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エーテル絵本コミュの夜の切手

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最後に会ったのは三ヶ月前だった。私、遠くへ行きますとも言わないでここへ来た。
君はいつでも気丈に振る舞い、そして独特の雰囲気で私の調子を狂わせる。そうあの日だって。私が勝手にどこへ行ってしまったのかも聞いてこなかったのだ。君を存分に甘やかしたかった、そんなような事を言っていたっけ。

それが昨日の夜、私が連絡をするとすぐに返事を寄越してきた。そしてお腹が痛くなる魔法を使って仕事を休み、私に会いにきた。待ち合わせ場所はあえて指定しなかったのに、都会のビルにすっかり溶け込んでしっかりと私を見つめるふたつの目、あれ、やっぱり君に見つかった。




わたしわたしにきがついた

きみはわたしにきがついた

わたしわたしはふたりをつれて

わたしわたしはふたりでむかう

わたしわたしときみにあう




君はすぐに私を見つける事ができた、でもすぐに、私のトナリにある半分に割れた私に気がついた。君の表情が崩れる。私と、半分に割れた私とに交互に視線を預け、少し下を向いてうろたえた。

「 こっちの子にはなにも買ってきてないんだ 」

私は君の言葉につい笑ってしまい、もう今までの全て時間が敷き詰められて重箱にきちりと並んでいたかのように思えてきた。だからきっと君に手を振ったのも昨日だった、そうだよね。
そして君は駅前で買ってきたのと言ってニコリと笑い、紙袋を渡してくれた。中にはリボンのついた夜色の袋とチョコレート、それからバケットが入っていた。君には何もないけど、と私の片割れをチラリと見て、バケットを指さした。そしてまたニコリと笑い、やがて琥珀色のおおきな瞳で私と私をひとつにしてみせた。




わたしわたしにきがついた

きみはわたしにきがついた

わたしわたしはやがてきみが

わたしわたしをひとつにした

わたしときみとがこんにちは

わたしときみとがまたあした

わたしときみとがまたあした




君は最後に握手がしたいと言った。
「 握手なんてしたことがなかったから、この間、好きな有名人に会った時にギコチナイ握手をしてしまった 」
そんなことを言いながら照れ笑いをした君が、手を差し出した。琥珀色の瞳がふたつ、私を捉えている。そして都会の夜のように冷たい手で私の手を握ってきた。お仕事辞めちゃうかも、なんて言っていた君からは想像もつかないしっかりと意志のある手。決してギコチナイ握手なんかではなかったと、私は思った。

そしてまたあしたね、というように、私と君は手を振り合った。またあした、またあしたね。君が言ったように、きっといつでも会えるのさ。君は君が生きたいように生きたらいい。だって君はいつでも魔法を使えるから。灰色のおっきなマフラーで空だって飛べるから。君がだい好きな切手は、世界中の手紙に足を生やすことができるから。君の両手がいつも小刻みに震えているのは、やりたいことし足りなくてウズウズしているだけなのさ。さて今日も冷え込む。あたたかくして、またあした。




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コメント(1)

おはよう
やっぱりねぼう
いいてんきだよ
またいつか
いつでも
きょうだって
あしただって

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