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音樂工房:高秋美樹彦コミュの映畫『愛の嵐』でのモオツアルト 愛を感じる男の人達には『魔笛』より

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莫差特(モオツアルト(Mozart)・1756-1791)

歌劇『魔笛(Die Zauberfl?te)』より

Bei Mannern welche Liebe fuhlen(愛を感じる男の人達には)




 一九七三年に制作された伊太利映畫の『愛の嵐(Il Portiere di notte)』の中で、欧羅巴(ヨオロツパ)各地を公演に廻るオペラ指揮者の良人に從つて來た妻が、とあるホテルに泊ることになつた。
 が、そのホテルの夜間受付の男を見て女は過去の忌はしい記憶を思ひ出す。
 女はユダヤ人で男はナチの将校だつた。
 二人の出逢ひは強制収容所で、女は男の言ふ事を聞かなければ明日をも知れない命の境遇である。
 男はそれをいい事に女の心も身體(からだ)も思ひのままにする。
 戰後、その生存(いきなが)らへた二人が出逢つてしまつたのである。
 女は良人との穩やかな生活にささやかな幸福を感じてゐるらしかつたが、その男と出逢つた事で命をかけた激情に翻弄された過去の男との思ひ出にのめり込んで現實の世界へ持ち込んでしまふ。
 ホテルで二人が怯えながら『愛の嵐』の中へ迷ひ込んで行く時、女の良人は劇場でモオツアルトの『魔笛』の指揮をしてゐて、この有名な、

 『Bei Mannern welche Liebe fuhlen(愛を感じる男の人達には)』

 この音樂が流れるのである。
 實(まこと)に、西洋の人々に音樂が素養としての深さが身についてゐるのが窺はれて羨望を禁じ得ない。
 巨匠ルキノ・ヴィスコンティが絶賛したと言はれる、リリアアナ・カヴアニ監督の名作である。

     二〇一一年二月八日午前九時過ぎ




※追記

この映畫は音樂の使ひ方ひとつでかうも効果が上がるといふ好例で、

深刻な現實に陽氣な音樂といふ對位法な表現方法は、

昔からある技術(テクニツク)なんですがね。

この曲は貝多芬(ベエトオヴエン・1770-1827)が変奏曲にしてゐますが、

『森のくまさん』にそつくりの變奏部分があります。

ご一聽を!

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