2018冬季五輪　韓国平昌コミュの四分五裂する冬季五輪招致組織（韓国）

朝鮮日報に気になる記事ありました。


四分五裂する冬季五輪招致組織（上・下）
http://www.chosunonline.com/news/20110501000018
http://www.chosunonline.com/news/20110501000019

　　今年開催されるスポーツ関連国際イベントのうち、韓国にとって最も重要なものは7月6日、南アフリカのダーバンで行われる第123回国際オリンピック委員会（IOC）総会だ。2018年の冬季五輪招致に名乗りを上げている江原道平昌が、ドイツのミュンヘン、フランスのアヌシーの競争相手を退け開催地に選ばれるのか、ここで決着する。ところが最近、招致活動を展開している韓国内部の動きを見ると、何かおかしい気がする。招致成功のため力を合わせるというよりも、「取り分を得る」こと、「派閥分け」の方に神経を使っているという印象を受ける。
　　現在、平昌冬季五輪招致のために活動している組織は5グループに分けられる。 2010年に大会招致に初めて挑んだときから活動している「江原道の人々」、趙亮鎬（チョ・ヤンホ）招致委員長（韓進グループ会長）を中心とする「韓進グループの人々」、赦免・復権措置に報いるという見地で取り組む李健煕（イ・ゴンヒ）サムスン電子会長率いる「サムスンの人々」、朴容晟（パク・ヨンソン）大韓体育会会長を中心とする「大韓体育会の人々」、「今回の招致にも失敗したら国の恥」という危機感から投入された「中央政府の人々」だ。ところが、こうした人々に対し「本当に頑張っている」という励ましの言葉は全くなく「とんでもないことに金を使い、自分たちだけが手柄を立てたかのような顔をしている」という不満の声ばかりが聞こえてくる。しかも「公式行事が終わると、関係者たちは所属ラインごとに固執している」という話もある。
　　問題の深刻さは、今回も招致の見通しが楽観的ではないのに、「平昌チーム」が四分五裂していることにある。 15年間IOCに携わってきた北朝鮮の張雄（チャン・ウン）IOC委員の最近のインタビューを見ると、ある程度の察しは付く。張雄委員は「IOC委員たちが社交辞令で発言している言葉に惑わされてはならない」と語った。「支持する」という言葉をそのまま信じてはならないということだ。7月6日の投票にはIOC委員約100人が出席するが、ミュンヘンと平昌が「確実」と見込んでいる票数だけでも合わせて200票を上回るという。
　　五輪開催都市の選定は、客観的な準備状況だけで決まるものではない。ジャック・ロゲIOC委員長の言葉通り、有権者であるIOC委員たちの心を動かす「ヒューマン・ファクター（人間的な要素）」が重要な役割を担う。ブラジルのリオデジャネイロが、シカゴ・東京・マドリードを退け2016年の夏季五輪開催地に選ばれたのも、ブラジルのカルロス・ヌズマンIOC委員の「ヒューマン・ファクター」が大きかった。
　　一国がスポーツ外交の舞台で影響力を持つには、専門性と持続性を兼ね備えた主演クラスのスターの存在が不可欠だ。だが、韓国には確実な力とスター性を持つスポーツ外交の専門家が不足している。金雲龍（キム・ウンヨン）元IOC副委員長が個人的な不正行為で辞任して以来、IOCには、李健熙委員とテコンドー選手出身の文大成（ムン・デソン）委員しかいない。2人とも平昌招致に向けて東奔西走しているが、ミュンヘンを支持しているドイツ出身のトーマス・バッハIOC副委員長の強力な影響力にははるか及ばない。現在、韓国人が国際連盟の会長を務めている種目は、バドミントン・テコンドー・テニスくらいだ。最近では鄭夢準（チョン・モンジュン）大韓サッカー協会名誉会長までもが国際サッカー連盟（FIFA）副会長の再任に失敗し、「韓国のスポーツ外交は暗黒時代に入った」という声まで上がっている。
　　平昌の3回目の挑戦を成功させるには、特別な対策が必要だ。多くの人を口止めし、手柄を立てたような顔をしたり、自分の取り分を押さえようと必死になっている状況を放置していてはならない。今からでも招致委員長を中心に一致団結し、IOC委員たちの票を取りまとめることに力を合わせるべきだ。「運命の日」まであと2カ月だ。

趙正薫（チョ・ジョンフン）スポーツ部長
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版