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論文試験対策「刑事訴訟法」コミュの平成22年 新司法試験刑事法第2問 

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こんにちは、現在ロースクール3年生のKちょうです。

新司法試験平成22年度の過去問を解いてみましたので、よろしくお願いします。


http://www.moj.go.jp/content/000046906.pdf


設問1
第1 捜査?について
1 公道上のゴミ集積所にあるメモ片を持ち去った行為について
ア 本問において、以上の行為は刑事訴訟法221条(以下を法とする)の領置にあたるか。法218条との関係で、令状を必要とするべきか否かの観点から、問題となる。
イ この点、法218条が令状を要求した趣旨は、相手方に対して差し押さえの範囲を明示することによって、相手方の所有権を保護することである。
 このことから、捜索差押か領置にあたるか否かは、その物に、管理権が及ぶか否かで決すべきである。
ウ 本問では、公道上であることから、社会通念上、管理権が及んでいるとはいえない。
  したがって、法218条の捜索差押には該当せず、領置(法218条)にあたり、許される。
2 メモ片を復元した行為について
データーを復元した行為は、111条2項、222条の押収に関する必要な処分であるといえる。
 したがって、適法である。
第2 捜査?について
1 マンションのごみ集積場にあるメモ片を持ち去った行為について
ア 本問において、以上の行為について、法221条の領置にあたるか。
イ 捜索差押にあたるか否かは、第1、1、イで示したように、その物に管理権が及ぶか否かで決すべきである。
ウ この点、マンションのゴミ集積所にあるメモ片は、マンションの管理者の管理権にあるといえる。
   このことから、本メモ片を持ち去るには、マンション管理者の同意が必要か、法18条の捜索差押令状を必要とするべきである。
エ  本問では、法218条の令状をとっておらず、マンションの管理者の同意も得た形跡がないことから、違法である。
2 メモ片復元行為について
ア 本問では、マンションのゴミ集積場からメモ片を持ち去った行為について、第2、1から、法218条の令状をとっておらず、マンションの管理者の同意も得た形跡がないことから違法である。このことから、メモ片を復元する行為も違法ではないか。
 前の手続きが違法である場合、後の手続きも違法となるのかが問題となる。
イ この点、人権保障の観点から、前の手続きが違法である場合、後の手続きも原則として違法とするべきである。
  しかし、実体的真実の発見の観点から、前の手続きについての違法性が高くない場合でも、後の手続きを違法とするのは、妥当ではない。
 このことから、前の手続きの違法が令状主義の精神を没却せず、将来の捜査の観点から重大でない場合には、適法とするべきである。
ウ 本問では、令状をとっておらず、マンションの管理者の同意をとった形跡がないことから、マンションの管理者の人権を著しく制限したといえ、違法であるといえる。
  このことから、違法である。

第3 捜査?について
1 Pらは、科学捜査研究所で携帯電話のデーターを再現した行為について、法168条、225条により、鑑定許可処分状を必要とするか。
2  この点、法168条、225条において、令状を必要とした趣旨は、物を破壊したり、住居に侵入したりする人権侵害の度合いが高い処分に対し、令状を要求することで、人権保障を図ったものである。
3 このことから、鑑定許可処分状を必要とする処分とは、強制的手段を伴うもの。
 すなわち、個人の意思を制圧し、個人の住居、身体、財産に制約を課し、強制捜査を目的として、法の根拠が必要なものをいう。
4 本問では、押収した携帯電話のデーターを復元していることから、個人の意思を制圧しているとはいえないし、個人の住居、身体、財産に制約を課しているとはいえない。
  このことから、法168条、225条により、鑑定許可処分状を必要とするものではない。
  これにより、捜索差押に伴う処分、(222条、111条)により、許されるとする。

