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第一コンバットコミュの第21話「実録 第一コンバット十五年史」

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結成から8年目、ようやくまともなバンドレベルにまで行き着こうとしていた矢先に、ノリコイチコンが大検受験のため、滋賀県へ帰郷するという事実はショッキングなものであった。

そして、その事実に一番ショックを受けていたのは、他ならぬエイスケイチコンだったのかもしれない。フジロックオーディションの応募用にオリジナル曲までできあがり、後はライブするだけだったのに、結局、第一コンバットは、ライブというレースに未出走のまま、終わってしまうのか?彼は、たとえ第一コンバットが無くなってしまおうとも、その爪跡を微かにでも残したかったのかもしれない。当時、阿佐ヶ谷に住んでいたエイスケイチコンは、フジロックオーディンション用に録音したCD-Rを片手に、隣のロックな街、高円寺のライブハウスへ、ライブに出演したいと売り込み営業をした。

彼の熱意が通じたのか、2005年10月19日、高円寺Showboatでの、第一コンバットの初ライブが決まった。高円寺Showboatは、当時、ブサイクなのに飛ぶ鳥を落とす勢いだったサンボマスター(※1)が初ライブをしたという場所でもあり、その事実は、第一コンバットをワクワクさせるものであった。なんせ、結成から8年目にしてようやくたどり着いた初ライブである。

ノリコイチコンは大検の勉強のため、既に初ライブの頃には、滋賀県へ帰郷していたが、第一コンバット、最初で最後になるかもしれないライブには、当日新幹線で駆けつけ、出演してくれることになった。

初ライブでもあり、当日は、メンバーの友人達も駆けつけてくれ、2桁を超えるお客様となったため、3バンド中、1バンド目の出番ではあったが、ライブ前から会場は盛況であった。

バンドの控え室では、メンバーが衣装に着替えていた。エイスケイチコンは、AC/DCのアンガス・ヤング(※2)に影響されての、半ズボンのネクタイという、スクールキッズスタイルであった。

タクヤイチコンは、衣装のテーマを「覆面」「プロレス」に絞り込んでいた。なぜなら、プロレスファンは、ロックファンと親和性が高く、プロレスファンを掴めば、バンドファンを獲得できるのではないかという一つの仮説をもっていたからである(※3)。また、「覆面」についても、当時、勢いのあったSlipknotをはじめ、ロックとの親和性が高かった(※4)ことから、タクヤイチコンは、ザ・グレート・ムタ(※5)のムタの覆面(赤色Version)を被り、登場することとした。しかし残念なことに、この覆面は、袈裟みたいな覆面のため、ボーカルなのに口が塞がれてしまうため、途中から脱がなければならない欠点があった。そこで、赤いグレートムタのように、覆面を脱いだ跡も、顔を赤くペイントでメイクをした状態しておくことが必要であった(なお、グレートムタの赤いペイントの顔が分からない方は、スターウォーズの赤いダースモールの顔をご想像いただきたい)。

そこでタクヤイチコンは、あらかじめネットで購入しておいた、サッカーのサポーターが使用するフェイスペインティング用の剥がせる塗料を、楽屋の鏡をみながらペイントすることにした。しかしながら、その鏡の前にはなんと先客がいたのだ。「まことちゃん」の作者である、楳図かずお先生が召されているような、違和感のある、横縞の赤いボーダーシャツを、それぞれ着た女性が二人、鏡の前に並んで、なんと顔を白塗りしているのである。それは、第一コンバットの次に出る順番だった、スウィング☆パァルという対バンさんであった。

白塗りでロックといえば、KISSや 聖飢魔II、デトロイトメタルシティのクラウザーさんなどがあげられるが、どちらかというと和的な顔立ちの女性二人であったため、ロックと、楳図かずおシャツを着たバカ殿みたいなところのギリギリの線のところにあった。いや、むしろ、2015年の現代から振り返ると、日本エレキテル連合を既に10年前に地でやってしまっているという非常に先鋭的なものであった。

