している。

発光ダイオード(LED)のような固体物性分野は、4年置きに受賞。

その順番からいえば、今年は固体物性が受賞する年。

「ひょっとしたら」という感じはあった。

周囲の様子からも、何となく兆候を感じていた。

ノーベル賞発表の日は、なかなか眠れなくて。明け方に電話がかかってきて、「ああ来たか」と。

――ある程度、受賞する予感があった。

中村 今年受賞できなければ、もう青色LEDでは難しいのかなと。

青色LEDの製品を発表したのが1993年で、もう21年もたっている。

■世の中に役立ったことが認められた

――ノーベル物理学賞は、基礎理論を対象にすることが多い。

青色LEDの実用化という「ものづくり」が受賞したことについて、どう思ったか?

中村 今年もらえなかったらダメかなと考えたのは、

「やはり、ものづくりではもらえないんだ」という思いもあった。

4年前、固体物性分野で受賞したのは「グラフェン」。

グラフェンの本格的な応用はまだ先で、基礎理論を固めて

「将来、あんなことやこんなことに使える」と言っている段階。

応用ではなく理論で受賞というのが、これまでのノーベル賞の傾向。

実際に製品まで作った「ものづくり」に対する授与は、ゼロではないですけれど珍しい。

――青色LEDを基にした白色LEDが、世の中に大きなインパクトを与えたと認められた。

中村 省エネルギーに大きく貢献したことが認められた。世の中にいかに役に立ったかが重要だった。

――中村さんはベンチャー企業を立ち上げているが、ベンチャーキャピタルの見方に変化はあるか?

中村 ノーベル賞をもらった人間がいるというので、変化はあった。

あるベンチャーキャピタルなどは、私がノーベル賞をもらうことが発表されたその日に入金してくれた(笑)。

――ほかの企業から誘われたりは?

中村 もうメールで何件か来ている。

■半導体レーザーで革新再び

――現在のお仕事について。どこの企業など仕事をしているか?

中村 韓国のソウル半導体の技術コンサルタントをやっている。米ソラ(Soraa)というベンチャー企業のファウンダー(創業者)の一人。別のベンチャー企業にも、ファウンダーとして関わっている。

――「別のベンチャー企業」というのは、何を手掛ける会社か?

中村 レーザーダイオード(半導体レーザー)。レーザープロジェクターへの応用を想定。

このプロジェクターを使えば、床や天井などあらゆる場所に、映像を投影できる。安価に大画面を実現できる。100インチが30万〜50万円。同等の液晶テレビであれば、200万〜300万円はする。

高出力のレーザーを光源にすることで、明るい場所でも液晶ディスプレーと遜色なく表示できる。

現在、青色半導体レーザーの出力は製品レベルで3ワットほど、これから出力はどんどんと上がる。

――そもそも、なぜレーザーのベンチャーを立ち上げたのか?

中村 企業秘密になるのであまり詳しく言えないが、青色LEDの発光効率向上には限界がある。発光強度を高めるために、駆動電流の密度を上げすぎると、発光効率が低下してくる「ドループ」という現象がある。これは物性に由来するものなので、今のところ解決の方法はない。

開発しているレーザーには、この現象がない。理論的には効率が100%に。

最近は、ドイツBMWなどが自動車のヘッドランプにレーザー照明を利用。

従来のランプだと、100mだった照射距離がLEDで300m、レーザーにすると700mまで延びる。

目にレーザー光が直接当たると危険なので、レーザー光を散乱させるなどの手段で、各種の規制をクリアする必要。

――その会社で中村さんはどういった役割か?

中村 共同創業者として、大きな方向性を指示する。細かいことは、すべてほかの人がやる。CTO(最高技術責任者)の役割。

――ソラでは何を作っているのか?

中村 紫色LEDを開発し、それを使って白色LEDを作っている。この方法が、たぶんLED照明の本命になる。

例えば、色。白いワイシャツには、蛍光物質が入っている。電球や太陽光に含まれる紫外線でその蛍光物質が反応し、白く見えるようにする。青色LEDを基にした従来型の白色LEDには、紫外線が含まれていない。蛍光物質を励起できないので、ワイシャツが黄色っぽく見えてしまう。色が変わってしまう。蛍光物質は、いろいろな衣服などに入っている。従来型の白色LEDは、照明に使いにくい。

最近、それが分かってきた。

■資金調達でアピールする3つのポイント

――今までベンチャー企業をいくつか立ち上げてきて、とてもうまくいったことと、失敗していい糧になったことは?

