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短歌点コミュの短歌点621△お題「オリオン」

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「老」からバトンを引き継ぎましたりりる♪です。

「オリオン」でお願いします。星座のオリオンにかぎりません。あなただけのオリオンを歌って下さい。
☆「命終(みょうじゅう)はかがやくものかオリオン座のペテルギウスがあかあかと喘ぐ」
悟桐学

*「映写機は海から昇るオリオンを親を知らない子らの瞳に」
拙歌

ルール
1、出題者が、お題を出します。
2、お題は、何でもありで面白そうなもの。50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3、出題者じゃない人はお題を詠みこんだ短歌を投稿します。(一人一首のみ)
4、一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を一つ選び、その選出理由を書きこみます。
5、次のお題は最優秀短歌をつくった人が出します。(新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
6、その後はみんなでワイワイ感想をかわします。


わたしは毎回精一杯講評を楽しみながら学びながら取り組まさせていただいています。いたらないことはたくさんありますが、講評のための下書きをわざわざ個人的にお見せすることはできません。これはいろんなひとに相談して決めました。ご理解をよろしくお願いします。

コメント(44)

子供らも煙草のまねで食べていたオリオン製菓のココアシガレット
オリオンをうしろに一枚撮りませんか(零光年に生まれる鼓動)
出題者です。冬の星空もその位相を変え春の様相を成してきました。2月いっぱいで締め切ります☆☆☆☆☆☆☆
シャツ干せばしとどに重くオリオンの弔旗となりてはためきもせず
背を向けて空ひくくゆくオリオンと恋せよおとめ冬はみじかし
…めに全て♪オリオリオリオン、ヤリヤリヤ♪…一人カラオケですけど何か?
オリオン座くらいにすぐに見つけるよ駅のホームにチェックのリュック
オリオンは高くうたひと歌いつつ白菜ざくざく放り込んでゆく
オリオンのかがやく夜更け眠れずにパジャマで犬と散歩しにゆく
投稿ありがとうございました。

ここからはわたしががんばります。

参考文献 「NHK短歌入門佐々木幸綱短歌に親しむ」日本放送出版協会
[001]
勇者なるオリオンとても苦手有り蠍昇ると空を降りおり


この短歌が物語っているのは神話です。有名なストーリーですがおもしろくまとめてオリます。ただのだじゃれで終わらせずそれでいていつもユーモアを忘れないこの個性は一冊の本をなすことができたら人生に憂える人の心を明るく照らすでしょう。


[002]
なさざりし三つを数えるかうべにも今宵のリボン賜ふオリオン

オリオン座は見つけやすくとくに真ん中の星三つのならびは特徴があります。この歌の主体はいま三つ心に曇りをかかえているようです。気が晴れない時夜空の星をみつめて宇宙の雄大さに心慰められた、そんな体験はないでしょうか。あくせくした人間世界の憂うつを輝く冬の星座のオリオンがよりおおきな次元から「それでもあなたはよくやっているよ」とそっと語りかけてくれた。そんなひとと自然との対話を「リボンを頭にそっと乗せていただいた」実感として歌っています。
この歌を読んだ誰もが これからオリオンを見上げるたびにこの歌を思いだしこうべに輝くリボンを体験するかもしれません。「星の王子様」の笑顔を思いだしました。
[003]
昔むかし白雪姫の映画みた赤い扉おもいオリオン座


視覚に訴える歌です。ちょうど「むかーしむかし…」と白雪姫の映画からはじまってカメラはそのまますーっと後ろへ下がり赤い扉、そして「オリオン座」と輝く劇場の名前が見えてこないでしょうか。

赤い扉は、その向こうに夢の世界が待っていた、ときめきを甘い思い出として大事に守ってくれているように思えてきます。


[004]
地に落つる光は遠きオリオンの命を知らずただ眺めをり


642光年離れたオリオンからの光りが地球に落ちる… この上句の発見はスケールがおおきく「地に落つる光は遠きオリオンの」ととても魅力的に歌われています。
ペテルギウスはいつビッグバンを起こしてもおかしくない老いた、赤い巨星です。
一方リゲルはまだとても若い青白の星です。
オリオン座は生まれたばかりの命もあれば燃え尽きようとしている命もあるのです。
下句ではその「オリオンの命の長さははかりかねるけれど、わからぬままにただ静かにわたしは光をみつめているのだ」と歌っています。
実は、「命を知らず」「ただ眺め」ているのは、誰なのか悩みました。「わたし」ではなく「光」だろうか…この「主語と述語のもつれだけが若干おしかったです。
対象と繊細で鋭い心で向かいあった歌です。
[005]
子供らも煙草のまねで食べていたオリオン製菓のココアシガレット


