ボクシング　ビートコミュのもはや裸の王様のようだ・・・。

　惜しみない体力と技術を魅せてくれる全盛期の一流ボクサー達は、いつみても美しいと思う。と同時に、体力が衰えながらも必死にリングにしがみつき、燃え尽きる直前のろうそくの灯のように死力を尽くすボクサーもまた、なんとも言えない美しさがあるものだ。パッキャオはリオスに勝てばまたひのき舞台に立つことが出来るだろう。次はブラッドリーとの再戦だろうか。それに勝てば一度は立ち消えになったメイウェザー戦も夢ではないかもしれない。もしリオスに負けたとしたらどうだろう？次なる敵はマイク・アルバラードかはたまたプロドニコフか？。それはどれで胸躍る話だ。ボクサーにとってリングは常に公平だ。次負けたとしても、求め続ける限りまた次には皆平等に、新たな乗り越えるべき敵が立ちはだかるから。どの時期にも全力で立ち向かえる好敵手がいるからこそ、ボクサーは常に光り続ける事が出来るのだと思う。

　そういう意味で今の亀田興毅は完全に裸の王様のようだ。「世界チャンピオン」という肩書にがんじがらめになって、興業を守るという使命だけにとらわれ、リングで呻いているようにしか私には見えない。このような試合を続けて、いずれ引退した時にそれまで獲得したベルトを観ながら誇らしげに振り返る事が出来るのだろうか。ボクサーの美しさは決して「世界チャンピオン」という肩書の上に成り立つものではない、11月19日の試合を観てそう強く感じる自分がいた。