設問2

第1 おとり捜査について
1 まず、録音の前提として、Pが乙に対して、甲から拳銃を譲り受けて、甲を検挙   するための協力をお願いした。
    このことから、このようなおとり捜査は許されるか。 
2  おとり捜査は、個人の意思を制圧し、個人の身体、財産、住居に制約をかけ、強制的に捜査する目的ではないことから、強制処分とはいえない。
   しかし、任意処分とはいえども、国家が犯罪をつくりだす側面もあるといえる。
   このことから、いかなる場合におとり捜査がゆるされるか。
3  この点、犯意誘発型は、国家が自ら犯罪をつくりだすものであることから、許されるものではない。しかし、相手方が既に犯意を有しており、機会を提供する場合(機会提供型)は、国家が自ら犯罪をつくりだすものであるとは言えないので、許されるとする。
4  本問では、甲は拳銃の密売人であり、予め拳銃を密売しようとする意思があるのは、社会通念上、通常といえる。 このことから、機会提供型といえる。
5   このことから、本問では。適法といえる。
第2 ?の録音する行為について
1  Pは乙と甲との電話の会話を、甲の承諾もなく、ICレコーダーに録音をした。
   このことから、この録音は許されるか。
2  相手の会話を録音する行為は、個人の意思を制圧するものではないことから、強制処分にはあたらない。
   しかし、録音行為は、相手方のプライバシーを著しく制限する行為であることから、原則として相手方の同意が必要である。
    ただし、実体的真実の発見の観点から、相手方の承諾がなくても、?録音をする必要性が認められ、?緊急性があり、?録音の手段に相当性があれば、認められるとする。
3  本問では、?甲は暴力団で、拳銃の密売を行っており、拳銃密売の中心的人物である。このことから、拳銃密売事件の解明には、必要であるといえる。
   ?拳銃密売行為は、直接の被害者がいないという性質から、検挙するのが難しいものである。 このことから、おとり捜査の機会を狙って、録音しなければ、甲を検挙することが難しい。このことから、緊急性も認められる。
   ?Pは甲から承諾をとってはいないが、甲が拳銃密売の中心的人物であること、拳銃密売事件において、直接の被害者がいないことを考えると、やむを得ない部分がある。
   このことから、相当性があるといえる。
4   このことから、Pが録音する行為は、適法といえる。

第3 捜査報告書と伝聞法則
1 問題の所在
本問において、捜査報告書は、Pが録音した内容のものである。このことから、伝聞証拠にあたり、証拠とすることができない(法320条)のではないか。
  2 録音と伝聞証拠
   この点、法320条において、伝聞証拠を証拠とすることができないとした趣旨は、伝聞証拠は、供述者において知覚、記憶、供述がはいりこみ、過誤が生じやすい性質を有していることから、反対尋問権により、真実性を担保させる必要性があることからである。
   しかし、機械が録音したものは、過誤が生じるとは通常考えにくいものであり、
 反対尋問権を保障することによって、真実性を担保する必要性が乏しい。
このことから、原則として、録音したものは伝聞に該当しないものとするべきである。
ただし、機械が録音したものといえども、過誤が生じる事情がある場合などには、伝聞証拠とするべきである。
3 本問の場合
 本問では、捜査報告書の一部に聞き取れない部分があった。このことから、過誤が生じるおそれがあるといえる。
 このことから、捜査報告書は伝聞証拠に該当し、法326条の被告人による同意がある場合、本捜査報告書は、被告人の会話及び乙、丙女の会話を内容としていることから、被告人の供述については、法322条の伝聞例外の要件を、乙、丙女の会話は法321条の要件を満たす必要がある。

以上


コメント(2)

去年その問題を本試験の現場でといた者ですが、領置の問題は遺留物にあたるかという問題で構成したほうがよいように思います。ようは、所有権やプライバシーが放棄されたものであれば遺留物にあたるみたいな。管理権が及んでるならいまだ放棄されてないから遺留した物とはいえないみたいな感じです。


> yosiroさん

ありがとうございます。

ご指摘ありがとうございます。

遺留にあたるかを書くべきでしたね。

また、所有権放棄とプライバシー放棄についても、論じてなかったので、検討の必要がありますね。

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