そんな楳図かずお風バカ殿白塗り女性が2人、鏡の前で一生懸命、白塗りをしているのだが、タクヤイチコンのほうが、出番が彼女たちよりも先のため、彼女たちの中に割ってはいって、自分は顔を赤塗りにしなければならない。そしてその鏡にはタクヤイチコンも加わり、黙々と3人が顔を塗っていくという異様な光景が生まれたのだ。

そう、第一コンバットの初ライブの控え室では、既に、白塗りと赤塗りの、熾烈な紅白歌合戦が繰り広げられていたのである。

※1 サンボマスター
当時の高円寺Showboatの店長が、ギターボーカルの山口隆氏の大学の先輩であったことから、初ライブの場所がShowboatとなったらしい。なお「サンボマスターじゃねぇよ」は、「角野卓造じゃねぇよ」「シュレックじゃねぇよ」とともに、ハリセンボンの近藤春菜の3大ギャグの一つ。

※2 アンガス・ヤング
オーストラリアを代表する世界的ロックバンド、AC/DCのリードギタリスト。ブレザー、半ズボン、ハイソックスにランドセルを背負ったスクールボーイスタイルは彼の代表格。なお、最近では、リズムギターのマルコムヤングが認知症で脱退、ドラマーのフィルラッドが殺人依頼の罪で逮捕されるなど、何かとAC/DCの周りが騒がしくなっている。

※3 プロレスとロック
スターとなったレスラーには、必ずといっていいほどロックの名曲が入場曲となっている。参考として、ロック的に有名なバンドの曲で格闘家入場テーマ曲として使われたものをピックアップしてみると、

アブドーラ・ザ・ブッチャー/ピンク・フロイド「吹けよ風、呼べよ嵐」
アンディ・フグ/クイーン「We Will Rock You」
大仁田厚/X(LA)「Wild Thing」
K-1GPテーマ/プリンス「Endoruphinmachine」
K-1 WORLD MAXテーマ/ガンマ・レイ「INTRODUCTION」
ゲーリー・オブライト/AC/DC「Thunderstrck」
ゲーリー・グッドリッジ/クイーン「We Will Rock You」
スティーヴ・ウィリアムス/キッス「I Love It Loud」
ダイナマイト関西/プリティ・メイズ「NIGHT DANGER」
田上明/イングヴェイ・マルムスティーン「Eclipse」
WWEサバイバーシリーズ2003/リンプ・ビズキット「Build A Bridge」
蝶野正洋/ロイヤル・ハント「Martial Arts」
ハルク・ホーガン(WWE)/ジミ・ヘンドリックス「Voodoo Child/Slight Return」
ピーター・アーツ/ガンズ・アンド・ローゼズ「Sweet Child O' Mine」
ビッグ・バン・ベイダー/レインボー「Eyes Of The World」
PRIDEテーマ曲/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン「Guerrilla Radio」
ブルーザー・ブロディ/レッド・ツェッペリン「Immigrant song」
前田日明/キャメル「Captured」
武藤敬司/ロイヤル・ハント「Triumph」
ザ・ロード・ウォリアーズ/ブラック・サバス「Iron Man」

なお、第一コンバットが初ライブでもカバーしている、長州力のパワーホールであるが、これは平沢進というミュージシャンが作曲した曲で、ゴリゴリのロックというよりも、テクノ的な要素が強い。

※4 覆面とロック
覆面とロックといえば、slipknot以外にも、ケンタッキーフライドチキンのバケツを被りながら、白い覆面で超絶ギターをバケットヘッドや、リンプビズキットのウェスボーランドなどが挙げられるが、「覆面を被ると暑い、蒸れる、声をだしづらい」という根本的な問題はつき物であり、覆面による神秘性を得られるとともに、そのデメリット感も少なくはない。またグレートサスケ議員のように、「覆面レスラーの覆面を被った議会への参加」の是非は大きな社会的な問題となったが、覆面バンドマンが議員になった場合、また、同じ議論が生じるのではないかという懸念もある。

※5 ザ・グレート・ムタ 
プロレスラー武藤敬二が、海外修行中に演じていた、悪役覆面レスラー。ギミック上はザ・グレート・カブキの息子という設定らしい。なお、ザ・グレート・カブキは引退後、飯田橋で「串焼き・ちゃんこ かぶき」をやっており、なかなか美味いお店である。

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