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短歌総合誌を読むコミュの短歌 2010年11月号

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第56回角川短歌賞発表
受賞 大森静佳「硝子の駒」
次席 小原奈実「あのあたり」
佳作 平岡和代 平田真紀 松山紀子
選考座談会 三枝昂之 小島ゆかり 永田和宏 梅内美華子


追悼・河野裕子
・座談会「河野裕子が生涯をかけて歌ったもの」
 馬場あき子 佐佐木幸綱 高野公彦 栗木京子 米川千嘉子
・河野裕子百首  永田紅・選

共同研究連載 前衛短歌とは何だったのか
「作品としての魅力(一)」三枝昂之


巻頭作品30首 篠弘 俵万智
巻頭作品10首 雨宮雅子 吉川宏志 松平盟子 阿木津英ほか

コメント(2)

第56回角川短歌賞の発表があり、受賞作・次席・佳作、選考過程などあわせて大変おもしろく読みました。
受賞の大森静佳さんは21歳、京大2年生。京大短歌・塔に所属。略歴のページにかわいらしい笑顔で写真が掲載されています。表紙に「待ち望んだ新たな恋の歌の登場!」と早くも新たなスターとして売り出されそうなコピーがついており、ちょっと心配ではあります。選考委員全員が高く評価し、特に三枝・小島両氏が絶賛。恋をテーマにしながら「若い感性だけでなく歌に重みをつけている」(永田氏)、「他者にも自身にも慎重さがあって、繊細な心の距離のとり方がにじみ出ている」(梅内氏)、「恋をしている人でなければできないデリケートさが生きている」(三枝氏)、「一連の構成もうまい」(小島氏)と、選考委員の中では圧勝という感じだったようです。
私個人としては「ちょっと褒めすぎでは?」という気もしています。現代かな・口語による恋の歌・青春歌、俵万智さんが「サラダ記念日」で登場したときのことを彷彿とさせます。その類似に誰も言及しないのが不思議なくらいでした。
50首一連を見てみると、小島氏指摘の通り、季節の移り変わりを織り込んだ構成の流麗さがあるのと共に、「水」のイメージを一貫して追いかけているのがわかります。


 カーテンに遮光の重さ くちづけを終えてくずれた雲を見ている

 祈るようにビニール傘をひらく昼あなたはどこにいるとも知れず

 尊さと遠さは同じことだけど川べりに群生のオナモミ

 うすき胸を窓に押し当て君を待つあえなくまぶたへ海を呼びつつ


確かに若き瑞々しさと構成力の高さは感じ、これからの成長も大いに期待できる素質も感じるものの、委員諸氏が言うような「新しさ」はそれほど突出したものがあるようには思えませんでした。恋のはじまりから終わってゆくまでの過程を季節と共に描く一連は、まさに俵万智の第一歌集「サラダ記念日」の巻頭の「八月の朝」と重なります。これは第32回の同賞受賞作であり、24年経って感性が一巡りした? というより「サラダブームよもう一度」というような商業的期待が先に立っているのか? と穿った見方をしてしまいます。
短歌界にスターが生まれることは待望していますし歓迎しますが、早々に歌集上梓などと踊らされることなく充実した内容でのスタートを切っていただきたいものです。

こんにちは。

私も角川『短歌』を購読しています。

12月号の短歌月評(松平盟子)に、大森静佳さんの角川短歌賞・受賞作について、次のような評が書かれていました。

「安定した技量と豊かな叙情に支えられた恋の歌だが、抑制された感情と表現にこもる切なさが良い。この後、どのように成長していくか楽しみだ」

 ・カーテンに遮光の重さ くちづけを終えてくずれた雲を見ている

 ・外国の硬貨のレリーフのような横顔ばかりのあなたと思う

 ・逢えなくて読み継ぐ本にきらきらとガジュマルの木は沼地に育つ


たしかに、「抑制された感情と表現にこもる切なさ」を感じます。

光と影の部分がちゃんと描かれていて、甘く流されないところがいいです。
また、ちょっとおとなしいけれど、気持ちを抑えている表現に好感が持てます。

俵万智の「サラダ記念日」とは、やはりどこか違うものがありそう。
俵さんの歌のような「会話」は見られませんね。









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