写真1 N95マスク(提供;興研)
N95マスク(写真1)の「N」とは耐油性がない(Not to resistant to oil)という意味である。さらに強いマスクの規格としては耐油性、防油性がある。医療機関では耐油性は必要ないという判断でNの規格が用いられている。また95とは0.3μm以上の塩化ナトリウム(NaCl)結晶の捕集効率が95%以上という意味で、それ以上の捕集効率となると99や100という規格もある。
また、3種類のマスクを準備した結果、ほぼ99%の人が自分にフィットしたマスクを見つけることができた。ところが、6人は6種類のマスクに増やしても、そのどれもがフィットしないことが分かった。6人はすべて40歳未満の女性であった(McMahon E, Wada K, Dufresne A. Implementing fit-testing for N95 filtering face piece respirators: Practical information from a large cohort of hospital workers .in press Am J Infect Control)。
・参照;McGuinty Government Puts Safety First For Nurses And Other Health Care Workers
・参照;INTERIM GUIDANCE FOR THE USE OF FACEMASKS AND RESPIRATORS IN PUBLIC SETTINGS DURING AN INFLUENZA PANDEMIC
実際に、新型インフルエンザが既に発生している国では、擬似症患者のスクリーニングに迅速診断キットが使われている。米国やメキシコなどで迅速診断キットを販売する米Becton, Dickinson and Company社の日本法人である日本ベクトン・ディッキンソンの担当者は、「自社の迅速診断キットを使い、2例の新型インフルエンザ疑い患者の検体で『A型陽性』の結果が得られたとの報告を受けている。ただしPCR法による確定診断の結果と迅速診断の結果の照合は、まだできていない段階だ」と話している。
米Becton, Dickinson and Company社は近く、米疾病対策センター(CDC)に依頼して、新型インフルエンザウイルスであっても、同キットで「A型陽性」として正しく検出できるかどうかを確認してもらう予定だ。そのデータが発表されれば、新型インフルエンザウイルスの検出感度や特異度なども明らかになるだろう。
新型インフル、より強力な第2波に警戒を WHO
【5月4日 AFP】世界保健機構(World Health Organisation、WHO)のマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長は、4日の英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)のインタビューで、新型インフルエンザの感染について、いったん沈静化の兆しをみせた後で、より強力化して致死性の高まった状態で再拡大する可能性があると警告した。