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アンチ・ファンタシーコミュの2018総合芸術 アニメThe Last Unicorn

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シラバス
【テーマ】 伝説のプロダクション Topcraft 社製作のアニメ作品を研究す る。アメリカのランキンバス社との提携のもとに優れた映像表現を達成した傑作『最後のユニコーン』の演出技法の内実を検証する
【授業概要】アニメ映画 The Last Unicorn(1982) は英語版なので、『研究 アニメーション The Last Unicorn』の日本語訳を施したシナリオをサブ テキストにして、台詞とシナリオの関係を掴んでいく。原作の記述に畳 み込まれた形而上的発想の内実を読み取り、それらがアニメにおける映像表現として変換記述を施されている実態を、逐次原作の文章表現の修辞的技巧と対照させながら検証して行く。
【到達目標】表象芸術であるアニメを対象にして映像表現に託された哲学的な主題を読み取り論議することのできる基本的発想力を身に着ける。 自らの理解を発展的な論考と創作に繋げる応用力を養う。
【授業計画】
1 回 序章 森の中:タイトルバックとタペストリーのユニコーン
 ユニコーンと蝶:蝶の言葉と同時代性、参照を註釈から読み取る
2 回 ユニコーンと農夫、ユニコーンと馬車の男:森の外の世界
 マミー・フォルチュナ:魔女との邂逅、かけられた魔法の技
3 回 真夜中のカーニバル:魔法と見世物、本物と偽物
 ルークとマミー・フォルチュナ:魔法と演技と芸術パフォーマンス
4 回 シュメンドリックとユニコーン:真実の魔法 森の中、
 シュメンドリックとユニコーン:悲哀と後悔、冷淡と慚愧
5 回 旅の途上、シュメンドリックとユニコーン:魔法使いの知識
 森の盗賊達と愉快な宴:ロビン・フッド伝説とその欺瞞的模倣
6 回 シュメンドリックと赤樫の木:失敗する魔法と逸脱的結果
 シュメンドリックとユニコーン:真実の魔法と永遠の存在
7 回 シュメンドリック、レッド・ブルとの遭遇:仇敵との対決
 ハガード王の城、城門の衛兵達:探求の旅の目的地
8 回 謁見室:吝嗇家の暴君の居城
 城、城の台所:一角の群とユニコーンとタペストリー
9 回 城のバルコニー、城の階段、レッド・ブルの気配と猫
 バルコニー、台所のモリーとシュメンドリック:猫の予言と謎
10 回 アマルシア姫とリア:おとぎ話の英雄とヒロイン
 リアとアマルシア、城の大広間:謎の在処とロマンス的求愛
11 回 レッド・ブルの洞穴:予言の成就とヒーローの役割
 城の大広間と骸骨:謎解きと不気味な助力者
12 回 レッド・ブルの洞穴:予言の成就とヒーローの不毛な行動
 レッド・ブル:英雄と魔法使いとヒロインの役割
13 回 海辺、ユニコーンとレッド・ブル:解放されたユニコーン達
 海辺、ユニコーンとリア、森の夜、リアとの別れ:解放と至福
14 回 夜の野原、ユニコーンとの再会:エピローグ
 ストーリーとアニメの主題提示の実態に対する総点検
15 回 レポート課題についての質疑応答
 レポート題目の提出と主題内容審査と指示

【教科書名】黒田 誠 著、『研究アニメ The Last Unicorn』(牧歌舎)
【参考図書】黒田 誠 著:『存在・現象・人格―アニメ、ゲーム、フィギュアと人格同一性』、
 『Annotated Last Unicorn』
【評価方法】レポート提出。レポート課題はおって指示する。
 本講座掲示板に対する対応を評価に加算する。
【履修について】コンピュータの基本操作とネット環境の理解。
【事前・事後学習等】manaba course にアップした講座コンテンツに目を通し、
 追加される補完資料を確認して総合的な理解を深める。
【備考】manaba course のコース「2018 総合芸術」を用いて講座資料 の提示と質疑応答を行う。レポートは manaba course を利用して所定の場所に提出する。