中村 ソラでは、前CEO(最高経営責任者)が売り上げを見込めないうちから従業員を増やし、投資も増やした。それが失敗の原因。

この経験から、人数はなるべく少なくして、小さく保つことが重要だと痛感。

人数を増やしたら、固定費が高くなりすぎる。ベンチャー企業は小さい方がいい。20〜30人がベスト。

レーザー開発のベンチャーでは、小さな所帯の方が絶対いい。

――ソラは、100億円ほどをベンチャーキャピタルから調達。資金調達には苦労している?

中村 そりゃ、もう大変。最も苦労するところ。私が一番力を入れているところで、資金調達はメインの仕事と言ってもいい。

――資金調達で、投資家を説得するポイントは?

中村 まずアピールするのは、「これは世の中にない製品である」こと。「大きな市場がある」こと、「優秀な人材がいる」こと。これら3点が重要。

投資家が納得すれば、プレゼンをしたその場で出資が決まるわずか1時間ほど。

■電話1本で人材が集まる

――米国でベンチャー企業を立ち上げた方がお金も集まるし、優秀な人材も集まる。

中村 人材については全然違う。ベンチャーを立ち上げると言うと、米国ではどんな人材もすぐに来る。

「LEDを通信に応用する研究開発を手掛けたい」と考えたら通信の専門家をどこかの会社から連れてくる。「おまえ、来ないか」と言ったら、電話1本ですぐに来る。

大手の通信会社に勤めている人物でも、誘えば喜んでベンチャーに入る。IPO(新規株式公開)などのチャンスがあるから。そういう人材の流動性は、日本と大きく違う。何かをやろうとしたら、電話1本で人が集まる。

資金は、ベンチャーキャピタルがポンと出す。その仕組みがうまく回っている。

日本で同じことをやろうと思っても、人は集まらない。

仮に2、3人でベンチャー企業を起こすとすると、例えば、大手メーカーの中央研究所の所長に、「ウチの会社に来ませんか」と誘うと、きっと逆に叱られる。「ばかにしているのか。私は、〇〇社の研究所長だぞ。なんで、そんな潰れそうな会社に行かなきゃならないんだ」と。

それが海外だと、むしろ研究所の所長クラスが、頭を下げて「入れてくれ」と向こうから来る。優秀な人材はみんな、新しいことを始めたい。人材の流動性が乏しいことは、日本の大きな問題だと思う。

――10年以上前の対談だったか、産業として残るのは自動車ぐらいじゃないかと

はっきり言っていた。案の定、日本の大手電機メーカーは相当苦戦している。

中村 私も一緒に仕事をしたことがあるので分かるが、日本の大手企業の研究者や、有名大学のドクターはすごく優秀。特に、化学分野はすごい。

でも、優秀な研究者に、「研究所や大学を辞めて、ベンチャーでも立ち上げたらどうか」と水を向けると、「いやいや、とんでもない」と。本当に優秀なのに、すごくもったいない。

最近、定年で辞めた知り合いの研究者にどうしているかと尋ねたら、「家庭菜園をやっている」と。これまでの専門性が生かされていない。

ベンチャーの良いシステムがないことが、問題の要因だ。

■投資家と起業家は「フィフティー・フィフティー」

――日本では、「失敗したら、自宅や貯金などの財産をすべて失う」という心配があるのかも。

中村 あまり知られていないかもしれないが,、国でベンチャー企業を立ち上げた研究者は、1円も自己資金を出さない。

ベンチャーキャピタルが全部出す。

1人の投資家が10億円を出すとしたら、その投資家は「50%の株は私のものだが、残りの50%はあなたたち従業員のもの」。従業員は、資金を1円も出していないのに。

「私は資金を出し、あなたたちは頭を使ってアイデアを出す。

お互いに持っているものを出し合うわけだから、フィフティー・フィフティー、株式も半分ずつ」というわけ。

研究者は頭脳を提供するわけですから、お金を1円も出さなくても株をもらう権利がある。

日本には、そういう雰囲気がないように思う。

うがった見方をすれば、日本の投資家は研究者の頭脳を一切認めていないことに。

米国では、研究者が会社にお金を1円も出していないので、潰れても損をすることはない。借金もない。
だから、潰れたらまた次に行く。

ベンチャーを始めてもいいし、大手企業に行ってもいい。同僚の教授でも、失敗する人は多い。

ある教授は会社を3つつくり、全部潰した。でも、失敗するたびに豪邸を建てました。

――それは、どういう理屈なのか?

中村 失敗したら会社の資産、例えば製造装置などをどこかに売る。例えば10億円で。

創業者である教授が、10%の株を持っていたとする。そうなると、1億円が手に入る。失敗しても、資産を売ってお金が入る。

損をするのはベンチャーキャピタル。

例えば100億円投資して、それが10億円になるわけだから、90億円以上の損。研究者は1円も出していない。

米国の研究者や技術者にとっていいところはここ失敗しても金銭的なマイナスはない。だから、次に挑戦できる。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO80151350W4A121C1000000/

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