短歌のスキル的な話しをしますと、素材、省略、個性というポイントがあります。「子供らも煙草のまねで食べていた」はココアシガレットのそのまんまの説明になります。限られた文字数を最大限生かすには説明的部分はできるだけ省略し、そこに作者しか歌えないオリジナルな体験や感性をいれるといいかと思います。何より「オリオン製菓」という美しい言葉、「ココアシガレット」という素材のおもしろさがこの歌にはあります。
[007]
オリオンをうしろに一枚撮りませんか(零光年に生まれる鼓動)


この歌の魅力のひとつは「零光年」です。短歌を芸術たらしめるのは「目にみえないもの」「ここに無いもの」想像力を働かせなければとらえられない何かを歌うことにあるといいます。
何かかけがいもなく大切な事が起こっているのだ、と胸の高鳴り、心の震えが伝わってきます。
[009]
シャツ干せばしとどに重くオリオンの弔旗となりてはためきもせず


挽歌は短歌の世界で長くずっと歌われてきました。冬の冷たい空のした洗濯物はなかなか乾きません。この日常的な体験に「まるでオリオンの弔旗をかかげているようだ」という深い体験を発見しています。大切なひととの別れ 大切な何かの喪失 ひとは生きていくうえで時につらい体験を乗り越え過去を葬り決別をしていかなければなりません。その心の回復の作業はこんなふうに毎日のなにげない繰り返しのなかにふと現れるのではないでしょうか。
生きる力強さを訴えかける歌。
[011]
背を向けて空ひくくゆくオリオンと恋せよおとめ冬はみじかし


「ゴンドラの唄」
いのち短し
恋せよ少女(おとめ)
朱き唇 褪せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に 明日の月日は ないものを
映画「生きる」(黒沢明監督)のなかで癌告知を受けた主人公がブランコに揺られながら歌います。

もと歌の強いイメージにも負けない「冬」に輝く恋、刹那の輝きを歌ったいい歌だと思いました。オリオンの描写がコミカルでいい。


[013]
…めに全て♪オリオリオリオン、ヤリヤリヤ♪…一人カラオケですけど何か?


はは。ソロ活動は全然平気なひともいればぼっちでは食事もできないひともいるようですね。…で音楽とセリフをわけていますね。記号や符号は新しい短歌表現として様々な試みがなされているそうです。記号をたくさん使って楽しく遊んでますね。遊び心は大事!


[015]
オリオン座くらいにすぐに見つけるよ駅のホームにチェックのリュック


ひとがたくさんあふれる駅でも大好きな君だけはすぐにわかる。ほらあのチェックのリュック。
素直な恋の歌として誰もが共感し好意を持つのではないでしょうか。人間の心の普遍性をうまく掴んで軽やかに歌いあげています。
[016]
こちらは、一部変換できない文字があるため、申し訳ありませんが左の数字にとんでください。(様々な条件で様々なひとが参加しているのがネットコミュニティです。どうか差異を責めるのでなく理解しあえることを祈ります。)

冬の星は、受験生の夜をこうこうと照らし未来へと生きる意志をいざない導きます。その苦しみもかけがえのない人生の軌跡として星座にしましょう。(見当はずれかもしれませんが一読者の拙い感想です。お気を悪くなさならないことを祈ります。)



[017]
オリオンは高くとうたひつつ白菜ざくざく放り込んでゆく


佐々木幸綱によれば「行動」が歌の主題となるのは現代になってから。百人一首のころは「思う」歌が断トツだったそうです。
高らかに歌いながら力強く料理する主体がすがすがしく描かれています。何気ない毎日の生活だからこそ輝く歌がある。それを実感させてくれる歌です。



[018]
オリオンのかがやく夜更け眠れずにパジャマで犬と散歩しにゆく


魅力ある歌には人を「夢」に誘う力があるといいます。「パジャマで」と歌われたことで夜更けの散歩が一気にワァンタジーを帯び、美しく、自由で、あたたかい冒険の物語りがはじまります。想像は創造の歌!

