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アンチ・ファンタシーコミュの2013 英語圏文化研究 1

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【テーマ】 量子論理の示唆する宇宙論と科学思想の前提の再点検を 通して仮構と仮構記述の相関を検証し、Peter and Wendy 成立当時の 思想的背景と表現と言説の本質に関する理解の再確認を試みる。
【授業概要】講座題目として「ファンタシーと科学とポスト科学─曖 昧性と多義性と仮構世界の存在論」を設定し、論文テキスト「量子 論理とパラドクスと不可能世界─アクチュアリズムとアンチ・ファ ンタシー」を読み進めながら20世紀初頭の量子論理擡頭期の人々 の科学的関心とその結果得られた宇宙観の変貌が仮構世界構築に及 ぼした影響を検証していく。
【到達目標】科学と哲学のそれぞれの系を構築する基本となる前提概 念を再検証し、これらとの相関をなす仮構表現記述の基本発想に対 する理解を深め、仮構世界を語ることの思弁的意義性を把握する。
【授業計画】
1 回 『量子論的宇宙における仮構』とリアリズムとファンタシー 現実に対する意識的な反発を定義とするファンタシーの存立条件
2 回 自然が芸術を模倣する:アート(芸術)とライフ(自然) “技巧的芸術作品の捏造”と“現実世界に対する忠実な参照”
3 回  ニュートンの構想した万有引力の支配による定常宇宙モデル 循環系とフィードバック系、量子的ゆらぎと観測効果
4 回  ハイゼンベルグの“リアリティ”と“アクチュアリティ” 原子以前の状態では現実はリアルではなく“アクチュアル”な状態
5 回 “アクチュアリズム”という新しい文芸思潮 新規の物理学理論の唱える存在解釈の文学的提示を行うもの
6 回 現実世界の実相を意識することのない記述は軋轢を生じない 現実にはあり得ない出来事を描く“超自然の記述”は、あり得ない
7 回 ツヴェタン・トドロフのファンタシーの定義 自然科学的世界観を備えた意識の主体の精神の動揺を描いたもの
8 回  ルイス・キャロル『シルブィーとブルーノ』の実物大の地図 現実空間と抽象的概念であるデカルト座標の記述との間の乖離
9 回 アインシュタイン『特殊および一般相対性理論について』 『ピーターとウェンディ』のダーリング夫人の“心の中の箱”
10 回  形而上学的思弁“魔法”や“錬金術”や“霊性”や“精神” 非線形的な語りの手法と波動論的な多義性を含んだ仮構世界の記述
11 回  空間・意識・観念あるいは人格・想念・記憶等 それぞれの位相の示す他の任意の位相との変換記述
12 回  ポストモダンと“ニュー・サイエンス” ニュートン的古典力学と「マッハ─アインシュタイン」問題
13 回  “共変性”と“間主観化”、相互依属関係と“等価原理” 重力を時空の幾何学的ゆがみに置き換えたミンコフスキーの時空
14 回  マイケルソン・モーリーのエーテル検出実験と場の理論 マトリクス力学と波動方程式、粒子と波動のパラドクス、排中律
15 回  EPR パラドクス:“実在性の条件”“多義性”と“相補性” “一対無数”対応による“同一性”解釈、現象と存在と人格
【教科書名】『アンチ・ファンタシーというファンタシー2』(牧歌舎)
【参考図書】『存在・現象・人格─アニメ、ゲーム、フィギュアに見る仮構世界の存在論』
【評価方法】レポート及び本講座コミュニティに対する参加貢献度
【履修について】コンピュータの基本操作を理解しておくこと。
【事前・事後学習等】ウェブ上のサイト Fantasy as Antifantasy とブログ Fantasy as Antifantasy Daily Lecture を随時参照する。
【備考】参考資料の提示及び質疑応答を行う場所として、manaba folio
のコミュニティ「2013英語圏文化研究1」を活用していく。

コメント(5)

ゲーム・アニメ作品と量子力学的発想実は多くのアニメやゲーム作品の中に、従来の科学を前提とする世界観を超出する量子論理を応用した設定が導入されています。これら基礎知識に対する適切な理解を行い、科学と哲学の根幹に関わる思想的な問題点を正しく把握することが重要です。魔法や超能力などの仮構的発想は、実はこれらに密接に関わっているからです。以下のゲーム・アニメ作品と、そこに導入されている関連知識を検討しておいてください。

『精霊の守人』:乱流効果と突発的変動
『エウレカセブン』:観測効果と事象の生成―意識による現実の実体化
『とある科学の超電磁砲』:ハイゼンベルグとパーソナル・リアリティ
『ノエイン』:もう一人の私―コヒーレンス、デコヒーレンス
『エル・カザド』:マクスウェルの悪魔と超能力
『Fate stay night』:魔術的宇宙論と“原存在”
『マブラブ・オルタネイティブ』:量子存在と多世界解釈

