“ペンは剣よりも強し” (“The pen is mightier than the sword”)という英国の格言があるそうです。劇中のペンは、ことごとく使い物にならず、ヒンケルは激怒していましたが、この格言を拝借してチャップリンがマスコミを批判しているようにも映りました。ヒンケルがオスタリッチを巡ってナパロニと大喧嘩になるシーンでも、部屋の中を覗き込もうとした新聞記者の顔へはクリームが投げ付けられます。当時、チャップリンが一番激怒していたのは、どうやらマスコミの体たらくだったようです。因みに、この大喧嘩のシーンでは、食卓の料理が兵器と化していきます。途中、二人の独裁者が悶絶する原因は“マスタード”でしたが、ドイツで開発された“マスタードガス”に引っ掛けたものと思われます。