[019]
ひとりでは生きてゆけない愛された証しのやうにオリオンを見る


人生の発見と深い詠嘆があります。今までは自分ひとりでがんばって生きてきた。そのつもりだった。けれど大事な誰かを失ってはじめて、ひとは愛し愛されるその葛藤のなかで迷い、選んで自分の人生を切り開いていけるのだ、と気づく。それは自分ひとり(のつもり)で頑なになって生きるより ずっと心もとなく恐い生き方です。そんな時 誰かとしっかり愛し愛された記憶が主体のこれからの人生を支えてくれるでしょう。冬のダイヤモンドと言われるオリオンが涙でよけいに輝く様がみえました。
人生を肯定する歌 人間を超越したより大きな何かと対話する歌挽歌夢をみる力とその自由と創造…様々な視点からバトンを渡したい歌がありました。が、「見えないものを歌う」という短歌表現の無限のおもしろさを感じさせてくれた一首を選びたいと思います…(断腸の思い)。


最優秀賞は


オリオンをうしろに一枚撮りませんか(零光年に生まれる鼓動)

えっと 森ヰ森羅Zさん です。 次のバトンよろしくお願いします_(..)_
お疲れさまでした。わっ、ありがとうございます。少し前まで心身共にぼろぼろだったのが今は落ち着いてきたので、きちりとバトン努めさせていただきます\(゜ロ\)(/ロ゜)/
おきになりは尾道太郎さんです。オリオン座を、「存在感」の象徴としてよみこんだのはちょっと面白いなと感じました。歌としては仁尾さんの
■はじめての待ち合わせだから目印にその場で一番浮かれています
を思い出しました。

おきにいりはパンタタさんです。
はためいていたらどんな音が聴こえるのでしょうね。
りりる♪さん、お疲れ様でした。
オリオンというお題、難しかったです(^_^;)
というのも、

オリオンもベルトを外す夜だからおめでとうほら ひとつになろう (ぴゅう♪さん)

の歌が素晴らしかったから(笑)
最後に出てくるのは自分の生活に根差したものになりますね。
誉めて頂いてありがとうございます。
ただ、訂正をさせて下さい。正しくは

オリオンは高くうたひと歌いつつ白菜ざくざく放り込んでゆく

です。星めぐりの歌ですね。
うたひ、は元の表記通りです。
>>[30]

がんばってくださってありがとうございますハート達(複数ハート)

>>森ヰ森羅Zさん

最優秀おめでとうございます。
>>[036]

ああこれは大変失礼しました。ちゃんと調べるのだった…。

「星めぐりの歌」宮澤賢治

あかいめだまの さそり

ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの 小いぬ、

ひかりのへびの とぐろ。

オリオンは高く うたひ

つゆとしもとを おとす、

アンドロメタの くもは、

さかなのくちの かたち。

大ぐまのあしを きたに

五つのばした ところ。

小熊のひたいの うへは

そらのめぐりの めあて


ありがとうございました。
>>[36]

オリオンは高くうたひと歌いつつ白菜ざくざく放り込んでゆく

星めぐりの歌

よい素材ですね。
オリオンの中では一番美しくオリオンを歌っていると、私は思いました。

素材を見つけるのも、感性のよしあしが問われるような気がします。

オリオンというお題は大変難しかったです。
私としては、じゃがいもうさぎ。さんが、最高でした。
りりる♪さん。選歌&講評お疲れさまでした。
森井森羅Zさん。最優秀おめでとうございます&お気になりありがとうございました。
オリオンというお題、凄く良かったです。広がり過ぎもせず、いろんな物語を内包していて。
でもお気に入りはそんな物語とは全く関係ないところで遊んでいたこん竹showさんでした。
りりる♪さん、選歌と講評お疲れさまでした、ありがとうございました。
森ヰ森羅Zさん、最優秀おめでとうございます!
括弧使いが格好良いです!(駄洒落ではありません)

「オリオン」のお題が出た時点で、「この間思いっきり使っちゃった!ガビーン」という思いが先立って勝手にドキドキしていました。笑
「もと歌の強いイメージにも負けない」と言ってくださって嬉しかったです。
お気に入りは、じゃがいもうさぎ。さんのお歌です。
星めぐりの歌を口ずさみながら台所に立つお母さんってどんな感じの人なのかなぁーと勝手に想像てしまいました。笑
(オリオンがベルト外す歌を気に入ってくださっているようで…とても恐縮です)
>>[39]
わぁ!最高だなんて照れ臭いですね。ありがとうございます(^^)
北東北出身なので、宮沢賢治は身近な存在なんですよ。国語と道徳の授業で必ずやりますし、銀河鉄道のアニメ映画は三回くらい学校で見ました。
星めぐりの歌、いいですよね。
一番より二番の方が好きです。星座豆知識って感じで。
>>[41]
お気に入りありがとうございます。
星めぐりの歌はのんびり歌うのにちょうどいいんですよね。昔習った歌が今になって口をついて出てくるのはよくあります。
で、歌詞の続きが出てこなくてもやっとすることもよくあります(笑)
料理どころじゃなくなったしてして。

ベルトを外す歌良かったですよ、私にはまず作れない歌だなぁと思ったので(^^)

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