関連資
http://researchmap.jp/?action=cv_download_main&upload_id=42639
量子力学的発想が導入されているアニメ

アニメ化とマンガ化の双方がなされている賀東招二のSFノベル『フルメタル・パニック』(富士見ファンタジア文庫、1998―2010)では、操縦者の意思を“物理的な力”として現実化する機能である“ラムダ機関”を備えた搭乗型兵器アーム・スレイブ(AS: armored mobile master-slave system)が出現する。この戦闘用の対話型コンピュータ・システムが搭載している秘密兵器のラムダ機関は、人間の精神機能と意識外部の物理現象を仲介するためのインターフェイスとして考案された装置なのである。
 アニメ『ノエイン』(赤根和樹、2005)では作品世界設定に関与する重要概念としてコヒーレンスとデコヒーレンスという宇宙論の根幹に影響を与える量子力学的述語が導入されると共に、平行世界間の干渉により“もう一人の自分”との遭遇を果たすという、自己同一性概念拡張の主題が主軸として導入されている。
 アニメ『Chaos Head』(2008、原作はニトロプラスの同名のゲーム作品)では、主人公であるヴァーチャル人格の保有する妄想を具現化させる能力として、思念の現実化の問題が中心主題として採用されている。
 劇場版アニメ『交響詩篇エウレカセブン』(ボンズ、2009)では、神話と夢が個人の意識内で連続的に交錯してこれらを実体化させることが可能な観測効果の応用技術が導入され、現実世界と仮構世界を包含する統合的次元の存在が示唆されている。アニメ『ゼーガペイン』(サンライズ、2006)では、外敵による侵略を受けたコミュニティにおいて個人存在のそれぞれと彼等の生きる環境の全てをコンピュータ記憶媒体に変換保存して隠蔽することにより、世界の壊滅的危機を回避する様が描かれている。現象存在と情報存在の相互変換の可能性が描かれているこの作品の示唆するものは、個人存在の意識が仮構(ヴァーチャル情報)世界と現象世界を通貫して“存在”し得る意識・概念連続体という拡張場の仮説である。
 アニメ『シムーン』(スタジオディーン、2006)では、“神の乗機”と呼ばれ敬虔な頌歌を奏でる舞踊のために用いられる装置は、時・空のそれぞれを核とする複合体からなる“テンプス・スパティウム”と名付けられた飛行機械である。巫女達がこれに搭乗して捧げる“リ・マージョン”と呼ばれる詠唱/舞踊行為は、神に捧げる敦実な祈りであると共に、支配者の圧政を補助するために用いられる殺戮兵器としての効果をもたらす一つのテクノロジーでもあるとされている。
 アニメ『とある科学の超電磁砲』(鎌池和馬、2009)では、ハイゼンベルグの不確定性原理と密接な関連を持つ理論として、“パーソナルリアリティ”と呼ばれる現実認識のあり方が補修授業の課題項目としてさりげなく背景に導入されていた。主観意識と客観存在の区別を設けない現象―意識の統括的把握の可能性が、超能力や魔法という主題の背後に秘匿されているのである。
4月11日
物理現象として事象を確定させる試行の例として、アニメ「精霊の守人」からお盆の中に3つのコインを投げ入れて表と裏の枚数を確かめる賭けの場面を検証しました。
事象の定義と実験
 ある特定の状態にあるものに何か決まった操作を加えたならば、引き続き生起する変化の過程とその最終的な結果は予測可能、つまり決定的なものであると19世紀までの多くの科学者/哲学者は考えていました。その過程を支配しているのは定まった物理法則であるから、連鎖的に起こる途中のそれぞれの出来事に大きな偏差が見られる筈もなく、常に一定の帰結に導かれるに違い無いと考えたのです。そのような整然とした事象の成り行きが「自然」と呼ばれるものでした。そのような自然のあるがままの姿を法則として捉え、数式で記述して人間の知性で理解しようと試みる行いが「科学」です。それに対して世界を支配する法則的な秩序から外れたものは「不自然」であり、条理に外れたあり得ない出来事は科学の通用しない「超自然」と呼ばれて恐れられていました。それはあってはならないことだったからです。それでは「お盆の中にコインを投げ入れる」という行為のもたらす「自然」な過程は、どのように記述し理解されるべきものだと考えられるでしょうか。自然法則に準ずる最も一般的な「コイン投げ入れ試行」とはどのような描像で語られるべきものでしょうか?また、このアニメの中に描かれた賭けのシーンの中で、果たして「不自然」な出来事はあったでしょうか?
4月18日 事象2 積み上げた箱を崩す
 壁のように積み上げた箱の塊を突き崩したり吹き飛ばしたり、様々な力を加えてその後の変化を検証するシミュレーションを行ってみます。予測通りの自然な物理過程が導かれるとすれば、それはどのような描像として現れるべきものでしょうか。繰り返し同様の実験を行ってみた時、それぞれの過程と結果に大きな偏差が認められることはあるのでしょうか?

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