コメント(6)

1回目
 「総合」の趣旨を解説しました。アニメの作品研究に留まらず、それ以外の様々な要素についても研究と考察を行っていきます。日本のアニメ文化の歴史と東映、トップクラフト社、スタジオジブリという中心的なプロダクションの実態に関する考察も、講義主題に含められる訳です。制作会社の名前や監督や演出家など、固有名詞も沢山出てきたので整理が大変かもしれません。今後何度か繰り返して語る予定ですので、最初はとまどうかもしれませんが、大丈夫です。早く整理をつけて思ておきたい方には、講義の録音データを添付しておきますので、これを利用して理解を深めてください。
 原作のアニメは英語版ですので、深い主題を理解するのがかなり大変です。原作の小説との比較も重要な検討事項になります。日本では伝説のアニメとして位置づけられているこの作品の理解を深めることができるように作成した研究書をこの講座のテキストとしておきましたので、まずはこちらをご利用ください。他にもウェブ上に用意した様々な研究資料がありますので、その都度リンクを設けておくことにします。

 2月にイオンタウンで開催した「The Lst Unicorn 研究資料展示」のツィッターのリンクを下に貼ります。
 まずはこれらの記事から今日鑑賞した冒頭のシーンにあった特徴とさりげない関連情報の繋がりを押さえて行ってみてください。1月28日からこのイヴェントのトゥイートが始められています。
https://twitter.com/mackuro3?lang=ja
意外な類似
 「The Last Unicorn」 も「風の谷のナウシカ」もトップクラフト社の制作でしたが、意外なところに類似があるというか、前作の「The Last Unicorn」 で用いた効果的な手法を適用した部分が「風の谷のナウシカ」にも見受けられるのです。オープニングで印象的だったタペストリーを活かした表現がそれですが、ただの使い回しではなくそれぞれがこだわりの演出になっています。
  もう一つは群衆シーンです。手書きのアニメで表現するには最も手間のかかる大変な作業を必要とするのですが、それぞれの作品に見事な群衆シーンが導入されていました。「The Last Unicorn」 の場合はラスト近くで海の中から波のしぶきと共に無数のユニコーンたちが現れて、浜辺を駆け上がってくる場面が大変印象的でした。一方「風の谷のナウシカ」では王蟲の群れのシーンが大変効果的に主題を語ると共に説得力のある映像を形成していました。実はどちらも同じプロダクションの一人の方が担当して成し遂げた成果であることが分かっています。
 このような群衆シーンは「モブシーン」と呼ばれる映画の特有の表現ですが、このモブシーンに注目してアニメに表された全一主義的主題を考察したのが、以下の講義データです。もちろん締めはユニコーンとナウシカになっています。

2011 art study mob.docx
https://www.academia.edu/36355932/2011_art_study_mob.docx
原作の読解メモ
 以下のリンクに原作の読解上の手引きと主題の解説があります。ダウンロードして語句検索すると関連事項を確認することができます。

The Last Unicorn Daily Lecture
https://www.academia.edu/9282197/The_Last_Unicorn_Daily_Lecture
女性のユニコーン
 1回目に頂いたリアクションペーパーで、冒頭のシーンで目にしたユニコーンの姿が女性的な感じがする、という感想を頂きました。原作の最初の文でも、さりげなくこのことが語られています。神話や伝説で語り伝えられてきたユニコーンは、厳しくて荒々しいいかにも男性的な印象の存在でした。美術館に保存されているユニコーンのタペストリーが、その存在特性を伝えています。The Last Unicorn に描かれているユニコーンは、この常識を意図的に覆えすような、挑戦的な意図を背景に含むものだったのです。アニメでは、原作のこの感覚を、見事な代替記述を工夫して達成しています。
冒頭 絵コンテ
 絵コンテ表紙とユニコーン登場のあたり
シナリオ
 スタッフの一覧が最初にあります

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