PALAKAコミュのパラカ・シャツを愛したミュージシャン伝説

『パラカ・シャツを愛したミュージシャン伝説』

　日本でいちばんのハワイアン・スラ
ック・キー・ギターの名手であり、ハ
ワイアン・レコードのコレクターとし
ても世界的にも有名な山内"アラニ"雄
喜さんのステージ衣装は、いつもパラ
カ・シャツと決まっている。今まで発
売されているＣＤジャケットの写真や
イラストにはすべてパラカを着て登場
している。山内さんはハワイからパラ
カの持っている大きくて、深い意味を
日本の人々に広めるための伝道師でも
あるのだ。
　まだハワイが一般の人々には遠い存
在であり、「夢のハワイ～」「憧れの
ハワイ～」などと歌われていた時代に
単身ハワイに渡り、スラック・キー・
ギターの大御所ギャビー・パヒヌイの
教えを乞おうとしたが、その時点では
うまく巡り会えず、ちょうどアクシデ
ントで仕事を休んでいた、やはりスラ
ック・キー・ギターの大御所レイ・カ
ーネに師事した。そのレイ・カーネこ
そがパラカの信奉者で、山内さん同様
にステージ衣装はパラカ・シャツ。レ
イ・カーネからアロハ・スピリット、
スラック・キー・ギター、パラカの洗
礼を受けた山内さんは、帰国後もこれ
らの教えを我々に伝えるべく、本業の
こんにゃく屋さんを営む傍ら、ライブ
活動やＣＤ制作にもアロハな心意気で、
パラカっている。
　ライ・クーダーとの共演で世界中に
スラック・キー・ギターのファンを増
大させた張本人であるギャビー・パヒ
ヌイが参加していたサンズ・オブ・ハ
ワイはパラカ・シャツがトレード・マ
ーク。ウクレレの達人エディ・カマエ
率いるサンズ・オブ・ハワイもレコー
ド・ジャケットをご覧の通り全員パラ
カ・シャツ。サンズ・オブ・ハワイや
レイ・カーネはもちろんの事、数え上
げたら切りがないくらい多くのミュー
ジシャンが、レコード・ジャケットで
パラカを着ているのを確認出来るのだ
からステージや普段でも着ている事も
多いはずだ。
　パラカ姿のレイ・カーネの写真が使
われているスラック・キー・ギター紹
介ビデオのライブ・シーンで、司会者
が、いろんな色のパラカ生地をパッチ
ワークしたクレージー・パラカの短パ
ンを掃いていて、それを見た山内さん
は、早速クレージー・パラカ・シャツ
を発注した。今年の７月20日の海の日に
東京・青山カイで催される山内さん率
いるパイナップル・シュガ・ハワイア
ン・バンドのライブにはクレージー・
パラカ・シャツ姿でステージにと意気
込んでいる。
　最近、細野晴臣、沖縄の照屋林賢と
カラビサ(沖縄語で裸足の意味)という
ユニットを組んでいる久保田麻琴やウ
クレレ・フリークで知られるサザンオ
ールスターズの関口和之、アコーステ
ィック・ギターの名人、吉川忠英など日本のミュージシャンの
パラカ姿が確認されている。

文／岡本ホーテン

※かなり前に某旅行雑誌の
ハワイ特集において管理人
が書いた原稿をそのまま転
載いたしました。