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拝啓、ソングライター。コミュのthe pillows「ストレンジカメレオン」/孤独

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孤独は、誰もが抱えている感覚だ。十代の中頃か、或いはそれよりも早い年頃に、ふとしたきっかけで気付く感覚。自分自身が、ただひとりの存在であるという真実。愛するものを求めるこころ。自分自身は唯一の存在でありながら、社会の中に属する存在のひとつであるという現実。これらは、孤独という感覚なしには気付けない。この歳になると気恥ずかしくて大きな声では言えないが、生きていくうえでとても大事な感覚だと思う。

だがこの感覚は、随分安っぽい言葉で、しかも偏った視線でうたわれる。世に溢れかえるポップスは〈孤独〉を、幾度となく「あなたがいないと寂しい」という言い回しで茶化してきた。浅はかでわがままな認識が〈孤独〉を、単なる社会からのつまはじき者の感覚であるように捻じ曲げた。簡略化され単純化されて〈孤独〉は少しずつ、確実に、殺されている。

しかし、「ストレンジカメレオン」という曲の中で〈孤独〉は簡略化されることなく、また単純化されることもなく、しっかりと呼吸している。
曲中、「僕はストレンジカメレオン」とうたう。「ストレンジカメレオン」とは「まわりの色に馴染まない 出来損ないのカメレオン」のこと。これは、自分自身がほかの何ものでもない唯一の存在であるという真実に気付いた人間の姿だ。この姿は不器用で寂しく感じるが、また同時に、代わりの存在などないという真実にも気付かせてくれる。

最近では〈孤独〉は、人生における勝ち負けの基準のひとつに数えられることもある。
しかしそれは間違いだ、と断言したい。
〈孤独〉は寂しい感覚だが、決して敗北感のみに包まれた貧困な感覚ではない。《孤独=負け》の図式が無条件に成り立つことは、有り得ない。


  勘違いしないでね 別に悲しくはないのさ
  抱き合わせなんだろう 孤独と自由はいつでも


近年、不可解な猟奇的事件が多発している。悲しいのは、そこに子どもたちが関わっているケースが多いことだ。理不尽に傷つけられる子ども、或いは、理不尽に他人を痛めつける子ども。ニュースを聞くたびに胸が痛む。

ぼくは、そういった事件のおおよその原因が、他人を痛めつけた側が〈孤独〉をみとめられなかったことにあるのではないかと思う。
〈孤独〉は、自分自身が唯一の存在であることをみとめるものだが、それは実は普遍的な感覚で、自分自身の持つ〈孤独〉をみとめ、また他者の〈孤独〉をみとめ合うことで、深い相互理解が生まれるのだ。彼らは自分自身の抱える〈孤独〉をみとめられなかったのではないか。或いは、〈孤独〉をみとめ合えるような存在がいなかったのではないか。そして更に、〈孤独〉をみとめられなかった要因には、〈孤独〉を貧困な感覚としてしか受け入れられないような、それこそ貧困な感覚が世間に蔓延してしまっていることがあるのではないか。

僕はこの曲を、いろんな人に聴いてもらいたいと思っている。この曲は〈孤独〉をみとめられるようになれる力を持っている。

(2005.2.1初稿、2010.2.15改稿)

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